HIKAKINのVTuber化がVTuber界に与える影響を考える(妄想する)
HIKAKIN、VTuberになる
2021年8月3日、日本を代表するYouTuberのHIKAKINが「ヒカキン、今後はVTuberとして活動して行きます。」と題した動画でVTuber化を果たしました。翌8月4日には同氏のゲーム専用チャンネル「HikakinGames」にて、VTuberの葛葉、渋谷ハルとともにFPS『APEX』の実況配信も行っています。
HIKAKINのVTuber化は同氏のチャンネル10周年&1000万登録に向けた企画のひとつということで、今後も継続していくのか、現時点では不明です。
また、完全にVTuberに移行するわけではなく「アバターでも動画投稿/ライブ配信をすることがある」というスタイルから、VTuber化というよりは「VTubing」(※)と表現するのがふさわしいかと思います。
※VTubing:アバターでライブ配信することを英語圏ではこう言う。英語圏でもまだメジャーな表現ではないと思われるが、日本でも専門ライターが少しずつ使うようになってきている。
ちなみに「もともと顔出しだったタレント・著名人がVTubingしている/していた」ケースについては、QJWebに掲載された下記の記事が参考になります(筆者:たまごまご)。
記事で触れていない国内VTubingの事例ではその他、テレビ東京の相内ユウカやイケガミ君あたりが押さえておくべき事例でしょうか。
HIKAKINのLive2Dモデルはクオリティが高い
HIKAKINがVTubingをしたことはそれだけで十分インパクトがありますが、注目すべきはそのLive2Dモデルの出来の良さです。
もともとLive2Dはその気になればかなり手の込んだ表現ができるツールですが、氏のLive2Dモデルは漫符を含めた表情変化はもちろん、顔の変形(モーフィング)や腕の動きなど、かなり作り込まれています。
今回のモデル制作はLive2D社のデザイナーチーム、Live2D Creative Studioが手がけています。かけているコストもきっとすごいのでしょうが、本家自ら制作していることもあってか、かなり気合が入っているように感じました。
Live2Dを利用したアバターのモーションデモとしては下記も一見の価値ありです。
既存のVTuberへの影響は?(妄想)
まだ2回だけながら、HIKAKINがVTubingしたことで、既存のVTuberのファンとは異なる層にVTuberが認知されたと思います。また、VTuberファンというほどではないにせよ、「VTuberを何となく知っている」層に対してもあらためてVTuberというものを印象付けたのではないでしょうか。動画内では配信の裏側も少しだけですが見せていたので、「VTuberってこんな感じで動かしているのか」というイメージも伝わったでしょう。これを受けて既存のVTuberはどう動くでしょうか。
ホロライブやにじさんじなど一部のトップVTuber、あるいは専門性の高いテーマを扱っているVTuberなどは別として、HIKAKINのVTubing活動からの流入を見越したVTuberが出てくる可能性がまず予想されます。HIKAKINのファン層は子供が多いとのことなので、例えばゲーム実況配信で子供人気が高い『フォートナイト』を始めたりとか(任天堂タイトルは老若男女人気なので定番としてローテに入る)。
また、氏のLive2Dモデルを見て、Live2Dモデルを改修するVTuberが少なからず出てくる気がします。特に姿がリアルタイムに変化するモーフィングに関しては、キャラ設定的に相性のよいVTuberも多いこともあり、ちょっとしたブームになると予想します。
もっとも、既存のVTuberが使用しているLive2Dモデルはライブ配信に最適化されていると思うので、配信にどれくらい寄与するかわからないモーフィングのためにコストをかけるかどうかは予算しだいでしょう。
逆にこれからLive2Dモデルでデビューする新人は、モーフィングありきのキャラデザイン&プロフィール設定を選択肢に入れてもよさそうです。
モーフィングというほどではないですが、例えば下記くらいのギミックは増えるのではないかと。
そして既存のVTuberに限らず全体的な傾向として、VTubingを始めるタレントや著名人がぼちぼち出てくるようになると思います。声優業界あたりではすでにその兆候が見られますしね。
答え合わせは1年後くらいに
最後はほとんど妄想に近い予想になりましたが、予想の結果は1年後くらいにあらためて確認してみたいと思います(覚えていれば)。
※文中敬称略
※サムネ画像はHIKAKIN氏のTwitter投稿画像から引用、記事中画像はHIKAKIN氏の投稿動画から引用
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