ドルオタの見たい!が全て詰まったマジLOVEスターリッシュツアーズ

鑑賞して数日経ち改めて思い返すと、この映画は「アイドルのファンが観たい全て」が詰まっているのではないかという気すらしてくる。

アイドルのファンが観たいもの それは千差万別だけど大きくカテゴライズすると

・顔が良い人々の上手い歌、ダンスなどのパフォーマンスが見たい
・大きなステージで派手でお金がかかっている演出を見たい
・アイドル同士の関係性、成長などのドラマチックな部分や仲良しでかわいいところが見たい
・よくわからないトンチキ演出を顔の良さのゴリ押しで思考をめちゃくちゃにしたい

などがあると思われますが、これの全てが入っており、
更には「10年」以上積んできた「二次元のアイドル」だけが表現できる到達点 
まだ成長途中であるとは言うが、一つの完成形を私達に見せてくれた気がする。

・歌とダンスがうますぎ

ダンスはモーションキャプチャーとはいえCGでしょ…と言われたらまぁそうなんですが、
ST☆RISHはこの10年「積んで」きてるのでそれを体現するかの如くダンスが鬼揃っている。
それが3年前のマジLOVEキングダムよりも更に「仕上がって」いて進化を可視化してくれていてすごい。
グループのソロツアーの大舞台にきっちり完成度をあげてきてるところにST☆RISHのプロ意識が見えて一曲目から目頭が熱い。
マジLOVEスターリッシュツアーズ(曲名)も最高のオープニングでブチ上がって良いが
ST☆RT OURSのダンスがすごい。上手い通り越してエモい。個性バラバラな人たちが揃えてきているダンスはそれだけで感動する。

星の数ほどのアイドルがいて、歌が上手いアイドルも数多いるけどダンスが揃っている、というのは
団体芸なので圧倒的な練習量や、長年培ってきた関係性が必要で、
ST☆RISHは最初からそうだったかと言ったらそんなことはないので(アニメシリーズ参照)
ここまで「積んで」きたんだなぁ…と思うと感慨深い。

色んなアイドルグループのコンサートに行ったけど、揃ってないダンスもそれはそれでよくて、
グループ内メンバーの身体能力や個性の差が愛しくもなりますが、揃っているとやっぱり「ここに合わせてしっかり仕上げてきた」という意志が伝わってきて感動してしまう。
ABC-Zのコンサート初めて見た時えらく感動した。テレビではおもしろアクロバットお兄さんみたいな扱いをされ続けていたのでへ〜アクロバットか〜塚ちゃんのいるグループだよね〜ってヘラヘラしてたのに、
腰の高さまで揃った5人のダンスに大感動してしまい、帰りに戸塚くんのうちわ買って帰った。

話が脱線したけどST☆RISHのダンスの揃い方、特に全員で自分の目の前に星を作る振りは色んな局面で「やってきた」ので今回もぴったり揃ってた。
この振り付けはデビュー曲から何度も「やってきた」だから、
何度も何度も星を描いて来たから。星の名を背負うならばと煌めき歌ってきたから…それがST☆RISHだから…

歌に関してはもう聞けばわかると思うけど激上手い。
声帯担当の方々は全員声優界のトップオブトップで個性がありながらユニゾンのまとまりは他の追随を許さない。これはマジ。多分。私調べではマジ。
私は先輩グループを推しているけれどST☆RISHは特別な存在なんだと全員揃った歌声を聴いてる時特に思う。

それぞれに好みがあるから誰が一番!ってこともないけど、あたしゃ初めてのプリライ(声優さんが生で歌って踊るチケット大激戦ライブ)で
聖川さん担当の鈴村さんの発声が凄すぎて度肝をぬかれたよ。腹から声出てたよ…
脱線したけどみんな個性があってバラバラなようで、まとまったときの安心感がすごい。これがマジでLOVEってやつなワケ。


・大きなステージで派手でお金がかかっている演出を見たい

これが二次元アイドルが三次元に最もアバンテージを取れるとなんじゃないかな~~というところ。
ステージセットにプライベートジェットが7機あるしソロ曲にはそれぞれに特別ステージがあるしどれもこれも動くし光るしで総制作費多分100億くらい。
トキヤのとか…何?本当に最高だしこれが俺たちの見たかった夢だよ。

しかもアンコールでソロステージ再登場して各メンバーが自由に移動して遊んでいるのが本当に最高。
一瞬の隙の間に高速回転ブランコに乗ってぐるぐる回ってる一十木音也さんはやっぱりアイドルの才能があるよ。

ステージって正解がないというかどうやっても誰かからの不満が出るもので
前方ステージばかりでは三階席からはずっと豆だしセンターステージを作ればセットや柱が邪魔で死に席が生まれるしアリーナからは背中ばっかりになるし。
トロッコで会場全体をファンサで回れば近くに来てくれるけど、逆に言うとそれ以外の時間が虚無だったりして定石はあれど正解がない。と思う。
その夢を思いつく限りの演出を詰め、衣装で飾り、次の曲への早着替えもあれば上着が減っていくみんなが大好きなモコモココートもあった。
ペンライトの制御もあったしクソデカ会場でのフライングまであった。
もうこれ以上ないってくらい贅沢で派手で夢で浪漫なライブを叶えてくれる事務所、最高であり、金を払い甲斐があるのだ。
ファンにこれを思わせてくれるのは結構大事だと思う。ありがとう、こんなに素敵なライブを見せてくれて、またお金払います。っておもう。
うたプリの前作映画マジLOVEキングダムで私は数年ぶりにうたプリに触れ、本当に感動して、「ここまでうたプリを支えてきてくれたファンの皆さん本当にありがとうございます…」と思った。そしてこれからは自分もそうなりたいと思った。

良いものを作ってくれると、ファンは感謝の意思としてお金を払う事を惜しまない。それは感謝だし信頼で、有難いことだ…って思います。


・アイドル同士の関係性や成長などのドラマチックな部分を見たい

初見の人も楽しめるように作られていたけどやっぱり歴戦のプリンセスババァが見たら涙ツー…になる演出がたくさんあった。
アイドルの大半はオーディションやら事務所からの選抜で突然集められ今日から君たちはグループです、と言われ
よくわからんまま宣伝をさせられまくるところからだいたい始まってるので最初からKIZUNAって訳じゃない。
ST☆RISHもそう。彼等が積んで来たのは技術だけじゃなく、仲間との、そしてファンとの関係性も積んできた。

今回特に感じたのは御曹司組と呼ばれる聖川さんと神宮寺さんのシンメ。
細かく説明するとここだけで一万文字になるので省略するけど二人とも財閥の息子で幼馴染、でも環境の違いから関係が悪化、
軽蔑すらしあっていたがそれは自分にないものを相手が持っていた事への羨望、嫉妬もあり、だからこそ根深く険悪な仲だったが
学園生活から始まったうたのプリンスさまで2人は同じアイドルグループになりシンメになり、
反発しながらもお互いを知り、許し、赦され、同じものを愛し、隣で歩み、誰よりも信頼し、
10年経ちグループの晴れ舞台でのアンコールで二人は笑いながら向き合って歌っていたのである。
互いのマイクを向けあい楽しそうに歌っていた。こんなことある???ってなった。

御曹司担のオタクは無事だろうか。10年愛したシンメのこんなところを見せられたら…私だったら成仏して映画館の席で灰になる…と映画館の席で思いを馳せた。
私はこの2人は不仲としてのブランディングを確立していて、もうパフォーマンスとしてずっと「そういう関係性」を見せてくれるのかと思ってたけど、
それすらもう不要というか、それすらも変わっていけるんだ…と思うと泣けた。アイドルってすごい。

あとソロ曲がすごく良かった。誰も奇をてらった選曲や演出をしてなくて、各自自分が一番あっている、自分の魅力が一番輝く曲と演出でやっていた事に強いエモーショナルを感じた。
意外性を狙う事も悪い事じゃない。ギャップ萌って言葉もあるし新たな一面の発見にもなる。
でも今回、このグループの晴れ舞台に全員が真っ向から自分の王道で勝負しててすごく良かったし、これはグループへの、メンバーへの、そしてファンへの信頼を感じた。
ファンが一番観たいものを見せてくれている、この晴れ舞台で。アイドルからもらえる一番嬉しいものの一つがこれだと思う。

王道、だけど成長もしっかり感じられるのもまた泣けた。
前作「マジLOVEキングダム」の後にST☆RISHはそれぞれソロアルバムを出してるんですけどそれを経てのこのソロ、というのがまた熱い。積み続けている。

世界から愛される少年の音也は少しずつ大人になり、その過程を私達に全て見せてくれるし
レンくんはソロアルバムでの自身初のバラードを経ての、原点であり最強の「神宮寺レン」を見せてくれた
セシルは自身の魅力を全部わかっていて…そこをしっかりアピールしてくれるアイドルって本当に健康に良い。
聖川さんは自分にとって繋がりが深い雪というアイテムとバラード、そして先述したので割愛するけど御曹司…さぁ…オレンジ色の灯をさぁ…

ここからの三曲が更にまたグッときたんだけど、
なっちゃんは砂月(つらい過去から那月を守ってくれた二重人格)としてのゲリラライブが始まりだから
砂月らしさを求められる事もらあったけど愛をボナペティ♪で思いっきり可愛くって楽しくってなっちゃんらしい楽曲をやれるところまで辿り着いてて嬉しかった。
ピヨちゃんのCMもらって嬉しそうにしていたなっちゃんが懐かしい。自分の大好きな事をしているアイドルって本当に素敵。
それとは別件でマジLOVEキングダムで砂月ではなく那月としてロックな曲のセンターを勤めていたのにも泣けた…どちらもなっちゃんだから、
どっちかじゃなく、どっちもやる選択をできている現状が泣ける。さっちゃんはなっちゃんの中に居るからね。どっちも を選べている四ノ宮那月さんが眩しい。

トキヤも、歌うことに固執していた彼が総合エンターテイメントを笑顔で披露していて、これが今の「彼らしい」のだと笑っていたも良かった。
デビュー当初の硬さ、意固地さが消えて彼の愛するエンタメを体現してのにも「大人になっている」ことを感じた。

トキヤはなんでもできるんだ…出来ない事も努力で全部叶えてしまうんだ…トキヤはかっこいいんだ…
あんなに脱したがっていたHAYATOのような表情をしていたのも乗り越えた先にある融合みたいなものを感じてよかった…

翔ちゃんもずっと「かっこいい」「男気」にこだわっていたけどキングダム以降で「かわいい」への抵抗が薄まっているのを感じる。
自分の理想があって、でも自分の良さもわかっていて、それを理解して受け入れて使いこなせている様はアイドルとして強くって 本当に「かっこいい」んだ。可愛いってかっこいい!


・なんかよくわからないトンチキを顔が良いアイドルにゴリ押しされて思考をめちゃくちゃにしたい

これはもう劇場に行った人全てが「理解」してると思うけど、なんか…なんだ!?!?わかんない!!
でも…顔が良いーーーー!!!!!!脚長いー---!!!!!!ってなる瞬間が100回ある。
これぞアイドルのコンサートでしょ!!!
全然わかんないけど進行が進んでいって、混乱しながらもステージに出てきたアイドルが美しく、曲もよく、ライトが輝き、よくわかんないけど泣いてる!!!!!!の体験。
アイドルの現場でしか体験できない。唯一無二の体験を映画館でさせてくれるなんて本当にありがたいです…

スターリッシュツアーズで最も感じたのはあれ 風船に命綱なしで乗って会場を浮いて、危ない〜!!頑張れ〜!!って心配してたら気付いたらみんな紐なしで自由にフライングしてた。
背中から星が溢れていた。これは比喩表現ではなく、マジです。アイドルの背中から正座が溢れていたのです。どういう仕掛け?ほんとありがとう。



以上、ここまでを初見から数日たって冷静になったからまとめておくか…と通勤電車でポチポチと打ちまして
先日1週間ぶりに大好きverを見たらもうすごい すごいWアンコールがあって映画館で久しぶりに泣いてしまった。
キスよりすごいWアンコールって本当にあるんだよじゃん ここまで新しい事に挑戦してくれて
「ST☆RISHはまだまだこれからも進化していきます。これは集大成ではなく通過点です」と俺たちに未来への希望を見せてくれたのちに
しっかり原点回帰で一番みたかったものを見せてくれた。デビュー曲を10年越しに大人になった彼らがやってくれるんだ これが最もオタクが見たいものだった…
劇場のペンライトが今までにない揃い方をしていた。わかる。何度もやってきたから。
Check it out!!のところ みんな楽しそうで 私も楽しかった…

最後にメンバーが手をつないでマイクなして「ありがとうございましたー!!!」っていうのも
現場で何度も見てきた光景だった。これで「完璧」になった…と思った。
Wアンコールが始まる前から夢中になったし最高のライブ!!!!って思ったけど、Wアンコールと生声挨拶で「完璧」が完成した。
オールスターのキングダムでなく、ST☆RISHソロのツアーズだからこその演出だった…本当に良かった。

ST☆RISHは唯一無二で、二次元でこれからもたくさん素敵な、かっこいいかわいい輝かしいアイドルグループは生まれて来ると思うけど、
私にとってST☆RISHを越えるグループってもうないんじゃないかと思う。
どのアイドルも誰かにとっての一番っていうのは十分に分かっていますので個人の意見として許してくれ~~というの前提で書かせてほしいんですけど時代に愛されていたんだ…って思う。
SMAPや嵐のように、国民が顔と名前一致するアイドルグループは時代にも愛されていて、二次元でのそれはST☆RISHなんだと思う。
オタクの世代が変わっていっても一ノ瀬トキヤの顔はみんなぼんやり浮かぶだろうし、マジLOVE1000%も聞いたことある~であり続けると思う。あってほしい。

その、もう伝説になりつつあるアイドルグループが、進化し続けて、こんなに楽しくさせてくれて、オタクになって幸せだな~~って思う。

永遠なんてない、って音也は以前言っていた。本当にそうで、アイドルに限らないけど永遠ってない。

人間が永遠じゃないから。誰かがいなくなるかもしれないし誰かに二度と会えなくなるかもしれないし、グループの形が変わるかもしれないし世界が突然変わっちゃうかもしれない。

でもST☆RISHがこの会場で7人の声を合わせたことと、私たちがそれに胸を打たれたことは永遠で、これから何があろうとそれは嘘にならないしずっとなくならない宝物になるんだと思う。


この文章、最初は要点だけまとめたスタイリッシュ短文にするつもりでした。なにこの熱量。仕方ないな私の名も含めてST☆RISHだし。煌めき歌ってしまったということで。

本当に素敵なコンサートをありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?