通勤のプロ

今年はとにかく寒いですね、布団から出るのが本当にツラい。

僕は11年ほど施設の職員をしていました、そこは
世間で云う障がい者が高等学校を卒業して社会人デビューする場所です。

まずはみなさんと面談をするわけです、「一般企業で働きたい」、「一人暮らしをしてみたい」、「お給料をもらってみたい」みなさんそれぞれの夢や希望を語って頂くのですが、その中でも新鮮だったのが「誉められたい」というご希望のMさんでした。

経験もまだ浅かった自分は「誉められたい?ほめればいいのか?」相当悩んだ結果よくわからず
「お仕事で誉められるのはどうですか?」と聞いたら「うん、いいね」との事で作業をしてもらう事になりました。

お仕事も真面目で「誉められたいオーラ」みたいのも無かったのですが、ひと月たって振り返りをMさんとした時に「〇〇先生ほめてくれるかな?」今までの中で一番の笑顔で聞かれました。
〇〇先生は卒業した学校の中等部からの先生でMさんにとっては大切な存在(お母さん情報)らしいので
僕が「今度先生に会ったら教えてあげるといいですよ」と答えるとMさんも本当に良い笑顔でした。

その後、思春期にありがちな情緒不安定な時期もお父さんが亡くなった時も不眠症の時もとにかく休まず毎日通い続けました。ここまでくると休まない事が心の支えになっているのかもしれません。

休まない事がいい事とは思えないし、休めるなら休んで欲しいとも思うのですが。
小さい頃から描いた理想の大人の姿がその〇〇先生だったとしたら、その憧れている姿に近づく為にまったくブレない姿勢は凄い事だし尊敬しちゃいます。

今もその施設には時間があるとボランティアに行くのですが、最近Mさん発熱で念の為にやすんだそうです。
「Mさんお休みしたの?」と尋ねたら
「〇〇先生なんて言うかな?」と笑っていたので
「熱ある時はやすんで偉いねって言うんじゃないですか?」と天国の〇〇先生の代わりに答えておきました。

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