『ガンエボ』からのガンダム新規向け、独断と偏見で選ぶ「最初に見るならこのガンダム!」

先日リリースされて好評を博している『GUNDAM EVOLUTION』

作りがわりとカッチリしたヒーロー制FPSのため、界隈での流行り方から「ガンダムとか全然知らんけど有名配信者とかもやってて流行ってるし遊んでみよ」というガンダム新規の方も多いでしょう

そんな中で「自分の使ってる機体ってアニメだとどんな感じなんだろ」「丁度いい機会だしガンダム試しに見てみようかな」という人も沢山いらっしゃると思います

一方でガンダムはTVシリーズ作品だけでも十何作もあり、OVAや劇場版まで含めると数十はくだりません。何から見ればいいのか迷う、という声をそこかしこで目耳にしました

そこで今回はガンダムシリーズについて右も左も分からない人向けに、ガンダムシリーズ全体の概要を大雑把に解説しながら、あくまでも筆者自身の独断と偏見で「新規が見て楽しめるガンダム」を紹介していこうかなと思います

■ガンダムシリーズ全体の構成概要

たまに勘違いしてる人もいるのですが、ひとくちに“ガンダム”と言っても全てのシリーズでストーリーが繋がっているわけではありません

現在のガンダムシリーズは大きく『宇宙世紀シリーズ』『アナザーガンダム』に分けられています

『宇宙世紀』の方は初代のTVアニメ『機動戦士ガンダム』を始祖として同一の世界観で続いている大河作品群であり、大半はストーリーも連続して続いている形をとっていますが、俗に『アナザーガンダム』と呼ばれる作品群はそれぞれ『宇宙世紀』とは別の世界観をもった作品として各自独立しており、ストーリーも繋がっていません

そのため、『アナザーガンダム』系はどれから見始めても問題なくストーリーを楽しめますし、それぞれの『アナザーガンダム』作品間でも基本的に繋がりはないため、視聴する順番がバラバラでも大丈夫なように出来ています

●宇宙世紀シリーズ

1979年に放映開始された初代アニメ『機動戦士ガンダム』から始まった一連のシリーズ作品で、TVシリーズではさらに『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』と続いていき、その後も劇場アニメ『逆襲のシャア』やOVA『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』が展開されたり、現在も劇場アニメ『閃光のハサウェイ』も制作されているなど、今なお作り続けられている大河シリーズとなっています

初代ガンダムと同じ時代を描いたOVA『第08小隊』『0080 ポケットの中の戦争』や、初代とZガンダムの隙間を埋めるOVA『0083 STARDUST MEMORY』などスピンオフも多岐にわたるため、この『宇宙世紀』作品だけでも時間を潰そうと思えばいくらでも潰せるでしょう


●アナザーガンダム

各作品がそれぞれ独立した世界観を持ち、単独でストーリーが完結するよう作られている作品群を指します

当時大ブームだった格闘ゲームの要素を加味したアナザーガンダムの始祖にして異端児『機動武闘伝Gガンダム』や、幼馴染だった二人が敵軍同士として再開し戦う『機動戦士ガンダムSEED』など、SFミリタリー色の強い宇宙世紀シリーズに比べると派手で個性的な作品も多く揃っています

中にはガンダムのプラモデル、通称“ガンプラ”を架空の技術で動かせるようになった世界で、ガンプラを使った熱いバトルを描く『ビルドファイターズ』シリーズといった変わり種もあったり……

90年代中盤以降、新規TVアニメシリーズとして制作されるガンダム作品は基本この『アナザーガンダム』に分類されるため、ガンダムを全く知らないという人も入りやすい形になっていると思います

10月2日(日曜。執筆時点では明日)から放送開始される『機動戦士ガンダム 水星の魔女』もこのアナザーガンダムに該当します

▲じゃあ新規はまず何から見ればいいのか

①機動戦士ガンダム 水星の魔女

先述しましたが10月2日から放送開始される最新作の『水星の魔女』は完全新規のアナザーガンダム系作品なので、これまでのガンダムを全く知らない状態でも視聴することができます

最新作なので大勢の人達と共にリアルタイムで追っていける体験ができますし、従来のガンダムファンと感想を共有しやすいのもメリットでしょう

現在、先んじて0話にあたるプロローグが各種配信サイトで配信されているので、気になる方は先にチェックしてみてもいいと思います(下リンクは配信サイトの一覧)


②機動戦士ガンダム

ガンダムシリーズの始まりであり、80年代前半におけるリアル調ロボットアニメブームを作ったこのジャンルのマイルストーン

宇宙に浮かぶ居住用巨大建造物・コロニーに住む民間人の主人公、アムロ・レイが突如襲来してきたジオン軍のロボットであるザクを倒すため、ひょんなことでガンダムに乗り込んだことがキッカケとなり、地球連邦軍とジオン軍との大きな戦争の渦に巻き込まれていきます

卑屈気味ながら天才的な操縦センスをもつアムロと彼を取り巻く様々な人々との悲喜こもごもなドラマが繰り広げられ、子供向けアニメっぽさを感じさせないストーリーが当時話題となり一大ブームを形成しました

映像面はさすがに40年ほど前のアニメなので古さは否めないですが、それでも今尚シリーズ至上の作品と挙げる人も多い内容となっています


③機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

先ほど紹介した初代ガンダムと同じ宇宙世紀シリーズにして、三部作映画のうち第一部が公開終了、第二部の公開が待たれている現在進行系の宇宙世紀シリーズにおける最新作です

前作にあたる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では純真無垢な一般人の子供キャラだったハサウェイ・ノアを新たに主人公へ置き、青年に成長した彼がなんと反政府組織の一員として戦う様を描くストーリー

ここまで読んだ方は「え? 宇宙世紀って話繋がってるからいきなり途中から入るのは無理なんじゃないの?」という疑問を持たれると思いますが、『閃光のハサウェイ』に繋がるまでの大筋はその前日譚にあたる『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』2作品がそれぞれTVシリーズを短く再構成・再編集した劇場版として3部作(合わせて6本分)作られており、『ハサウェイ』の物語上で前作にあたる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』も単作映画となっているので……

『劇場版 機動戦士ガンダム』(劇場三部作)

→『劇場版 機動戦士Zガンダム』(劇場三部作)

→『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(劇場単作)

→『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(三部作中、現在第一部が公開済み)

と、これだけ見れば追いつけるようになっています

今から『閃光のハサウェイ』第二部公開に追いついて、そのあと第三部公開までにTVシリーズの方の『初代ガンダム』や『Zガンダム』をゆっくり見てもいいですし、時系列的には『Zガンダム』と『逆襲のシャア』の間に位置する『ガンダムZZ』まで見るのもいいでしょう

そこまで視聴すればガンエボにもプレイアブルとして登場しているユニコーンが主役の『機動戦士ガンダムUC』も楽しめます

『水星の魔女』同様、リアルタイムに追いつく面白さがあるのでオススメ


④機動戦士ガンダムSEED

遺伝子操作の発達により、生まれつき優れた身体機能を持つ“コーディネーター“と、遺伝子操作を行わず生まれてきた従来の人間と同じ“ナチュラル”という2つの人種が存在する世界で、潜在的な能力の差から両者がいがみ合い、ついには戦争を起こしてしまう……という作品

主人公であるキラ・ヤマトとかつて幼馴染だったアスラン・ザラの二人が、数年越しに敵軍として戦場で再開するという設定も特徴でしょう

2000年代前半を席巻した人気作ということもあって今も根強いファンがいますし、良くも悪くもアクの強いアナザーガンダム作品群の中では比較的宇宙世紀シリーズに近いテイストの作風にもなっているので、ガンダムシリーズ全体の入り口としても良い作品だと思います


⑤機動戦士ガンダム00

「特定の国を背後に持たず、戦争・内乱など世界中のあらゆる武力紛争に同じ武力をもって介入し、“平和のための武力行使“を行う」という組織・ソレスタルビーイングに所属するガンダムパイロットの刹那・F・セイエイを主人公に置いた作品。既にガンエボで実装されているガンダムエクシアが主人公機のアニメでもあります

主人公たちが何かしら軍隊や国に所属して戦うことの多い他のガンダムシリーズと違い、ソレスタルビーイングは特定の国や組織に属さずイオリア・シュヘンベルグという個人が作った“私設武装組織”として戦争根絶のため戦う、という一風変わった設定が特徴的

世界設定も現実世界のそれに近く、SF色の強い宇宙世紀シリーズや『SEED』とも違うテイストを味わえますし、この作品を気に入るならさらに個性的な設定やストーリーの『機動武闘伝Gガンダム』『新機動戦記ガンダムW』といった他のアナザーガンダムシリーズに流れていくのもいいでしょう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?