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夢スター歌謡祭
全38曲。昭和の香りがするヒット曲が次々と歌われた。しかし、懐メロ大会といった風ではなく、歌という芸が達者なベテラン勢が楽しみながら、それを披露するステージだったように思う。
2023年8月25日(金)に「タクトホームこもれびGRAFAREホール」(東京都西東京市中町1-5-1)にて、夢グループ主催の「夢スター歌謡祭」が開かれた。往年の音楽ファンたちが集った。
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オープニングは全員がステージに揃って、夢グループの石田重廣社長が作った作品「夢スター春秋」を歌った。
そしてトップバッターはチェリッシュ。ウェディング・ソングの定番「てんとう虫のサンバ」(1973)を披露した。
歌い終わると松崎好孝さんは「これだけ一緒にいる夫婦はなかなかいませんよ」。すかさず悦子さんは「もーいいわ」(笑)。
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1968年に仕事を始め、結婚してからは46年だという。「もう少しで金婚式ですので、それを目指して頑張ろうと思います」と悦ちゃんが宣言した。そして「白いギター」(73)を二人で歌った。
次にステージに上がったのは狩人の弟・高道さん。歌うはもちろん彼らのデビュー曲にして大ヒット「あずさ2号」(77)。
高道さんは「今日は兄貴の分まで心を込めて歌います」と言って、次に「コスモス街道」(77)を歌った。
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続いては意外な組み合わせ。「ヒデとロザンナ」のロザンナさんと、ヒデの代わりに狩人の高道さんが組んだのだ。「愛の奇跡」(68)では二人は手をつないでステージを右に左に。そして2曲目は「愛は傷つきやすく」(70)だった。
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そして、ベテランの平浩二さんが登場、「バス・ストップ」(72)を歌った。昭和47年のヒット曲だ。闘病生活を経て、今も現役の平さん。平さんはこの場で新曲の「愛する君にありがとう」を披露した。
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黒沢年男さんは代表曲「時には娼婦のように」(78)を。グレーの地にストライプのスーツで決めていた。胸には赤いハンカチーフがのぞく。2曲目は洋楽のカバーで「Everybody love somebody」を歌い上げた。
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カラフルな模様が入った黄色いスカートで登場したのは桑江知子さん。「私のハートはストップモーション」(79)を歌った後、沖縄出身の桑江さんは沖縄言葉が入ったタイトルの歌「うんじゅぬ島」を続けた。
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次は韓国出身のZEROさん。まずは大ヒットしたテレビドラマ「冬のソナタ」のテーマとして有名になった「最初から今まで」(2003)をしっとりと聞かせた。続けて歌ったのは多くの歌手にカバーされる人気曲「釜山港へ帰れ」(1972)。
妖艶な踊りを披露してくれたのは石井明美さん。踊りながら「ランバダ」を歌った。そして彼女のデビュー曲で、明石家さんま主演のテレビドラマ「男女七人夏物語」の主題歌「ChaーChー Cha」(86)を続けた。
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ここで夢グループのCMで知られている歌手の保科有里さんが登場。「いつも社長の隣でお願いする女性です」と話し、笑いを誘った。まずは、金沢にいる彼女の87歳の母親のために作った「花の香りに包まれて」。
そして満を持して石田社長が登場。保科さんとのデュエットで2曲歌った。まずは石田社長の父親の言葉がヒントとなった「ごめんなさい、ありがとう」という作品。そして「夢と・・・未来へ」を歌った。
休憩を挟んで、後半戦はあいざき進也さんでスタート。17歳の時のデビュー曲「気になる17才」(74)。次に歌ったのは「恋のリクエスト」(75)。最前列に陣取った「親衛隊」から黄色い掛け声がかかった。
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妹まゆみさんが2023年1月に旅立ってしまったリリーズ。「いつも隣にいた妹の姿が見えない。でも今、妹は私のこの中(胸)にいるんです。二つの身体に別れていたのが今は一つです」と言って、姉のなおみさんは「好きよキャプテン」(75)を歌った。続けて5枚目のシングル「恋に木枯らし」(76)。
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元気印の伊藤咲子さんは華やかな衣装で登場。「ひまわり娘」(74)を歌い上げた。これは16歳の時のデビュー曲。来年50周年を迎えるのだという。もう一曲歌ったのは「乙女のワルツ」(75)という作品だった。
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元ガロの大野真澄さんは代表曲「学生街の喫茶店」(72)をギターを弾きながら歌った。そして、大野さんが作詞で元祖ジャニーズあおい輝彦さんに提供した「あなただけを」(76)を披露したが、途中からフォーリーブスの江木俊夫さんが加わった。
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昭和48年にデビューし、その清楚で透明感がある存在として大人気だったあべ静江さんがステージに現れた。語りから始まる「みずいろの手紙」(73)がまず歌われた。続いては、デビューシングルだった「コーヒーショップで」(73)。
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同時期に沖縄から飛び出した兄弟グループ「フィンガー5」の晃さんがゴールドのパンツ、黒のシャツに胸からこれまた金色の飾りという衣装で登場し、「個人授業」(73)と「学園天国」(74)を派手に披露。
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「青い三角定規」の西口久美子さんは青春ドラマ「飛び出せ青春」のテーマ「太陽がくれた季節」(72)を歌った。闘病中だという西口さん。「少しずつ良くなっている。今出来ることを一生懸命にやりたい」。B面の「青春の旅」も披露した。
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次に登場したのはベテランシンガーの尾藤イサオさん。「ロカビリーで頑張ってデビューして、今はリハビリで頑張っています」とジョークを飛ばした。歌うはテレビアニメの主題歌「あしたのジョー」(70)とアニマルズのカバーで大ヒットした「悲しき願い」(64)という代表作2曲。
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大トリはフォーリーブスの江木さんとおりも政男さん。まずはデビュー10周年で日本歌謡大賞の特別賞を獲った「踊り子」(76)。
そして出演者がステージに戻ってきて、みんなで「ブルドッグ」(77)を歌ってのフィナーレだった。
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