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棟方志功大回顧展

 2023年は棟方志功が生まれてから120年目。
 板画家の棟方志功の大回顧展『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』が7月29日(土)から9月24日(日)まで青森県立美術館(青森市安田近野185)で開催される。
 休館日は第2、第4月曜日。開館時間は午前9時半から午後5時まで(入館は午後4時半まで)。問い合わせは電話:017-783-3000。
 同展は10月6日(金)から12月3日(日)まで東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1)に巡回する予定。

本展メインビジュアル

 日本のみならず国際的にも高い評価を得た板画家・棟方志功が、版木に顔がついてしまうのではないかという風にして版木から「姿」を彫り出している姿は多くの人々の記憶に刻み込まれている。

棟方志功《二菩薩釈迦十大弟子》「羅喉羅」1939年(1948年改刻)、東京国立近代美術館蔵ーー興福寺の十大弟子、特に須菩提から着想を得て制作されたという


棟方志功《尊厳松》1944年、躅飛山光徳寺蔵


 棟方が居住し、あるいは創作の拠点とした青森、東京、富山の3つの地域は、棟方の芸術の形成に大きな影響を与えた。
 今回、棟方と富山、青森、東京の各地域との関わりを軸にして、板画(自作木版画の呼称)、倭画(やまとが=自筆肉筆画の呼称)、油画(あぶらが)といった様々な領域を横断する絶好の機会となる。

棟方志功《十和田・奥入瀬C》1932年、棟方志功記念館蔵

 また、本の装丁や挿絵、包装紙などの商業デザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたる「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた棟方の多岐にわたる活動を紹介し、棟方志功とはいかなる芸術家であったのかを再考する。
 掌サイズの絵葉書から、公共の建築空間の大壁画まで、「板画」の可能性を拡げ、様々なメディアを通じて「世界のムナカタ」が社会現象になるまでの道程ー「メイキング・オブ・ムナカタ」を辿る。

棟方志功《飛神の柵》1971年、棟方志功記念館蔵
棟方志功《ホイットマン詩集抜粋の柵》「Perfections」1959年(1961年擦)、棟方志功記念館蔵

 1956年、ベネティア・ビエンナーレに「湧然する女者達々」などを出品し、日本人として版画部門初の国際版画大賞を受賞した。69年には青森市から初代の名誉市民賞を授与された。70年、文化勲章受章。
 75年9月13日、肝臓がんのため東京で亡くなった。72歳没。

(棟方志功ポートレート写真:撮影は原田忠茂氏)
 


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