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『夢みる小学校』

“楽しくなければ、学校じゃない。
宿題がない、テストがない、「先生」がいない学校”

そんな学校があったら、みなさん通ってみたいですか?
こんにちは!くつばこ+のせんです。洗濯機の調子が悪くて一向に洗濯が終わりません。ピンチ。川で洗濯をしていた昔の人の苦労を知れということでしょうか(?)

☆こんな学校がある!

冒頭の文を読んで、どう思いましたか?毎日が楽しくて、宿題がなくて、テストがなくて、“先生”がいない学校。「そんな学校あるの…?」と思いますよね。なんとあるんです。
和歌山県の北東端っこ、橋本市の山の中にある「学校法人きのくに子どもの村学園」。ここの生徒は“プロジェクト”とよばれる体験学習の授業を通じて、自分たちでプロジェクトを運営し自らの頭で考えます。このプロジェクトは「自己決定」「個性化」「体験学習」の3本の柱によるもの。たくさん話し合いをして自分たちで決める。「年齢が一緒だから、同じ方法で同じことをしなければいけない」なんてことはない。時間割の半分以上が本やドリルでの「勉強」ではなく、実際に作ったり体験したり調べたりする時間。そんなびっくりして腰が抜けそうな新しい学校、きのくに学園です。

☆能動的な学び

自分で考えて、生きた知識と経験からこれから生きていくための土台を作る。これってとても大切だと思うんです。それが現在の日本の学校教育で出来ると知って、せんはびっくりでした。最近の学校教育では、文部科学省から主体的な学びを促すためにアクティブラーニングを取り入れた授業作りが推奨され、多くの学校で取り入れられて来ています。でも、きちんとアクティブラーニングとして成功させるのは、先生にとっても生徒にとっても難しく、課題はまだまだ山積みです。
ネットで調べたら多くのことがすぐに出てくる時代。玉石混交の情報の中から、正しい情報を選ぶ力は身につける必要はありますが、「教科書の内容をすべて頭に入れておくことに、どのくらいの価値があるのか」と言われると、ちょっとどう返すか悩みます。自分の心と身体で感じて経験して、自分で考えて、表現して、議論する力など、たしかにもっと大切な力があるような気がして。

☆型破りな学校は他にも

きのくに学園に通ったことがある人のブログに、「ここはすべてが生きた勉強。教科書やドリルを使ったいわゆる「勉強」はない」とありました。時間割を見るとゼロではないですが、他の学校に比べて明らかに少ないのはわかります。
また、きのくに学園以外にも、従来の型を飛び出した学校があります。60年間成績通知表や時間割りがない「体験型総合学習」を続ける伊那小学校。校則、定期テストをやめた、世田谷区立桜丘中学校。なんとこの2つは公立の学校。「公立の学校でもこんなことができるのか!」と、これまたさらにびっくり。

☆でも最先端を行き過ぎて…

これらの学校は、「多様性が尊重されて生徒主体で、主体的な学びができる理想の学校」といわれ、最先端にいる学校だと思います。でも周りが追いついていないので、社会に今ある基準で戦おうと思うと、すっごく不利になる気がするんです。貴重な経験をたくさんして生きた学びをもっている子どもたちを評価する基準が、残念ながらまだでてきていない。
アクティブラーニングが導入されて、大学受験には少しずつプレゼンテーションやグループディスカッションを取り入れた「総合型」の入試が加わってきました。しかし、中高に入るには、まだまだ机上の知識によるはかり方。「勉強」でインプットした知識を、試験問題に答える形でアウトプットして、高い点数を取れた人が選ばれる。この方法でしか戦えないのであれば、きのくに学園や最先端の学校の生徒たちは、彼らがもつすべての力を評価してもらえません。

きのくに学園のようにすべての学校の入学試験が適正検査だったら、「勉強」の力ではなく、その学校が目指す人物像や研究にふさわしい人が選ばれる方法だったら、どんな教育になっていくのでしょうか。これからの学校教育は何を求められて、どう答えていくのか、そして社会とどう影響し合っていくのか、考えさせられる学校でした。

今回紹介した学校の、ドキュメンタリー映画が作成されています。上映場所は限られていますが、もし機会があれば見てみてください。自分が小中学生だった時を思い出しながら…。


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