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【2023年 2級建築士試験を振り返って】

■やっと合格しましたぁ…
 いやぁ…ようやく…ようやく今年無事製図試験を突破しまして、やっと二級建築士試験に合格できました…。正直ヘトヘトです…😮‍💨。

 お仕事をしながらの試験対策は、なかなか大変でした…。

 でも、これから二級建築士試験を目指す方に、ちょこっとでもヒントになればということで、振り返りとお勉強方法を書き残しておきますね(すいません、木造での受験だったので、木造を前提の記述になっちゃいますが…😣)。

 あ、ちなみに、製図試験対策は、通信の「最端製図」さんで行いました。めっちゃくちゃ良かったので、以下の文章は「最端製図」さん推しになっていますが…。予めご容赦ください…😅。

■受験するまでがまず大変でした…🫥
 ぼくは元々大学が法学部だったので(しかも不動産業者だし😅)、建築士の受験資格がありませんでした。そこで4年間かけて愛知産業大学の建築学科を通信で受講して、ようやく受験資格を得ました。

 この時点でかなりクタクタでしたが…。卒業の時に「通信教育部長賞」という表彰を受けました(ビックリ😮)。頑張ったので一生の思い出になりました…(先生方ありがとう😊)。

 2級建築士は、2022年に愛知産業大学をようやく卒業し、その年に学科から初受験となりました。

 結果として、2022年は学科が合格(90点でしたビックリ😮)、製図試験で不合格(泣😭)。この年は大手予備校のN学院に通っていました。製図対策講座では全くついていけず、クラスでは塾生にも相手にされないダメな子でした…(泣😣)。

 N学院に通学するのも精神的に辛くなってしまい、途中から自宅で自習していました(人と比べられると心がしょぼぼんとなるので、競争させられる学習環境がとてもつらかったです😔)。

 2023年は、前年にTwitterでお知り合いになって合格したお友達から、最端製図を教えてもらいました。ぼくに合っているよ!ということだったので、前半戦から製図対策についてお世話になりました。

 最端製図の前半戦でたくさんしごかれ(?)たおかげで、後半戦に入るときにはある程度エスキスや作図の自信がつきだしていました。

 作図時間を短縮することが課題となりましたが、また別のTwitterのお友達から教えてもらって(この方も最端製図でお勉強していました)、平行定規を使わずに作図するようになってから、30分ほどの見直し時間を確保しながら安定して作図ができるようになりました。

 以下は、お勉強する中で、とてもよかったな~と思うことを書いてみます。これから受験される方々に少しでもお役に立てれば嬉しいです。

■学科試験について
 N学院のテキストと過去問(7年分)の教材(のみ)で受験しました。
 過去問の肢については、すべての肢を確実に〇×の判定ができれば大丈夫かなと思います。
 ただ、いくつかコツみたいなのがあるように思いました。

・構造力学について
 構造力学は、基本的な考え方(反力の求め方とか)から順番に解き方を積み上げていく感じなので、早めに始めた方が良いかなと思います。できれば受験する年の前年の、10月くらいから少しずつ始めるといいかな~と思います。
 僕の場合は、構造力学のノートをつけていました。まず問題を書き写します。そのあと自分で解くのですが、「自分が解いた考え方」を段階を踏んでメモしていきます。

(例えば…)
 ①反力を求める→上からの外力が水平梁の中心にかかっているので1/2→10KN÷2=5KN
 ②水平方向のつりあいを考える→水平方向の外力は3KNのみ→反力も3KN…
 みたく。

 解き終わって解答を読むときに、考え方のプロセスのどこを間違えたのかを、自分のノートに赤字で書き足します。

 最初はすんごい面倒ですけれど、大事なのは「自分の脳みその考え方を修正していく」ことの積み重ねなので、一通りノートをつけるとどんな問題でも正しいプロセスで考えられるようになるので、正解できるようになります。
 手間がかかるので早めにスタートがおすすめです。

・法規について
 正直暗記を意識したことは1つもありませんでした。ただ、構造や施工の勉強を進める上で、「あ~法規のここのことを言ってるのかぁ」というのはありました。

 法規攻略のコツは、7年分の過去問で出てきたすべての肢を、即座に法令集で引けるようにすることです(覚えなくてOK)。
 僕は法令集の線引きは、問題を解きながら進めました(最初にまとめて線引きをするのは、疲れるし飽きるし理解も進まないのでやめました…)。

 過去問を解くときには、問題を読んだら、(どうせ分からないので)すぐに解答を読みます。そしてその根拠となる条文を確認し、付箋をはります。付箋には自分で分かるような一言を書きます(「給水管」とかなんかそんな具合に)。

 1回目はインデックスではなくて、はがせるように付箋をベタベタ張るのがおすすめです。
 予備校のインデックスは、最初に貼ってしまうとあとで「これいらないな~」というのが剥がせないので、付箋にしておくのがお勧めです。

 2週目からは、問題となっている肢は付箋のどこかにあるはずなので、付箋の場所を覚えるような感覚です。

 3週目になったら、付箋の追加もないと思うので、インデックスに変更して出来上がりです。
 これで9割は取れるかと思います。

 あと、法規では計算問題もありまして…。法規の計算問題は分けて勉強しました。

『二級建築士 5日でわかる法規計算』という問題集をやりました。
 これは二級建築士の古い過去問でできているのですが、昔の過去問の方が法規計算の問題は難しかったようです。この問題集がちゃんと解けるようになれば、今の問題は大丈夫かと思います(でも確か、準防火地域の準耐火建築物について建蔽率が10%緩和される法改正が盛り込まれていなかったかと思うので、そこだけご注意ください)。

・計画について
 計画は意外と小中学校の理科みたいな感じなので、それなりに理屈があります。問題を解きながらテキストの理屈を理解するようにすると、より正答率が上がるように思いました。
 理解的な理屈を理解しながら進めると、応用問題も考えながらちゃんと解ける様になるのでおすすめです。

・施工について
 結局いろんな数字を暗記するのですが…。この数字って、様々な研究成果に安全値を加えて告示なりJISなりで決められている数字のようですね。
 その結果、理屈では覚えられないので、1週目の過去問で自分なりの覚え方を決めてメモしておき、2週目以降は覚え方を変更しない方が定着しやすいかと思います。
 自分なりの語呂合わせでも良いですし、一つの数字だけ覚えて、条件が変わるごとに+5されるなどのように覚えてもよいです。
 あと、図や写真をGoogleで調べて、イメージで覚えるのも良いです。
 あの手この手で覚えた感じでした。

(ちなみに…)
 学科試験は、基本的には過去問の解説で勉強した方が効率がいいです。解説を読んでも分からなかった時だけテキストを見たり、Googleで調べます。
 それらの周辺情報は、過去問の解説に書き足します。そうすれば過去問集に情報がまとまっていくので、直前期にあちこち見なくて済むのでおすすめです。

■製図試験について
 製図対策は、「最端製図」にお世話になって勉強しました。前半戦と後半戦があるのですが、なるべく前半戦から取り組んだ方が良いです。後半戦からだとかなり大変になっちゃうかなと思いました(なので、学科試験に合格したら、製図試験はその年はすっ飛ばすというのも良い戦略かもしれません)。

 ぼくは1年目は(N学院のダメな子で)、結局通学が辛くなってしまい、ほとんど自宅で自習だったので、2年目の学習を開始した時には、正直右も左もわかっていない状態でした。

 2年目から最端製図でお世話になりました。

 製図試験のお勉強で、具体的に良かった勉強方法は次の通りです。

①    とにかく自分の頭で第一課題をどうにかこうにか提出する
最初はちんぷんかんぷんなので、一式図が出来上がるまでに100時間以上かかりました…。
でもとにかく半べそかきながらやってみるのが大事かと…(辛いけど)。

②    解答例を単線図に書き起こしながら、「考え方」をトレースする
 プランニングの力を着実につけるなら、この方法が良いかと思います。
 解答例が届いたら、解答例のエスキスを再現する感じで、単線図に書き起こします。
 この時に、「考え方」をトレースするようにします。

「駐車場はなんでこの位置にしたのかなぁ…。北側にすると建物が南側に下がるから、設計条件の庭の面積が不足する可能性があるから、南側にしたのかなぁ…。」とか、

「玄関はいくつか考えられるけれど、ここにしたのはなんでかなぁ…。小部屋や収納の設計条件が少ないから、北側に玄関を持ってきた方が南側を広く居室に取れるからかなぁ…。」など、考え方を考察しながら単線図にします。

 そして、自分なりに考え方を発見したことを、脇にメモして書き残すようにします。
 これを繰り返していると、エスキスの考え方や手順がとってもとーーーーーーっても身につきます。

 また、これを繰り返していくと、いろんな条件に対する「思考回路の引き出しが増える」ので、プランニングの「予測」ができるようになります(将棋で言うところの「大局観」みたいなやつです)

 問題の設計条件から、おおよその「外形」を2つ~3つ予測し、その中から最も無難で作図が早く、構造的にも安定するであろうプランを1つ絞った上で、エスキスをスタートできるようになります。

 こうなると、エスキスに手戻りが少なくなるので、時間的にも60分でエスキスができるようになります。プランニングの「考え方やプロセスを身に着ける」という意味で、単線図に書き起こす作業はとても勉強になりました。

③    書き起こした単線図から、一式図を描き上げます。
 これによって、結果的に解答例をトレースすることになるのですが、単線図から書き上げることによって、自分の線の書き方の間違いに気が付いたり、手順の悪いところがわかったり、窓の形状を掃き出しかと思ったら腰高になっているなどの発見があります。

 合わせて、作図の手順を確認しながら時間を図って一式図にするようにします。
 単線図が出来上がっているので、作図だけを2~3回繰り返すこともできます。作図手順を見直したり変更したりして、手順ごとに作図時間を比較することもできます。
 この作業を行いながら、作図手順を工夫して、固めていくようにします。

④    チェックの練習をする
 ぼくは後半戦になってからですが、2~3枚書き溜めた一式図を、まとめてチェックする練習をしました。
 チェックの練習を意図的に行うことで、次のことが身につきました。

・減点項目が何かを理解することができる
・自分が間違いや抜けてしまう点が理解できる
・どの項目をチェックするのにどのくらいの時間がかかるかが把握できる。

これによって、本試験でチェック時間が何分残っていれば、どの程度の密度でチェックできるかや、自分にとって優先的にチェックすべき点が把握できるようになりました。

 また、問題ごとに減点項目は何かが分かるようになってきます。そうなると、「減点項目とならないであろうことは必要以上に書かない」という選択ができるようになります。
 矩計図をシンプルにおさめることもできますし、採点に関係ない無駄な作図部分を作らないので、作図時間を短縮できることにつながります。

 あとは、「自分で問題を難しくしない」ことにもつながります。

 例えば、矩計図の切断面を南側で切断すると、矩計図が難しくなってしまう場合、切断個所の条件を満たしながらあえて北側で切断し、答案を複雑にしない等の選択ができるようになります(ちょっと分かりにくいですね…😥)。

⑤    解答例やほかの受講生の作図を参考に、良いなと思った部分図をノートにまとめる
 復習をするときには、単線図の書き起こし~一式図の作成、チェックの練習の他、他の受講生の作図などで良いなと思った「技」を部分図にして、ノートにまとめておきました。
 それを空き時間などで何度も見直していると、自分のものとして定着させることができたように思います。

 狭いところに複数の要求室をぶち込む技をたくさん持つことができたりしますので、要求室や必要面積を確保するのに、大掛かりなプラン変更をしなくて済むようになります。

⑥    直前期に、過去問をいっぱい解く
 いろんな問題集が市販されますが、いろんな問題集の中で、結局一番勉強になったのは過去問でした。最端製図では、試験元で公開されていない昔の過去問の情報も与えてくれるので(但し解答例はありません)、ある程度自分で作図ができるようになってから、昔の過去問は全て本試験のように時間を図って一式図&チェックを行いました。

 チェックできるスキルが身につけば、解答例がなくても自分が合格答案を書けたかどうかはある程度判断できるようになります。

 本試験の設計課題は毎年違いますが、過去問を解いていると「この試験の本質」みたいなものもわかってくるようになります。

 結局、保育所だとか二世帯住宅だとかいろいろ出題されていますが、「プランニング力と構造面の理解」を問うている試験だということです。

 ということは…今年の課題と違ったとしても、それでも過去問を解く意味は大きいと感じました(プランニング力と構造の考え方のお勉強にはなるわけです)。

 過去問では、異常にエスキスがまとまりにくい問題や、特徴的な問題(土間とか建築可能範囲が制限されている問題など)が多く、市販されている問題集よりもよっぽど難しかった印象があります。
 
 また、過去に出題された「当時のサプライズ」は、再度出題された場合に当然作図できなければいけません(今年の場合の土間や、交差点から7m以内は駐車場の出入り口を設けてはならないなど)。

 今後の出題は、設計条件をあいまいにして、受験生に自分で考えさせる出題が増えると思われるので、過去に出題された問題に対する「解」は、身につけていないとまずいことになりそうです。

 その他、過去問を解く際に時間を図りながら、本試験で困った時にどう対応するのかの練習も行っていました。

 直前期の過去問ノックはすごく良いですよ~😊

■製図試験対策は結局…
 製図試験対策は、(結局最端製図で繰り返し教わるのですが、)「減点されない答案を仕上げる」ことに尽きると思います。
 
 ただ、チェックの練習などは本当に大切になると思います。要求図面のうちの1つくらいの意識で、繰り返しチェックの練習をするのがお勧めです。

 よく受験生界隈では、「作図の密度を上げる」とか言われますが、その時間があるなら「減点される点を一つでも多く発見してなおす」方が絶対良いと思いました(本試験は減点方式なので、作図の密度を上げても点数は基本的に上がらないと思われるわけでして…🫥)。

■おまけ
 時間対策で、ぼくは後半戦(6月頃)から平行定規を使わずに作図していました。定規はいわゆるバンコを使っていました。
 練習でも本試験でも、解答用紙はそれなりにちゃんとした厚紙なので、方眼紙を目安に「ここ!」というところに定規を止めるのが、意外とできちゃったりします。
 また、定規を当てたいところに先にシャーペンの先を置いて、それを軸に定規を置くようにすると綺麗に平行線を書くことができます。

 平行定規を使っているときは、だいたい作図時間が20分ほどオーバーして、チェックの時間もなかったのですが、平行定規を使わずに作図を始めてから、どのような問題でもチェック時間が20~30分確保できるようになりました。

 なんか筆箱も持ち込み不可になっちゃいましたし…。

 もういっそシャーペンとバンコがあれば作図できるという方が、机も広く使えて良いのではないかと😁。

 あ、あと、平行定規を使わないで作図ができると、テーブルと椅子があればどこでも作図できるようになります(これは大きいかも)。

 仕事の隙間時間や、喫茶店のちっこいテーブルや、マクドナルドのカウンターでも一式図が書けちゃうわけです!

 ぼくも喫茶店での勉強が大好きだったので、ドトールで一式図を書いたりしていました(ただし丸テーブルはさすがにきつかったですが…😅)。

 直前期にチャレンジするのは勇気がいると思いますので、前半戦のうちに一度やってみるのも良いかと思います。

■さいごに
 僕の場合は、お世話になった最端製図を受講して、製図試験をどのように攻略すべきかの方針を明確に理解しながら勉強ができました(最端製図はこの点が秀逸です!)。

 製図試験対策では、いろんな人がいろんなことを言うので、迷走してしまいがちですが、製図試験攻略のための「体系」や「戦略」をきちんと理解することと、「エスキスの考え方」について、自分の脳みその考え方を修正していく作業を、コツコツと積み重ねていくと、自然と合格圏に入っていくことができるようになりました。
 
 みなさんもお仕事をしながらのお勉強で大変かと思いますが、自分を信じて頑張ってくださいね。

 みなさまの合格を心よりお祈りしています。

2023年12月
たく。

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