宣言は大切

 昨日、「読んだ本の感想はなるべく全部Instagramに載せるぞ!」ということをnoteで書いた。
 それに従って、今日読み終えたサラ・ウォーターズ『夜愁』の感想を、先ほどインスタに投稿してきた。

 やっぱり、こういう「宣言」をすることで自分を動かす、というのは悪くないことだと思う。
 SNSの美点のひとつは、不特定多数に向けてこの「宣言」ができることだ。小説家や書評家といった人たちが、Twitter(旧称)でよく「今夜中にこの章を書き切りたい」とか、「解説原稿を一本書き上げねば」とかつぶやいているけれど、あれも「自分を奮い立たせるための宣言」という面が大きいのだろう。私の場合はそうだ。背水の陣とまで言ったら大げさだけれど、とりあえずSNSを見ている人に対して言ってしまうことで、退路を断ってみているということだ。
 まあ、担当編集者に対する「仕事はちゃんとしてますから!」というアピール、という場合もあるのだろうけど(私もそういうときがなかったわけではない……)。

 小説に限らず、イラストや漫画を描いている人でも、こういう宣言をしているかたは多くて、「クリエイターあるある」なのだろうなと感じる。
 作品を作ることは楽しいし、好きだからやっているのだけれど、細部にこだわりはじめたり、自分が理想とする完成度を基準に置いたりしてしまうと、完成の瞬間は無限に延長される。作品が世に出なければ、人が感想をくれることも、評価されることもありえない。
 だから、どこかで「完成させました」という区切りをつけなければいけないし、その動機づけとして、「完成させるぞ!」とSNSで言うことには大きな意義がある、と思う。

 こんなことをつらつら考えてしまうのは、今の自分がわりと「とにかく前に進まねばならない」時期だから、なのかもしれない。
 背水の陣だけではなかなか上手くいくものではないけれど、小さな宣言を繰り返してでも、少しずつ完成させていかねば。


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