クール便は季節を選んで!

 寒さがいちだんと厳しくなり、各地の最高気温が20℃以下の日が当たり前になりました。ワインショップからのワインの配送方法は最高気温20℃最低気温5℃を目安に配送方法を見直しましょう。
 たとえばワインショップ サロンクスダの配送方法には、常温宅急便、クール宅急便があります。また現在は特別対応のリーファー便もあります。リーファー便が品質的には最良の輸送手段と言えますが、後述するように制約がたくさんあるため、特別対応になります。

■配送方法の選び方
 ワインの品質重視なら、なるべく温度変化をさせないこと、ワインの体験温度を超えないことが基本です。特にコルク栓のワインでは温度変化に気をつけてください。
 配送方法を決めるときのポイントは、シャンパーニュなど冷涼産地の白を含むかどうかと、移動中に何度までワインの品温が上がる/下がるかです。ごく簡単に区分すると、

・シャンパーニュなどを含む →
      クール便かリーファー便。最高気温が15℃以下なら常温便も 
最高気温が20℃以下/最低気温が5℃以上 → 常温便かリーファー便
最高気温が20度を超える → クール便かリーファー便
最低気温が5℃を下回る → クール便かリーファー便

でしょうか。
最高気温/最低気温は、到着地の到着日の天気予報で確認できます。以下はワイン自体の品温は最高/最低気温を超えることはないという前提です。

■産地とタイプで考える
 シャンパーニュはじめスパークリングワインは、15℃以上では熟成より劣化傾向になります。20℃を超えることは避けたいです。ですから冬場の最高気温が15℃以下になる時期を除いて、クール便かリーファー便がオススメです。ドイツなど冷涼産地の白ワインなども、発酵時の温度は15℃までがほとんどですので、シャンパーニュに準じて判断してください。ちなみに私はお店で常温展示している泡、冷涼産地の白ワインは買いません。
 一方で、樽を使う白などは発酵時に20℃台前半、赤ワインは30℃程度の温度を体験していますので、以下の「温度差で考える」を参考にしてください。
 また25℃程度を超えると液体の膨張により、ワインが漏れ出ることがあります。これは目に見る変化で、お客様からのクレーム要因なので、圧倒的多くのワインショップが特に夏場のクール便利用をすすめています。しかしクール便が、いつでもベターな輸送方法とは言えません。品温が5℃まで下がると、酒石酸結晶が析出しワインの風味が変わってしまうため、低過ぎも避ける必要があります。

■温度差で考える
 まずセラーの設定温度は15℃と仮定します。異なる場合は、ご自身の温度設定にあわせて計算してください。クール宅急便は、ヤマト運輸のサイトによると0℃から10℃で管理するとしていますのでその中間の5℃を最低品温と考えます。ちなみにゆうパックのチルド便は0℃から5℃で管理するとしていて、温度が低くすぎる問題があるので、利用したくありません。
●倉庫保管温度
 ワインショップ サロンクスダのワインは、日本で最も品質管理に優れた倉庫に保管してもらっていて、その気温は13℃でほとんど変動しません。これを基準に、輸送中にどの程度温度差が発生するかを考えます。ポイントはより温度差の少ない手段をとることです。
●リーファー便
 リーファー便は倉庫から到着地までずっと15℃を保ち続けますので2℃の上昇だけですみます。そのままセラーに入れれば、温度変化は無視できる程度でしょう。セラーがない場合、最高気温が20℃とすれば7℃程度の上昇でしょうか。
●宅配便
常温便で到着地にセラーがあるとして、到着地の最高気温が20℃の場合13℃から7℃上昇し、セラーにいれると20℃から15℃まで5℃下降します。最低気温が5℃の場合、8℃下降し10℃上昇します。クール宅配便の場合は到着地の気温に関わらず、輸送中に5℃まで8℃下降し、セラーに入れると15℃まで10℃上昇します。つまりクール便のほうが、常温便よりも温度差が大きいのです。さらに1箱9本までの制限がついて、クール料金も付加されます。これらを一覧にすると以下のようになります。

・15℃設定のセラーありの場合
           上昇  下降 上下差
リーファー便 (15℃) 2℃  0℃  ごく小
常温便 最高気温25℃ 12℃  10℃  ごく大
常温便 最高気温20℃  7℃  5℃ 小
常温便 最高気温15℃  2℃  0℃ ごく小
常温便 最低気温10℃  5℃  5℃ 小
常温便 最低気温5℃  10℃  8℃ 大
クール便(5℃)    10℃  8℃ 大

・セラーなし、室温20℃の場合
           上昇 下降 上下差
リーファー便(15℃)  5℃ 0℃ 小
常温便 最高気温25℃ 12℃ 5℃ ごく大
常温便 最高気温20℃  5℃  0℃ 小
常温便 最高気温15℃  5℃  0℃ 小
常温便 最低気温10℃ 10℃ 5℃ 大
常温便 最低気温 5℃ 15℃ 10℃ ごく大
クール便(5℃)   15℃   8℃ ごく大

このように、最高気温20℃から最低気温10℃の範囲でセラーがあれば、クール便より常温便のほうが温度変化は少なくてすみます。最低気温が0℃を下回るなら、凍結防止も含めてクール便が無難でしょう。

■リーファー便
リーファー便は、首都圏、愛知、関西、福岡のレストランやワインショップへ、15℃の定温車でワインを配送するサービスです。もっとも温度変化が少なく、ワインにとっては現状最善の輸送方法と言えますが、以下の条件を満たさないと利用できません。
宛先は店舗/法人であること。宛先に店名/法人名が必須です。また看板/表札に店名/法人名表記が必要です。
配送は、日曜祝祭日を除く平日と土曜日で、年末年始とお盆の時期のお休みがあります。
配達時間は、午前か午後の希望を出せますが、午前希望をできない地域が少なくありません。
配達時に不在だと、再配達は同額の送料がかかります。

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ワイン&日本酒エデュケーター、ワイン&日本酒審査員 アカデミー デュ ヴァン青山校・大阪校・名古屋校講師 オンライン ワインショップ サロンクスダ運営 International Wine Challenge Sake Co-Chair.