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せんのこと① ~中等度難聴編~

今日から2回に分けて、せんの難聴に向き合ってみようと思います。
今回は「あなたは聴者?ろう者?」という質問に悩む“中等度難聴者”編。
こんにちは!くつばこ+のせんです。突然ですが‥香川県に行きたい。香川県に、海の上を走る電車があるそうです。海も電車も大好きなせんは、カメラを持って今すぐにでも行きたい気分。日本のウユニ塩湖と言われる父母ヶ浜(ちちぶがはま)も魅力的。
コロナ、早く収まってーーー!!

☆聴者でもろう者でもない!

「あなたは聴者?ろう者?」と質問されると、
相手「聴者?」  私「いいえ」
「じゃあろう者?」 「いいえ」
「(ん?)」   「……難聴者です」
こうなります。(何だかはっきりしなくてすみません……という気持ち)
特に私は、音声のみ/音声+手話/手話のみ を場所によって使い分けるので、なおさら「これ!」というアイデンティティが伝わらないのかなと思ったり。

☆せんの聞こえ方

聴力検査をすると、低い音が聞こえにくく高い音が聞こえやすいという結果になるので、どちらかというと男性の声が苦手です。ただ、聞き取りやすい男性もいるし、聞き取りにくい女性もいます。なのでここは本当に人それぞれ。そして環境が聞き取りに大きく影響するので、本当にその時その時で聞き取れる声は違ってきます。
そして難聴者の多くが発信している、音は聞こえるけど言葉としては曖昧。
私に向かって何かを話していることはわかるけど、内容を100%は掴めないということ。マスクがなければ口の形を見たり、なんとなく聞こえた音(例えば母音の違いやイントネーションなど)で推測したりして補っています。
推測するのが当たり前になっているので、たまに家族で話していて音が曖昧だった時、私は内容が掴めても妹は聞き返すみたいなことが起きます。ここは面白いですね。
困る場面はちょこちょこあるにせよ、音声ベースで生活しています。

☆中等度だから困ること(制度面)

まず中等度の一番の壁は、身体障害者手帳を持っていないため国の統計では聴覚障害者とみなされていないことです。そうなると何が困るのか。例えば市区町村で派遣してる手話通訳や要約筆記を申請するには、多くが手帳を持っていることが条件です。手帳を持っていなくても頼めるところはありますが少数派。
大学受験の配慮申請をする時も、手帳を持っていればそのコピーの提出で済むところが、病院に行って検査をして、診断書と検査結果をもらう必要がありました。
手帳持ちの友だちを見ると、いろいろ制度の支援が使えていいなあとちょっぴり思います。(もちろん大変なこともその分多いのですが)

☆中等度で困ること(生活面)

聞こえにくいことがなかなか伝わらない!!
私が思う困りごとはこれが一番です。初対面の人にどのタイミングで難聴のことを言うか、いつも迷います。話し始めてすぐに聞き取れないことが起きたら「難聴で補聴器使っていて……」と言い出しやすいのですが、何となく聞き取れて内容がわかってしまうと、まあいいかと伝えずじまいに。そんなことをしているので、何度も会っている人にも聞こえにくいことを忘れられてしまうのです。
また、聴の世界にもろうの世界にも入りにくいというのがあるかなと思います。声で100%伝わるわけではないけれど、手話でわーっと話されてもわからない。どちらの世界でも、訪問者にとどまって住人にはなれない、そんな感じです。わかったふりが染みついてしまっている気がします。

今回は中等度難聴のことについて書いてみました。中等度難聴についての発信は少ない気がするので(せんの感覚です)、「へぇー」となってもらえたら嬉しいです。
次回はもっと少ない(気がする)中途難聴についてお伝えします。それではまた!


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