本当の社会人になった私
社会人になって1年と3ヶ月。
コロナの影響でずっとオンラインで研修していたその新人が初めて姿を見せたのはつい2週間前。
毎年行っていた新人歓迎会も開催されることはなく、新人は密かに働いていた。
同期にもオンライン上でしか会ったことがないらしい。驚いた。
私と新人は同じフロアで働いていたが、所属する課が違う。業務で関わることは少ないが、社会人の暗黙の了解を教えるのは年次の近い若手の仕事だった。
今時古いと思うかもしれないし、他の会社の人がどうなのか知らないがうちの会社は新人がドアを開け、コピー機の紙を補充し、飲み会の幹事をやる。最初はこんな社会人嫌だと思っていたのに気がついたらそれが日常になり当たり前になった。
私がそのことを新人に伝えると
「それって意味あるんですか?」と一言。
ムッとした。そしてそんな自分に驚いた。
いつのまにか会社の偉い人たちのルールに従っていたし、逆らう人間を排除しようとする気持ちがあった。(オーバーな表現だが)
私は誰にも教わることなく、これを日常にした。この気持ちを教えたのは一体誰なのだろう。
そしてこれを新人に伝えるのは私の役目なのだろうか。
たぶん彼は私のことをつまらなくて堅い人間と思うだろう。
でも彼が会社でうまく生きていくために私はこの気持ちを彼に伝えなければいけないと思っている。
私がたった1年と3ヶ月の社会人生活で、なるべく穏便に過ごした方が仕事はやりやすいと知った。ただ仕事ができるだけでは円滑な仕事はできない。これが生きづらいと感じるのかどうかは私にとっては重要なことではない。
学生時代の自由で奔放で日本の社会なんか糞食らえと思っていた私はどこに消えたのだろうか。
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