虹の橋🌈を渡った愛犬くうと私の後悔vol.5

長引く退院から喜びの帰宅！

入院予定は一週間。

その間、面会に通っていました。

ほぼ毎日通いました。

来院すると先生のお話を聞くため、診察室に呼ばれるわけですが、

「ご飯も食べてお利口にしてます。だけど血液検査の結果が、あまり良くならないんだよなぁ」

面会に行くたび、先生はそう言って悩ましそうな顔をしていました。

そんなお話を毎回聞いて、ぼんやりとした不安が胸をよぎりながらも、時間が許される限り待合室に移動して、くうを撫で抱きしめ、後ろ髪引かれながら帰宅する、そんな時間を過ごしていました。

そしてついに、退院予定の日。

前日も面会に訪れ、悲しい別れをしていました。

面会に行くのは嬉しい時間ですが、別れる時が悲しい。

くうは私達が行くと、今日は一緒に帰るのだろう、そう思っていたはずです。

尻尾を振り、私達を懸命に舐め、腕に顔をうずめ、大喜びしていました。

しかし、時間になると看護婦さんに抱かれお別れしなくてはならない。

その時の困惑したくうの表情。曇った眼差し。

くうに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、帰る日々。

やっと連れて帰れる！

今日は一緒に帰れるんだよ、くう！

その日、娘とぽんたを引き連れてウキウキしながらお迎えに行ったのです。

診察室に入ると、くうの姿はなく担当医の先生が頭を掻きながら待っていました。

「アルブミン値も貧血も良くならないんです。まだ退院させられる状態ではなくて」

え？、、、。退院出来ないの、、、、。

聞いた瞬間、娘は半泣きになっていました。

当然、一緒に連れて帰れるものだと思っていましたから。

そんな話をしている間に、看護婦さんがくうを連れて診察室に入ってきました。

私達を見るなり、気持ちが昂ぶるくう。

なのに。

今日も帰れないんだって、、。切なくなりました。

「どれくらい延びそうですか？」

連れて帰れないもどかしさを感じながら、先生に尋ねました。

「今の時点ではなんとも、、」

不安気なくう。点滴が痛々しかった。

頑張るんだよ、としか言えなかった見舞い帰り。

状態が悪いくうを強引に退院させることなんて、出来るわけもなく、先生に委ねるしかありません。

その頃のくうは全開！とは言えませんでしたが、手術の傷は回復を始め、私達に会うと全力で身体を使い喜びを表現していました。

食欲もあり、病院で出されたご飯は完食していた、と聞いています。

元気、に見えました。

少なくともこの時に、残りわずかな命の子には見えませんでした。

しかし、血液検査の結果を見ると、貧血は手術前より悪くなっていました。

アルブミン値も非常に低く、臓器(腎臓・腸)からの漏出 、重度の炎症 が疑われる状態。

退院出来る状態ではないことを、理解するしかありませんでした。

ただ、先生に少し不信感を持ってしまっていました。

前日に面会に行ったときには、退院が伸びる可能性
について触れられてもいなかったので、当然退院すると思って迎えに行っていたからです。

やっとくうを連れて帰れる！と思っていた気持ちが、余計にマイナスの気持ちにさせたのでしょう。

(昨日の面会のときに、そういう状態であるなら言ってくれたらよかったのに、、1日で数値が上がるはずもないだろうに、、)

暗い気持ちでした。

しょんぼりとして帰宅するしかありませんでした。

仕方がない。元気になるまで。

そう気持ちを切り替え、翌日からまた面会に通うしかなかった。

会いに行くたびに置いていかれ続けるくうは、どうせ今日も置いてくんでしょ、そう言いたげな寂し気な表情をするようになっていました。

いつまでたっても、家に連れて帰ってくれない私達をどう感じていたのか、考えると苦しくなります。

寂しかったね、くうちゃん。

やっと退院出来たのは、当初の退院予定から5日経ってからのことです。

その間、貧血が少しだけ回復。しかし、アルブミン値は一向に回復することはなく、長丁場になりそうだ、ということで一旦仮退院という流れに。

先生のお話だと、貧血の治療をすればアルブミン値が下がる、アルブミン値を上げる治療をすれば貧血が悪化する、そういう難しい状態が続いているとのことでした。

その理由が先生にもハッキリわかっていないようで、首を傾げていました。

「少しでも異常があれば、すぐに連れてきてください」

そう念を押されながらも、やっとくうを連れて帰れる安堵感でいっぱいでした。

退院当日みんなでお迎え

ぽんたは久しぶりにお姉ちゃんに会えて、とても喜び興奮していました。

上の写真では落ち着いて見えますが、実際は膝の上で2人で大はしゃぎ。喜びが爆発していました。

お見舞いに数回ぽんたも連れて行きましたが、お腹の弱いぽんたは翌日下痢をすることが多くて、お見舞いに連れていくのを控えていました。

病院という慣れない場所、くうがなぜ帰れないのか分からないストレス、原因は色々あったのでしょう。ぽんたもまた、頑張っていたんですね。

この日は5日ぶりの再会です。当初の退院予定の日以来のご対面。5日会わなかったのは初めてのことでした。

くうは、バタバタと動きながら、一生懸命にぽんたの顔を舐めました。

普段から仲は良い2人ですが、歳の近い兄弟という雰囲気で、お互いを舐める行動は見たことがなかったので驚きました。

可愛い弟の顔を近くで見て、嬉しくて嬉しくて嬉しくて舐めずにいられなかったのでしょう。

とても微笑ましい光景でした。

私達も嬉しい気持ちでいっぱいになりながら、久しぶりにくうを車に乗せ帰宅。

やっと帰ってきたくう。よく頑張った！

幸せそうな良い顔してました。

久しぶりに全員揃い、楽しい夜。

くうも、とても幸せそうに穏やかな表情を浮かべていました。

術後ということもあり、少し元気はないように感じましたが、この夜に大きな異常を感じることはありませんでした。

大きな手術したんだもん、お疲れ様！よく頑張ったね！

そんな声を掛けながら、くうをいっぱい撫でました。

自分の匂い、大好きな人達の匂いがいっぱいの空間で、眼を細めくつろいで過ごす姿。

これが幸せなんだよね、くう。良かったね。

お尻をくっつけて安心してる☺️

2日後、仕事で不在の私に変わり、タクシーに飛び乗り娘がくうを連れて緊急来院することになるとは、、。

この夜は、考えてもいなかったのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　vol.6につづく