石丸氏の2つの裁判結果がどうでもよい理由

私は当初より、恫喝誹謗中傷裁判とポスター裁判については、結果がどうなろうと石丸氏を評価するうえで関係ないと思っています。
なぜなら、内容を見ればたいした裁判ではないのが自明だと思っているからです。
しかしながら、世間ではこれらの裁判結果である「敗訴」という二文字に異常にこだわっているひとが多数いるということがこの選挙戦を通じてわかり、またNHK党の立花氏も最近になってやたらと言及していたので、どうでもよい理由を改めて書いておこうと思います。

ポスター裁判

概要

石丸氏が安芸高田市長選に出馬した際に発注した選挙ポスターと選挙ビラの代金をめぐって、どこまでを支払うべきか印刷会社と争った裁判です。
原因としては商品の発注時点で見積もりを行っておらず、公費負担上限内で収まるとは合意していたものの、印刷会社がその金額に関して誤解していたことに起因しています。
特急料金や特別対応した結果、公費負担額である約30万円の3倍以上の値段である100万程度になってしまっており、「公費負担で収まると言っていたのだから公費負担の金額だ」とする石丸氏と、「正規料金を支払うべきだ」とする印刷会社との間で対立していました。

どうでもよい理由

お金のやり取りにおいて金額に納得いかないのであれば裁判で金額を争うのは普通のことだと思います。
言い分としても両者ともに分からなくはないので、民事訴訟として裁判所が判断すればよいというだけの話でしょう。
この手の揉め事はごまんとありますし、裁判していることやその裁判で敗訴になったことのなにが悪いのかが全く分かりません。
また、金額の妥当性に関しては業者の言い値に近いですので、民事裁判ではなかなか難しい部分です。
石丸氏も敗訴結果を受けて支払いの意思を示していますし、支払って終わりというだけだと思います。

あと本筋とは関係ないですが、石丸氏の妹がこの会社で働いていたことを問題視するひとがいます。
兄のせいで辞めざるを得なかった、というような視点ですね。
本人がどのような理由で辞めたのかが明らかになっていない以上、例えばこんな対応する会社にはいられないと思った可能性や単純に転職しただけという可能性も普通にあるので、それだけをもって批判の対象にはならないでしょう。
というかそれは家族内の話なんだからよく知らない外野はほっとけよと思います。

恫喝名誉棄損裁判

概要

この裁判はタイトルが多少分かりにくいのですが、石丸氏が「議員から恫喝を受けた」とtwitterに投稿したことを当該議員が名誉棄損だと裁判を起こしたものです。
具体的に裁判の争点となっているのは石丸氏が投稿した「敵に回すなら政策に反対するぞ」という文言の有無です。
当該議員が会議の一部録音データを提出し、そのデータ内にはその文面がなかったということで、石丸氏の捏造ではないかと言われています。
石丸氏側は提出された録音データが完全ではないので提出された以外の部分でその文面が発せられていたこと、また後日問い詰めた際に「そういった意図で言ったのではなくアドバイスのつもりだった」と当該議員が発したことから、本人が言ったことを認めていると主張しています。

どうでもいい理由

石丸氏が主張するように、本人の言い訳があり事実上認めているという話以外にも以下の点が挙げられます。

1.実際に政策に反対している
個人的にダントツで意味不明なのは結局反対していることです。
捏造の名誉棄損だと言っているのにもかかわらず、結局それをやっちゃってるっていう。
理由もなく反対するぞを行動で示していくスタイルは斬新でした。
例えば「『殴るぞ』という発言が捏造されて名誉が傷つけられた」と言っておきながら、後日ほんとに殴っているみたいなことですよ。
いや殴ってるやん。
それは果たして名誉棄損になるんだろうか?と思ってしまうくらいお笑いです。
新手のギャグかなと思いました。

実際の例でいえば、全国公募で選んだ副市長を否決した件はあまりにひどかったです。
気になる人は調べてみてください。
議論としておかしいというか、申し訳ないですが否決ありきの言い訳にしか見えませんでした。
また、それ以外にも決算不認定など様々な場面で議論もせずに否決をする姿勢を全世界に発信しておられます。
これで名誉棄損で裁判しているのですからすごい胆力です。

2.録音データに同様の発言がある

これはあまり言及される方がいないのですが、当該議員が公開した音源データに文面こそ違えど敵に回すなら政策に反対する旨の発言があります。

で、今、是々非々で議員をやるものだと私も思いますが、どう言うんですかね、是々 非々以上にやると、今までの議会って私から見ると(市長の)追認機関というようなと ころを強く感じます、多数決ですから。

全文は当該議員の公開した音源とその書き起こしを見てもらえればよいのですが、「是々非々以上にやる」「多数決ですから」と当該議員本人が発言しているんですよね。
この「是々非々以上」というのは普通に考えれば「是々非々ではなくそれ以上に意図をもって反対(賛成)するぞ」という意味ですし、これは敵に回すなら政策に反対するということになると私は思います。

文面が異なるので「敵に回すなら政策に反対するぞ」という文章が捏造だという主張なんでしょうが、それでいいならいいけど・・・と私は思います。
文面は異なっていますが意味はほとんど同じだと私は認識しています。

あともう少し言えば、引用箇所を読んでもらうと分かる通り、文のつながりがあまりにもおかしいんですよね。
何が言いたいのかよく分からないというか繋がりが変というか。
なのでコアとなるような発言が削除されているのかなと疑いたくもなります。
この後に続く石丸氏の返答もそんな感じなんですよね。

ただ会話の中での発言なので文のつながりがおかしいのもあり得なくはないですし、当該議員の議場での発言も文の構成がおかしいことは多々あるので、これは邪推かもしれません。

3.民事裁判であり証拠が出せなかっただけ

結局のところ、この裁判に関して石丸氏としては証拠が出せなかったというだけが敗因だと思います。
一方で相手が謎の録音データを持っていてそれを証拠とした。
こういった場合に民事裁判であれば今回のような判決(33万円賠償)になるというのはしごく当然かなと思います。
本当に石丸氏が捏造で誹謗中傷したのであればもっと賠償額が大きくなるでしょうし、刑事事件で訴えられ公平に捜査されるはずです。

まとめ

以上、くだらないなと思う理由について述べてきました。
基本的に、裁判内容をしっかり理解すればこれらの裁判はそんなに批判されるものでもないということが分かります。
しかしながら敗訴という二文字に飛びついて石丸氏を批判するやり方はよくないなぁと思いながら世間の反応を見ています。
なんというかレッテル張りというんでしょうか。
物事を単純化するのみんな好きですよね。

あと、これらの裁判をすること自体や最高裁まで争う必要があるのか、ごねること自体がダメといった批判もあります。
これらの意見に関しては一定程度納得はするものの、それは個人の権利なのではないかと思います。
石丸氏が納得できなかったのであれば時間とお金をかけて争うのは個人の好きにすればよいはずです。
私の印象ですが、石丸氏は自分の主張が捻じ曲げられた際に徹底的に争う人ですから、そりゃ最高裁まで行くよねというのは当然でしょう。
一貫しているという意味で評価を落とすことにもならないと思いました。
まぁこのあたりは個人個人の価値観なので批判される方がいてもそれは自由でよいと思います。


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