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版画展「フジ子・夢二・藤田」

 有名人気作家フジ子・ヘミング、竹久夢二、藤田嗣治3人それぞれ10点の版画作品を中心にした「春を彩る版画展」が2024年3月4日(月)まで「スペースコウ(SPACE KOH)」(東京都西東京市柳沢6-1-11 秋桜マンション103)で開かれている。
 有名ピアニストのフジ子・ヘミングは版画作品などでも知られており、今回は「猫」「音楽」「女性」がテーマ。

 フジ子・ヘミングさん
 フジ子・ヘミング (左)「夏の夕」銅版画、(右)「おさらい」銅版画
フジ子・ヘミング (左)「天使」銅版画、(右)「お江戸でござる」シルクスクリーン


 竹久夢二(1884-1934)は大正ロマンを代表する画家で美人画で知られる。今展では大正~昭和初期の初版を中心に展示されている。
 大正期の日本の出版史のなかで最も美しい本が出版されている。
 夢二はその生涯で57冊もの著作を刊行しているが、「三味線草」「露地の細道」「山へよする」「夢のふるさと」などは装画・挿絵ともに多色刷り木版をふんだんに用い、夢二装本の美を極めたものだ。
 版画は本から切り取られ、額装して鑑賞されることも多かったという。

 竹久夢二(上)「河原の少女」木版画 婦人グラフ(大正13年10月号)、(下左)「更けゆく秋の夜」木版画 路地のほそみち(大正15年)、(下右)「夜の化粧」木版画 路地の細道(大正8年)

 また、パリで活躍した藤田(1886-1968)、のちのレオナール・フジタ、は挿画本が中心の展示となっている。

 藤田嗣治 (左上)「セミラミス」コロタイプ 1930年、(左下)「サッフォー」コロタイプ 1930年 
藤田嗣治 「天使」ポショワール エロスの愉しみ(1927年)

 かわいらしい天使の姿。
 これは限定本として出された「エロスの愉しみ」で、ドイツの詩人ジャック・グランジョン=オッフェンバック(1883-1956)が「愛」をテーマに編んだ詩集の、そこからの作品である。
 ページの装飾としてあしらわれた表情ゆたかな天使たちのカットが楽しい(「藤田嗣治と愛書都市パリ展図録」発行:(株)キュレイターズ)。

 開廊時間は午前11時から午後6時(最終日は午後4時まで)。無料。スペースコウの最寄り駅は:西武新宿線西武柳沢駅(南口から徒歩でおよそ3分)。連絡先は:090-4718-8558。
 今展を企画した「アール・ラモ」の連絡先は: artrameau@gmail.comと080-5039-1675。

 

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