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有人レジが怖い

最近近所のコンビニやスーパーでも支払いはセルフというところが増えてきた。機械が相手だから、自分の支払いのせいでレジの店員さんを待たせるというプレッシャーがなくてとても気に入っている。そもそも買い物自体ネットで事足りるということもあり、余計に人と接する機会も減っている。

だから、全てを有人で済ませるレジに行くととても緊張する。「お金はちゃんとあるだろうか」「ポイントカード準備しなきゃ」「クーポンも出さなきゃ」とあれやこれやとやることがあって、それで後ろに人が並んでいようものなら「早く済ませなきゃ」が追加されもう地獄である。その上、ネットの書き込みなどで「レジで自分の順番になってからお財布出す人は信じられない」というものを目にして、私はそんなへまはしない、そういう風に思われたくない、という圧が追い討ちをかける。これが買い物ならまだいいが、フリマアプリの発送手続きをするときはそれ以上の重圧がのしかかる。シールをうまく貼らなきゃ、送り状をスムーズにビニールに入れなきゃ、とものすごく焦る。お会計が終わったあとも、最近はマイバッグが多いから必然的に袋詰めも自分ですることが多いが、そのときもなるべく早く自分の番を終わらせるために雑につっこんだり、袋に入れるのを諦めて小脇に抱えて一旦その場を離れて、落ち着ける場所で改めて詰めるということをやっている。

そういう状態だから、並んでいるときにできるだけ手間取らないように細心の注意を払って全ての工程に先回りをして準備をしておく。でも、それだけ準備していてもシミュレーション通りにいかないのが世の常で、あるときコンビニにフリマアプリの発送手続きをしに行ったのだが、送り状がうまく入らなかったことがあった。時刻はお昼時。コンビニが最も混む時間帯と言っても過言ではない。案の定後ろには人が並んでいる。それに気づいてしまい余計に焦る。焦れば焦るほどレシートは入らない。レシートを持つ手も背中もどんどん縮こまっていく。

そんなとき、店員さんが「ゆっくりでいいですよ」と声をかけてくれた。その一言にものすごく救われた思いがした。

愛聴しているポッドキャスト番組"OVER THE SUN"の中で、「柔らかいパンを柔らかいままに食べる選択をしましょう」というフレーズが出ていた。柔らかいパンを買ったとしてもバッグが小さいためにギュッと潰して「食べりゃ一緒だから!ダイジョブダイジョブ」と自分が我慢してその場を収めるという風にしてしまうけど、レジ袋を買うなどして潰さずに持って帰れる方法もあるよ、という話だった。

私はいつもレジのやり取り然り、日常生活然り柔らかいパンを潰すような生き方をしてきたように思う。でも、そうする必要はない。必要以上に周りに配慮したり気を遣ったりしなくてもいい。自分自身の「柔らかいパンを柔らかいまま美味しく食べたい」という気持ちの方を尊重してもいい。潰れたパンの味は知らなくてもいい。

私はこれからは柔らかいパンは柔らかいパンのままで食べたい。

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