ライブの集客ってどうしたらいいんだっけ?1

食えない、趣味のアマチュアミュージシャンというものを長年やってますが
ライブにお客さんが来ないという現象、いわゆる「集客不足」で滅入ってる人が多いようにずっと感じていたので
このへんで一旦まとめておこかなと思います。
気まぐれに書いていくのでお付き合いください。

1:私は何者か

自分は前提条件が変なのでまず自己紹介を書いておきますね。

基本は一人で「くつした」という名前で音楽活動をしています。基本的に自分で作った曲をやっています。

2002年くらいからこの名前でやってますが、当初はライブをするつもりはなくて、宅録(家で録音)してネットで聴かせる的なスタイルをやるつもりでした。
今でこそ音楽をネットで無料配信する人は普通ですが当時はそんなにいなかった気がします。なにしろADSL回線がようやく普及し始めた時代です、ストリーミングとか無理。YouTubeの設立が2005年ですから、もっと前の話です。
いい時代になりましたね。
自分のバンドの音源を自分のホームページで公開するというのは90年代からやってたんですけど、あの苦労はすごかった。今の簡単さ手軽さ、ほんとすごいですよ。

宅録の「くつした」は全部の楽器を自分で演奏するスタイルで始めました。
そもそも高校時代にバンドを始めた当初はベーシスト、そのあと大学でドラムも叩くようになりました。
もっぱら評判がよくて引く手数多な楽器はドラム。鍵盤は幼児の頃から高校生までピアノ習ってたのでふつうに弾けます。そしてシーケンサーなどでの打ち込み音楽作成は10代の頃からやってたので、アレンジ組むのが得意。
となると、ギターだけ少し頑張れば宅録アーティストとして成立するんです。そして曲を作るのが好きなのでオリジナル曲は山ほどあります。(今のところ通算で300曲くらいは作ってきました)
というわけで「くつした」という名前で、それまで作ってきた曲をアレンジして録音するという活動を一年くらいやってたのですが
2003年の春、ひとりでライブをすることになりました。
きっかけは思い出せません。
最初ライブをしないコンセプトにしたほうの理由は明確に覚えております。
人前でソロのアーティストとしてライブを成立できる最低条件の「歌唱力、ルックス、演奏力」の全てを自分が持っていないことを自覚していたからです。(この三つの最低条件、じつは今でも足りてないんですが、、、)

ともあれ、経緯が思い出せないけど固辞してたライブをすることになりまして
初回、打ち込み音源+ベースボーカルという斬新なスタイルでライブをしました。
一回やって終わるかと思いきや、まさかそのあと16年たった今もライブしてるとか想像もしてなかったです。

現在の「くつした」は、打ち込み音源、ギター、歌、その他変な楽器、などを駆使するスタイルでライブをしています。打ち込み音源は、がっつり作り込んだカラオケの時もあればリズムマシンだけ流してやる時もあるし、サンプリングループをその場で作っていくこともあります。
ギターはアコースティックエレキ両方やりますが近年はアコギ派ですかね。
あと、音源でライブをする時に滅茶苦茶よく踊る、という特長があります。
数日前のライブの写真です。

長くやっていると、メディアに取り上げられたり、有名な方に褒めていただいたり、大御所の方と共演したり、ものすごい事務所にスカウトされたり、と、いわゆる「高い評価」を頂くということもそこそこあったわけですが
おそらく、この「歌いながら激しく踊るスタイル」が一番評価されているし、そのパフォーマンスをやらなければ、おそらく誰にも評価されなかったと思います。

そして「くつした」というアーティストを見たことある方はこのスタイルの人を「くつしたさんのライブ」として記憶されてると思います。
なので「ソロだから弾き語り」というジャンルではありません。
まあ、弾き語りもしますが。

ソロの「くつした」のほかにも「hPa(ヘクトパスカル)」というユニットをやっています。
女子ベーシストと二人組です。

「くつした」でやってる曲にベースが入る形ですが、空間系の面白いアプローチでベースを入れてくれるので、アレンジがポストロック風になり、あらたな発明のようになっています。
このユニットは気が向いたらライブをしています。

さらに、バンド活動やサポートミュージシャン活動も盛んにやってます。
今年(2019)は、尊敬するミュージシャン、宮城マリオさんのバンドにベースで参加するという大変光栄な出来事もありました。

あとドラムやパーカッション(もっぱらジャンベですが)も演奏しています。

ということで、わたしは「くつした」というジャンルがよくわからないソロミュージシャンの活動を軸に、いろいろな楽器やいろいろなスタイルでライブをやっています。

2:ライブにお客さんが来るのは何故か

集客で悩んでる人たちは「なぜお客さんが来ないのか!」と口にしますが
逆にライブにくる人がなぜ来るのか、考えてみたらよいかなと思います。

わたしは、ライブをするのも好きですが見に行くのも好きです。経済状況にもよりますが、今年とか平均すると週に1回以上は行ってると思います。
ふつうに週5の月金の社会人ですが、行きたいライブは平日でも行きます。

なぜ行くのか?

それは「見たいから」です。

アマチュアミュージシャンってのも、続けていると横のつながりとかお店とのつながりとか、そういうものができるものでして
いわゆるそのつながりを維持するために「付き合いでライブに行く」ということをしている人も多くいると思います。ライブに来て欲しいから、友達のライブに行くとか。来てもらったから行くとか。友達だから行くってやつ。
わたしも大昔はそうだったかなぁ。
でもかなり早い段階でやめました。

なので本当に見たいなって人のライブにしか行かないです。その人が来るか来ないかとかその店とつながりがあるなしなどの「しがらみ」は、一切気にしてないです。

見たくないものを見に行くのが性に合わなかったのと、逆に「見たくもないのに付き合い感覚で」見に来てもらっちゃうの、なんかいやだなと。

そんなわけでわたくしはライブをやる身でありながらも
そこそこ行くお客さんの立場でもあります。
見たいライブは時間とお金を費やして見に行きます。

で、集客、って、こうやって考えると簡単な話で
誰かが「時間とお金を費やして」見に行こうと思えるライブがそこにあれば、その人は来ます。

別にこれはライブに限った話ではなく。

ラーメン屋とかに例えて言っても成立するかな。

並ばないと入れないラーメン屋って、あるじゃないですか。
食べたい人は過酷な条件でも並んで待ちますよね。待ってでも食べたいものは食べるのです。

ライブだって本当に見たかったらアマチュアだろうがプロだろうが
見たい人は、なんとかして、見に行くんですよ。

が、ラーメンと同じ話にできない理由はありますね。
ラーメンはいろいろマシマシしても千円程度です。

ライブハウスはアマチュアでも入場料が高い。

安いとこでも2000円+600円のドリンク代を徴収されます。最近は2500円以上の店もあるし、交通費もかかる。
なので平均すると3000円超えます。
見たいアーティストの持ち時間30分とかに3000円払うって、、、結構な娯楽の対価ですよね。それでお酒も二杯三杯四杯飲むと5000円くらい消費します。
5000円、これはわたくしの通常の二週間分の食費にあたります。

ちなみに3000円くらいあったらなにができるか。

すごいステーキを食べることができます。チェーン店ならワインつけられます。

肉、おいしいですよね。

コート・ダジュールでは
3500円だと飲み放題でカラオケできるそうです。ライブハウスってお酒がバー価格でお高めですからねぇ、カラオケ屋でライブしたほうが安そう、、、

ダーツは基本1ゲーム100円なので、3千円あれば30ゲームできます。

まあダーツもお酒飲んだりするし、ペア組んで戦うと何種類かゲームしますが
3000円あれば10ゲームくらいできるんじゃないかな。

映画は3000円あれば映画館で二作品観れますね。

一本観るにしても3000円あれば割高なIMAXなどのフォーマットで、いい席で、山盛りのポップコーンと巨大なコーラを買って観れます。

ちなみにライブ鑑賞二回分でディズニー行けます。

ということで、ライブと同程度の娯楽って結構すごいので
お金だけで考えると高くつくものですライブって。

それでも来る人は来る!
その「価値」を見出せれば人はライブに行くのです。
「行く」側の人になってみると、いろいろ見えてくるものがありますよ。

【まとめ】
食べたいものがあれば行列作って待つ人がいるように、どうしても見たいライブに人は行きます。でもライブハウスはチャージが高いからもっと安い娯楽ありますよね。

この話、つづきます。

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