楠木ウィル

教育学修士|教育研究家、教育アドバイザー|論文の合間にエッセイを執筆中|よりよい学校、…

楠木ウィル

教育学修士|教育研究家、教育アドバイザー|論文の合間にエッセイを執筆中|よりよい学校、家庭、社会の教育のあり方を模索中|教育関係のお仕事募集しています

最近の記事

守りたいものは

 学校に防犯カメラがあるというのは一般的になってきた。校門にカメラを設置して不審者対策をしているというのは多くの方がご存じだと思う。不審者が校内に侵入してくることは私の教員経験ではなかったが、防犯カメラには時折お世話になったものである。大体防犯カメラを見る時はよくないことの方が圧倒的に多いので、見る機会は少ない方がいい。だが、これからは教員も防犯とは言わないが、カメラを見ることになるかもしれない。  東京都の公立小学校で教室にカメラを設置していたというニュースを聞いた。何で

    • あなたは年齢主義派?修得主義派?

       多くの学校では修了式が終わったころだろうか、街中で見かける子どもたちの表情も少し穏やかに見える。新しく進級する学年に向けて、この春休みに勉強やら学習環境やらを準備をするというお子さんも多いのではないだろうか?今回は進級について少しばかり考えたいと思う。  大人の皆さんと同じように私も義務教育を小学校6年、中学校3年の計9年間受けてきた。成績も飛びぬけてよかったわけではないが、それなりによかったと自負している。私の場合、小学校の教員になりたいということもあり、学校で教える立

      • WBCだけでなく

         WBCが連日盛り上がっているのは野球好きにとっては実に嬉しいことである。世界ではまだまだマイナースポーツの野球がこれほど話題になっているのだからこの大会の影響は計り知れないものがある。次回大会は放映権料の関係上、地上波で見られなくなる可能性もあるというから私もしっかりと選手たちの活躍を目に焼き付けようとしている。  今大会はメジャーリーガーも多数出場しているので見ごたえがある。アメリカはMike Trout選手をはじめとするスター選手ばかりだし(欲を言えばUSAユニのCl

        • たのしく学ぶすがた

           子どもと一緒に勉強していたら親が入試に合格した。そんなニュースが先日目に入った。非常に興味深いニュースの内容は、一人の中国人女性が大学院を志したところから始まる。  その女性は会社に就職し2年ほど働いていたそうだが両親のすすめもあり中国の名門大学院を受験することを決意した。ここまでなら話題にならないが、(失礼ながら)面白いのはここからだ。彼女に自信をつけ、励まそうとした両親(父母)も大学院受験に挑んだというのだ。大学院の試験も簡単なものではない。ニュースによると、競争率は

        守りたいものは

          就職活動をながめる

           3月になった。街中の細い生活道を歩いていると、甘い香りとともに梅が咲いていることに気づく。次は桜を楽しみに待つ。毎年のことだ。毎年といえばこの時期に日本では就職活動が(表面上)解禁される。1日のニュースを見ているとリクルートスーツを着た学生の姿が何度も放送されていた。流行語にもノミネートされるのではないかというくらい使われている「3年ぶり」という言葉を使えば、「3年ぶり」の就職活動イベントをはじめとする対面での企業と学生とのやり取りがおこなわれているのはみなさんもご承知の通

          就職活動をながめる

          先生も怒られてるんだよね

           公共の道で颯爽と走り抜けていく子どもを見かけた。これがアイダホの広大な平原だったら何の問題もないのだろうが、人口密度の高い都市だとあまりいい顔をされない。日本の都市部では割と混雑する場所が多いような気がする。特にスーツケースを片手に集団が横になって歩くと、すぐに渋滞を起こす。そんな中でも子どもたちは嬉々として人々の間をすり抜けていくことができる。フットボーラーも真っ青に違いない。  走るのは子どもの純粋な「楽しみ」なのかもしれない。何よりもその無垢な笑顔が物語っている。し

          先生も怒られてるんだよね

          メイワクなヤツ

           こんな怪しげかつ、読んでも今すぐ得になるわけでもない文章を読んでくださっている読者の方には感謝しかない。一人ひとりまわって感謝の気持ちを述べたいくらいだ(迷惑極まりないだろうから自粛するが)。実際、私のエッセイは1日に1人でも見てくれたらいいほうで、発信する意味があるのだろうかと時々考えてしまうほどだ。「教育」がテーマとはいえ、がっつりと教育について語るわけでもなく、エッセイとしても癖があって読みにくいと思う。しかし、私は(気力が続く限り)続けたいと思っている。書くことで誰

          メイワクなヤツ

          「可愛くてごめん」にある背景

           音楽はその時の世相を表す。例えば「越天楽今様」が平安時代の現代曲だったことを思えば、その当時の音楽に対する価値観を感じることができる。また、ベートーヴェンの「英雄」を聴けば、ナポレオンに対する激しい怒りを感じ取ることができる(のは考え過ぎか)。今回は、そこまで古い音楽の話ではないが、今流行っている歌から教育について考えていきたいと思う。  テレビを見ているとき、ふと軽快なリズムと可愛らしい歌声が聞こえてきた。曲のタイトルは「可愛くてごめん」。少し前から動画共有サービスで流

          「可愛くてごめん」にある背景

          インフラ

           エアコンが壊れた。しかもよりによって10年に一度の大寒波がきているさなかに、である。私の住んでいる所にはエアコンが一つしかない。他の暖房器具もない。ワンルームだから逃げ場もない。そして、修理にはまだ1週間ほどかかるという…自宅で、しかもパソコンで文章を書く身としては、この状況は厳しすぎる。なので1週間以上、記事があげられなかったわけだ(怠惰な私の言い訳であるが、どうか許してほしい)。  この寒波は当然のことながら、私だけでなく多くの人を苦しめている。石川県では水も出ない地

          処方箋を書くならば~はじめに~

           今の世の中、何をするにも一種の「息苦しさ」がある。それは、自身の仕事や勉強のことかもしれないし、人間関係なのかもしれない。社会的な「息苦しさ」もきっと多くの人が抱えている。私もその一人だ。  私の場合、ある仕事とそれにまつわる社会の状況が苦しさの根本だ(と推測している)。何の仕事の、どんな場面が苦しいのかはこれから述べていくが、きっと同じ仕事に就いている、あるいは就いていた人にとっては共感していただける部分もあるのではないだろうか。もちろん、「そんなことはない」と批判され

          処方箋を書くならば~はじめに~