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絵本作家かがくいひろし展

 絵本「だるまさん」シリーズを読んだことがありますか?
 そう、累計発行部数900万部を超え、子どもたちに広く愛され続けている愛らしいだるまさんが描かれた絵本のシリーズだ。
 作者のかがくいひろしは千葉県の特別支援学校のベテラン教員だった。
 50歳で作家デビューし、54歳の時に病で急逝するまでのわずか4年間に珠玉の絵本を脅威的なスピードで次々に生み出した。
 言葉のない子でも笑い出してしまう、かがくいひろしの絵本は、長年にわたる障がい児教育の現場経験で培われた知見や想いが込められており、まさにそこからでなければ生み出されないものだったのでしょう。
 「日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」が2024年9月14日(土)から11月4日(月・祝)まで八王子市夢美術館(東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F)で開かれる。
 没後初の大回顧展にして関東では初の開催となる。


 絵本原画や制作資料とともに、教員時代の貴重な映像記録や生徒たちとつくった教材などから足跡を辿る。

遠足バス(かがくいひろしが教員時代に生徒と一緒に作ったもの)2007年 松本佳子、松本拓万蔵/撮影:黒澤義教


 かがくいが絵本作家として活動した50歳から54歳までの間に16作品(没後刊行を含む)を世に送り出し、それらは一つとして絶版になることなく、今日も読み継がれている。
 本展ではその16作品すべての原画が展示される。

 『だるまさんが』2008年 ブロンズ新社
 『おもちのきもち』2004-2005年 ⓒHiroshi Kagukui/KODANSHA
『まくらのせんにん そこのあなたの巻』2009年 ⓒHiroshi Kagakui/Koseishuppansha


 また、かがくいは、だるまさんやまくらのせんにん続編をはじめ、数々のおもしろい構想をラフ・習作として遺しており、それらも楽しめる。
 かがくいは常日頃からアイデアノートを持ち歩き、興味を惹かれたあらゆるものをこまめに記していた。のこされた81冊のアイデアノートからは、表現者としてのかがくいひろしの頭の中を垣間見ることが出来る。

アイデアノートNo.28 2004-2005年 ⓒHiroshi Kagakui/撮影:黒澤義教


 開館時間は午前10時から午後7時(入館は閉館の30分前まで)。休館日は月曜日、ただし祝日は開館し、火曜日が休館となる。
 観覧料は一般900円、学生(高校生以上)・65歳以上450円、中学生以下無料。来館日時指定予約をした方が優先的に入館出来る。
 問い合わせは℡042-621-6777。八王子市夢美術館公式ホームページは https://yumebi.com/


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