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「頑張って」が、誰かを追い詰める?

こんにちは!くつばこ+のせんです。
最近読みたい本を何冊か手に入れました。私は昔から興味のある分野が狭く、読むジャンルも偏ってばかり……。今日は違うものを借りよう!と決めて図書館に行っても、結局似たようなのを借りてきてしまうんですよね。いつになったら新たな地を開拓できるのかしら?

☆「頑張って」という言葉

さて、今日は一風変わったテーマでお届けしようと思います。
みなさんは誰かに「頑張って」と言われたら嬉しいですか?
自分のことを応援してくれる人がいる、そう思ったら嬉しいですよね。でもこの「頑張って」、もしかしたら相手を追い詰めてしまっているかもしれません。

☆この漢字がもつ意味

「頑張る」を読み下す(?)と、「頑(かたく)なに張る」
引っ張って引っ張って、切れる寸前までいくというイメージ(せんの個人的な)です。
「頑張る」の語源を調べると、「眼張る」「我を張る」の二つが出てきました。(「頑張る」はこれらの当て字だそうです)

・眼張る
①目を見開いて、何かをじっと見て、意識をそこに集中する
    ↓
②ある一定状態を継続する
    ↓
③困難をはねのけ、我慢してやりとおす
・我を張る
①自分の気持ちや考えをどこまでも持ち続ける
    ↓
②自分の気持ちや考えをしっかりと持ち、困難に打ち勝って、事を成し遂げる

これを見ると、程度はその時その時によって異なりますが、今使われている意味とだいたい同じですね。

☆「頑張って」はある人たちに向けては禁句?

さて語源を見たところで。実はこの言葉、最近ある特定の人たちに向けては使わないようにしよう!となっています。どんな人たちか、そしてなぜ禁句なのか、わかりますか?
「頑張る」とは、気を張り詰めた状態を一定期間維持し、目標を達成するまで走り続けること。では、もうすでに頑張りすぎている、つまり自分が出せる力を十分に出しきっている人に使うとどうなるでしょう?
切れる寸前のところまで引っ張った糸を、もうひと引っ張りしたら切れてしまいますよね。それと同じなんです。

“ある人たち”というのは、主にうつ病や統合失調症などの精神疾患を発症した人たちのこと。精神疾患の発症には様々な要因が複雑に絡まっていますが、発症した多くの人に当てはまる特徴として、“頑張りすぎた人たち”と言われることがあります。その他、家庭環境が複雑で様々なバックグラウンドがある人、今まで何とかしてマジョリティの輪に入ろうと努力し続けたマイノリティなど、もう十分に“頑張ってきた”人たち。
この人たちに「頑張って」と言うのは、張り詰めた糸を切って!と言っているようなものなのだと思います。

☆じゃあこれから「頑張って」と言うのをやめるか?


これは難しいですよね。私も毎日のように誰かに「頑張って」と言っているような気がします。
今回マイナス言葉のように書いてしまいましたが、もちろん応援する言葉として言われたら嬉しい気持ちになる時だって多いんです。
なので、普段は気にせず誰かを応援する気持ちを込めて使ったらいいと思います。
でも声をかける相手がいっぱいいっぱいになってそうだなと思った時、もう十分に頑張ってるよなと思った時、別の言葉にすることでその人の気持ちがすこーし楽になることがあるかもしれません。
言葉って難しい。でもせっかく使うなら、少しでも心地よい言葉をかけられたらなと思います。

☆参考文献

「頑張る」における構造と変化
https://core.ac.uk/download/pdf/229553269.pdf
(2021/05/21 閲覧)

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