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ブランクーシ展

 ルーマニア出身の彫刻家コンスタンティン・ブランクーシ。純粋なフォルムの探求を通じて、ロダン以後の20世紀彫刻の領野を切り開いた存在として知られる。ブランクーシの彫刻作品を主体とする大規模な展覧会が2024年春、日本で初めて開催される。

《コンスタンティン・ブランクーシ》1924 年 (撮影:キャサリン・ドライヤー)、石橋財団アーティゾン美術館


 パリのブランクーシ・エステートおよび内外の美術館などから借用する彫刻作品約20点に、絵画、写真を加えた計90点ほどで構成される「ブランクーシ 本質を象る」は2024年3月30日(土)から7月7日(日)までアーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2)で開かれる。
 アカデミックな写実性やロダンの影響をとどめた初期から、対象のフォルムをそのエッセンスへと還元させていく1910年代、そして「鳥」に代表される主題の抽象化が進められる1920年代以降の時期まで、彫刻家ブランクーシの歩みをうかがうことができよう。

 コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》 1907-10 年、石膏、高さ 28.0cm、石橋財団アーティゾン美術館
  コンスタンティン・ブランクーシ《苦しみ》1907 年、ブロンズ、29.2×28.8×22.3cm、アート・ インスティテュート・オブ・シカゴ
 コンスタンティン・ブランクーシ《眠れるミューズ》1910-1911 年頃、石膏、 19.0×28.0×19.5cm、大阪中之島美術館(5 月 12 日まで展示)
コンスタンティン・ブランクーシ《鳥》1930 年、フレスコ、29.0×47.0cm、個人蔵


 一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、異なる手法でそれを相対化していく横断的なアプローチは近代的なものといえる。彫刻作品にみられる、素材の性質への鋭敏な意識は職人的といえるもので、こうした創作者としての多面性にも光を当てる。

 コンスタンティン・ブランクーシ《雄鶏》1924 年(1972 年鋳造)、ブロンズ、 92.4×10.5×45.0cm、豊田市美術館
 コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》1926 年(1982 年鋳造)、ブロンズ、大理石(円筒形台座)、石灰岩(十字形台座)、132.4×35.5×35.5cm、横浜美術館
コンスタンティン・ブランクーシ《洗練された若い女性(ナンシー・キュナールの肖像)》1928-32 年(2013 年鋳造)、磨かれたブロンズ、54.9 x 14.9 x 21.9 cm、個人蔵


 開館時間は午前10時から午後6時(5月3日を除く金曜日は午後8時まで)。入場は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日。
 日時指定予約制(2024年1月30日(火)よりウェブ予約開始)。ウェブ予約チケット1800円、窓口販売チケット2000円、学生無料(要ウェブ予約)。中学生以下はウェブ予約不要。
 予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットの購入可。
 この料金で同時期開催の展覧会を全て鑑賞出来る。
 同時開催:石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 清水多嘉示
 同館の公式ホームページは  https://www.artizon.museum/
 展覧会詳細ページは https://www.artizon.museum/exhibition/detail/572

アーティゾン美術館外観

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