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欧州アルプス田舎暮らし

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欧州アルプスの田舎で暮らしている何でもない日常を、親しい友人達へ便りを出すような気持ちで書き綴ります。
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列車で欧州の旅。車窓と読書

子供の頃「世界の車窓から」を見て、遠い国に思いを馳せた。 美しい幻想のような、遠い遠い世界に。 非現実すぎて忘れていたけど、いつか、列車の旅をしてみたかった。 ぼんやりとした記憶の中の幻想が、古びた新聞記事の切り抜きのようにあって、いつか現実にしたかった。 「じゃあ、やってみよう。」 思いがけず外国暮らしする人生になっても毎日がただ精一杯で、その機会は中々巡ってこなかったけれど、少しずつ進めて、ついに願いを叶えた。 いつかテレビで見たような風光明媚な景色が、窓の向こう

欧州リゾート地で長期休暇を

ドイツの田舎も夏らしくなってきて、オープンカー、バイク、自転車で疾走する幸せそうな人達がかなり増えてきました。シーズン到来です。 毎日、タスクリストを最大限まで目いっぱい詰め込みがちな私は、欧州でのんびりと休暇を楽しむ人達を見かける度に 「限界まで心身を削ってる場合じゃなかった!人生楽しまなくちゃ!」 って、ハッとします。 東京にいると私はどうしても、東京のせわしないペースに追い立てられて、気力体力の限界まで消耗してしまう悪い癖があるのですが、自分や家族を大切にするため

田舎と大都市、時々どこかへ行き来。

新しい挑戦、新しい場所、新しい人達との出会い。 知らないことをやると、毎日わからないことに直面し、何もかもが勉強となる日々で、いつまでたっても学生のような気分です。 田舎暮らしは大好きですが、やりたいことが増えるとやはり何かと事足らず、これからはもっと大都市の恩恵を享受していくつもりです。 そう、今年はどんどん挑戦して活動的に行こうと決めていました。 バカンスには快適な田舎暮らしから急に大都市に出ると、人が多くて、せわしなくて、少し落ち着かないものがありますが、それでも風

大人も子供も、新しさを取り入れて、続いていく

新緑の時期の山が好きです。 越冬した常緑樹の深緑の中に、生まれたばかりの鮮やかな新緑の木がまだらになっている季節。 この緑を見ながらいつも、自分の頭の中と重ねて立ち止まります。 「私は新しいこと、アップデートできてるかな」って。 人生を楽しんでいる人達は、アップデートが本当に上手です。 知識や手段を全部を取り換える必要はないけど、もう使えない事は潔く捨てて、新しいことを取り入れられるかどうか、それが浮き沈みの分かれ目のような気がしています。 私も常に新しいことにどんどん

ドイツの職人さん手作り 木枠窓・鎧戸と、網戸問題

今の家の窓は、職人さんが手作りした木枠の二重窓と鎧戸で、絵本に出てくる家みたいで気に入ってるのですが、網戸がありません。つける発想が全くなかったようで、市販の手作り網戸キットも使えない有様です。 網戸がつくとアルプスの風光明媚な景色が見えにくくなるせいか、この辺りでは網戸を使わない家が多いです。隣家で網戸をつけている窓は1つしか思い当たらないほどですね。 つけたい場合、ドイツでは ①自分で網戸的なカーテン(上写真)をテープで貼る ②手作りキットをサイズ通りに自分で切って

欧州アルプスにかかる、二重の虹

こちらの山の天気は激しくて、二重の虹を何度も見たことがあります。 大きくて全体像がいつも上手く撮れないのですが、虹はイラストでよくあるような半円ではなく、丸の一部が見えているのだと気づきました。半分以上の円が見えます。 日光は「日差し」というよりも、「太陽光線」というような強烈な光。 こちらはスカイツリーのアンテナてっぺんくらいの標高に町があります。 気温変化は激しく、カミナリも虹もみんな激しいです。 いつまでここに住むかわからないので、旅人のような気持ちで、写真を撮り

なんでもない日が、大好きになった。

知らないおじいさんが、のんびりと一人で釣りをしていました。写真の自転車は、そのおじいさんの物です。 なんでもない1日の1コマ。 撮らなかったら、すぐ忘れてしまうようなこと。 そういう1つ1つが好きです。 この一帯は多くのドイツ人達が長期休暇に来るエリアで、どこを歩いても絵葉書のように美しい景色です。 静養目的の休暇客が多くて、特に用事もなく、皆がのんびりと笑顔です。 忙しく移動する観光客はなく、セカセカとした時間は流れていません。 地元の人達は通勤時間には急ぐものの、

取り戻した自分の生き方

欧州アルプスの家畜たちは大きな囲いの中で放し飼いされていて、いつも幸せそうで、見ていて気持ちがいいです。この写真はお気に入りの、思い出の1枚です。 ●家畜が自由に見えた家畜たちは柵の中にいるのに、いつも自由に見えました。私が行き詰っていた時には、動物たちが眩しく見えるほどで 「自由でいいな……」 と、自然と心に浮かび上がって、そんな自分にハッとしました。 私って今そんなに不自由なのか。 母として、妻として、嫁として、職業人として、やるべきことが多すぎて、がんばっても無