第二章 V字回復からの転落
一話「V字回復の構造的欠陥」
潰れかけの危機を乗り切り、V字回復を果たした私たちは忙しい日々を過ごしていました。あの頃が嘘だったかのように売上はドンドン上がっていきます。
しかし、順風満帆ではありませんでした。売上は伸びていましたが、その中身は”宴会”の比率が大きかったのです。ふだんは3割ほど、多いときには半分にまで膨れ上がっていました。
なにも宴会が駄目と言うわけではないのですが、そこに力を入れ続けると店本来の魅力は死んでしまいます。
私は身を持ってそれを経験しまし