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ピーXエディXミッキー

 グループ・サウンズ時代からのスターたちが渋谷に集結した。
 そう、元タイガースのドラマー瞳みのる(ピー)さん、元ゴールデン・カップスのギタリスト・エディ藩さん、元ゴールデン・カップスそしてゴダイゴのキーボード、ミッキー吉野さん。
 2023年11月18日(土)、瞳みのる&his friendsによるライブ「長い髪の君だけに愛の国へ」が渋谷クラブ・ロッソ(渋谷区松濤1-29-1渋谷クロスロードビルB1)で行われ、第一部を見た。

手島正揮、瞳みのる、エディ播、ミッキー吉野(左から):中野豊氏のSNSより


 一曲目はドラムの重いビートで始まった。ローリング・ストーンズの「Honky Tonk Woman」だ。
 ピーさんが歌い、他のメンバーがコーラス、ベースは手島正揮さん。
 曲が終わるとエディさんが挨拶した。「まだちょっと昼間なんですね。覚醒しないと。覚醒っていっても覚せい剤じゃないよ」。
 先日のピーさんの誕生日に開かれた記念ライブに話がおよび、エディさんは「行ったらば、ゲストに山崎ハコちゃんとかテリー伊藤さんとかいましたね。ぼくなんてジャニーさんってさんづけでいうのに、ピーはジャニ公とかって言ってましたね」と話して笑いを誘った。
 ピーさんは「先日、沢田(研二)と会って話したんだけど、ジャニーさんは1グループ1人を狙うんだって。ここは僕1人」と述べて、ジャニーさんに「マッサージ」されたという話に付け加えた。
 話はビートルズの新曲などに移って、エディさんは「すごいよね。ジョン・レノンが本当に生きてるって感じ。YouTubeで見たんだけど、初期中期後期がうまく使われているなって思いました」とコメント。
 そして、ビートルズもカバーしており新装された彼らのベスト「赤盤」に新たに収録された「You really got a hold on me」をエディさんのギターで始めて、彼のメイン・ボーカルで演奏した。


 続けてピーさんが「ウクライナ、ガザの問題が今あります。これは150年くらい前の歌詞ですが、いろいろな解釈があって、母親が戦場に行った息子が帰って来るのを墓の中に入っても待っているというのが一つ。ジョーン・バエズは恋人を待っているという内容で歌いました」と話した。
 そして「古くからの反戦歌です」と言って始めたのが「Danny Boy」だった。ミッキーさんのキーボードをバックにエディさんがしっとりと歌い始め、途中からピーが中国語と日本語で歌った。
 反戦歌が続き、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。ピーさんがボーカルを務めたが、途中サビの部分を観客とともに歌った。
 終わるとエディさんが口を開いた。「今さらですけど、何でゴールデン・カップスとタイガースが一緒にやるの?タイガースのリード・ボーカルはジュリーでうちはデイブ平尾。デイブ平尾は自分はジュリーよりかっこいいと思っていた。一生気づかないで63歳で逝ってしまった。幸せな男です」。
 「カップスはもう僕とミッキーしかいませんけど、みんな生意気な奴だったけど、いい人生を送れたんじゃないかと思います。カップスは著名な先生が作ってくれてもレコーディングはしてもステージではやらなかった。でも私もこの歳になって感じるけど、今は歌えるのって成長したのかなって」。
 そしてエディさんのボーカルでタイガースの「花の首飾り」となった。


 ミッキーさんが今度はボーカルで「ガンダーラ」。言わずと知れたゴダイゴの大ヒット曲である。サビの部分は会場からも歌声があがった。
 次は急遽演奏を決めたというクリスマス・ソング「Please come home for Christmas」。「イーグルスとかがやっていて、これブルースなんですよ。アメリカでヒットしたけれど、日本ではあまり聞いたことないです」。
 「我々みたいなバンドマンはクリスマスに家に帰ってクリスマスを楽しめない。子どもが「パパ帰って来てよ」っていうけど、「ママの言うことを聞いて。ちゃんと稼いでくるから」って」とエディさんがそこまで言うと、ミッキーさんが「エディ!寅さんみたいだよ」。
 続いてはタイガースの前身ファニーズが大阪での下積み時代を歌った「名月荘ブルース」だった。
 歌詞に「夢の翼羽ばたかせた街」とあるが、ピーさんは「ぼくたちはみな西成に住んでました。家賃が安かったから」と話した。
 次にエディさんとミッキーさんのボーカルでゴールデン・カップスのヒット曲「愛する君に」。会場が盛り上がった後、「ゴールデンタイガース」という言葉が飛び交うとミッキーさんが「タイガーカップもいいよね」。


 熱気は続いた。エディさんのギター・イントロからピーさんが歌ったのはタイガースの人気曲「君だけに」。会場の多くが立ち上がり、左手を上げて手のひらを広げたり皆が同じポーズをとりながら歌っていた。
 ここでブルース。ミッキーさんの伴奏でエディさんが歌ったのは「Summertime」。ピーさんが「アメリカ南部の綿摘みは黒人が主にやっていました。ボニー・アンド・ベスっていう人が初めて作ったオペラの時の「Summertime」」と説明をした。
 ここでゴールデン・カップスの代表曲ともいえる「長い髪の少女」をエディさんとピーさんのボーカルで演奏した。会場からは「どうぞ」や「きっと」などの歌詞を歌う声が響き渡った。


 「最期はジャニーさんが好きな「Boys」」とピーさんが話すと即座に手島さんが「口外しないでください」。ピーさんが、ビートルズのリンゴ・スターも歌った「Boys」を歌い上げた。
 アンコールはオールディーズの「Stand by Me」だった。

 

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