『ALTDEUS: Beyond Chronos』をプレイし終えて感じたことなど
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『ALTDEUS: Beyond Chronos』をプレイし終えて感じたことなど

くわけん

 MyDearestのVRゲーム『ALTDEUS: Beyond Chronos』(以下『アルトデウスBC』)をひととおりプレイしたので、ゲームの感想やプレイしながらぼんやり考えたことなどを備忘録的にまとめておこうと思います(クリティカルなネタバレはありません)。なお、ゲーム本編は全アチーブメント達成済みです。

『アルトデウスBC』の良かったところ

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●ゲームボリューム
 ちゃんと計測したわけではないですが、前作『東京クロノス』と比べると2倍くらいのボリュームがあったように感じました。ボリュームがあることと作品評価は必ずしも一致するわけではありませんが(VRゲームの場合は特に)、少なくともお買い得感というか「定価で買っても満足」なボリュームではあったかと。もっとも、私自身はクラウドファンディング参加組なので、この点については最初から度外視していますが。

●ストーリー
 多くはネタバレできないのですが、総じて良かったです。特にトゥルーエンドに向かうルートに入ってからのシナリオはグッときました。個人的にはトゥルーエンド(?)ではないほうのエンディングが物語として美しいな、と思いました。

巨大メテオラの表現
 ウルトラマンやゴジラで見たような特撮ライクな映像を“体験”できます。これぞVRの真骨頂、とも言えるポイントかなと。

ノアのコンサートシーン
 
これまたVRならではの演出・表現でよかったです。例えが古いですが、アニメ『マクロスプラス』で描かれたシャロン・アップルのライブコンサートシーンを連想しました。マクロスプラスは2040年のお話なので、こんな感じのAR/VRコンサートはリアルのほうが先に実現するのかも?

『アルトデウスBC』の惜しかったところ

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UI
 これは個人のプレイ環境やプレイ感覚によるところが大きいと思いますが、床や棚にあるオブジェクトを取る際、思った以上に手を伸ばす必要があったのがちょっと面倒でした。VR/ARのUIでよくある「ポインターで指示して引っ張るようにして手元に収める」システムがあると便利なんですが、そうすると没入感が薄れてしまうし……。これは本作に限った話ではなく、「VRゲームのUIはどうあるべきか」という課題なのかなと。

 もうひとつ、ストーリー分岐を可視化するシステム「アリアドネ」ですが、その形状と配置範囲の広さから、これまたちょっと操作が面倒でした。いちおう「特定のノードを選ぶ→キャンセル」とすることで、選んだノードを視界前方の中心に持ってくることはできますが、人間工学的には仰角・俯角45°以内、左右視野角180°以内とかだと楽なのかなあと。ただそうすると今度は表示スペースの問題が生じてしまいますが。あるいは天球自体をドラッグで自由に動かせるようにするのがUI的にはベターなのかもしれないなあ、とか。

既読管理
 これは重箱の隅っぽい話ですが、一度読んだテキストが周回プレイでスキップできないケースがありました。これはおそらく「テキストは同じだけど別ルートなので未読扱い」という、フラグ制御の影響なのでしょう。が、やはりVRゲームはヘッドセットをかぶるというだけでも手間なので、省略できるところはゴリゴリ省略できたほうがUX的には優しいのではないかと。

「VRノベルゲー」って実は難易度高いのでは?

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 いわゆるノベルゲー・ビジュアルノベルは、非VRゲームの中ではプレイコストが低いほうに属するジャンルだと思います。VRでノベルゲー・ビジュアルノベルをやるにあたっては、その「プレイコストの低さ」をどれだけ再現できるかも重要なのかな、と今回『アルトデウスBC』をプレイして感じました。この先VRデバイスが小型軽量化・高性能化していけばだいぶ改善されると思うのですが、現時点ではまだVRヘッドセット装着の手間や未確立のUIがノベルゲー特有の長所を打ち消してしまうんですよね……。

 そう考えると、『東京クロノス』や『アルトデウスBC』は単に日本人ゲーマー好みのジャンルをVRに持ち込もうしているというだけでなく、(少なくとも現時点では)VRとは必ずしも相性のよくないジャンルにチャレンジしているという、かなり難易度の高いことをやっているのだなあと思います。

MyDearestの次回作に期待すること&余談

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 グローバルで見るとVRゲームに求められているのはインタラクティブ性の高さやド派手な演出であることは承知していますが、それでもやはりMyDearestには次回作もストーリー主導のビジュアルノベル系作品を期待してしまいます。『アルトデウスBC』自体は「VRインタラクティブストーリーアクション」と銘打たれていますが、もうちょいシンプルに「VRノベル」あるいは「VRビジュアルノベル」という名称&コンテンツが定着する未来を期待します。

余談その1
 本作に関してはプロモーションに精力的に取り組んでいるのも印象的でした(特にプロデューサーの岸上健人氏が)。クラウドファンディングを筆頭に、発売前後の各種企画やユーザー・見込みユーザーへの呼びかけは、それだけでひとつのコンテンツになっている感すらあります。

 その一方で、Oculus Storeでのレビュー数など、いちプロデューサーの働きかけの結果がわりとすぐに反映されるのは、裏を返せば市場規模がまだそれほど大きくないことも示しているわけで。Oculus Quest 2の登場でようやくVR普及の土台ができ始めた感はありますが、VR市場の拡大にはまだまだ不断の努力が必要だなあと感じます(自分も微力ながら貢献したいと思いつつ)。

余談その2
 2021年1月4日までOculus Storeで『東京クロノス』『アルトデウスBC』の2本セットが24%引きの5990円でセール中です。まだどちらも持っていない人はこの機会にぜひ購入してプレイしてもらいたいです。


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くわけん
フリーのライター/エディター/Webディレクター(2022年1月現在)。紙/webとも守備範囲。XR(VR/AR/MR)、VTuber関連に興味あり。メタバースとブロックチェーン・NFTは調査中。