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『祈りと、これから』

自然との繋がり

人は大自然に抱かれて共に暮らしている。
当たり前のようなこの事実を、今を生きる私たちは忘れてしまいがちです。

日々を、自然の恵に感謝して生きることが大切だと思います。

しかし、現代はその逆 ・・・ 人間の欲望が拡大して、自然よりも産業(人間本意の物質文明)が重んじられて、自然破壊に歯止めがきかず、もはや地球そのものの存続が危ぶまれています。 

これ以上、人間が自然との調和を乱さないためにも、自然界からは、大規模な地震、台風、大津波やパンデミックなど、人間にとっては災いという形となって、警告が発せられているかのようです。
そして、その様に感じる方は世界中に増えてきています。

これらの現象は、地球自らが元の姿に戻ろうとする、揺り戻しの作用ではないかと思うのです。


調和が大切

宇宙の万物、ありとあらゆる事象は、“陰”と“陽”という2つの対極する性質から成り立っている、と言われています(これは、古代中国の陰陽思想の教えです)。

例えば、天と地、光と影、男と女、生と死、善と悪、動と静、物質と精神、理想と現実、個体(小宇宙)と全体(大宇宙)・・・等々。 

それらは互いに影響を及ぼし合うことで共に存在していますので、もしもバランス関係が崩れてしまうと、歯車が上手く噛み合わなくなった機械のように、すべての機能がストップしてしまいます。
だからこそ、両者の調和した状態が、何より大切です。
 
“天と地”の場合ですと、 天が陽、地が陰 となります。
例えば、天を象徴する 神 を 陽100% の存在だとすると、地上に降り立った人間や、木々や川など色や形のある存在すべては、陽と陰の混ざりあった存在と言えます。
そして、地球の表面から、地中の奥深くに進むほどに、更に陰の性質が増していきます。
 
本来、地中に在るはずの鉱物や石油等は、その場所に存在することで、地球そのものが正常に維持できるよう、役割を担ってくれています。
 
しかし、人間の都合によって、石油製品、アスファルト、宝石、パワーストーンなどに至るまで、地下資源として大量に採掘されだした頃(特に産業革命以降)から、地球上のバランスは一気に崩れてしまいました。
 
世の中は、便利社会へと急発展を遂げましたが、その一方で、地表にもたらされた地下物は、人間の精神にも大きく影響することになりました。
陰化度の高い地下物が、人間の欲望(=陰の心)に深く結びついたためです。
 
エネルギー資源を巡って国と国との争いは絶えず、排気ガスによって大気は汚染され、マザー・ネイチャーと呼ばれる大自然が失われつつあるというのに、もはや後戻りすることが困難な状況に陥っています。
 
これは、人間が自らのエゴイズム(=陰の心)に偏るがあまり、陰・陽の調和を乱してしまった歴史的な事例です。
 
人間の心は、自由自在、どの方向にも無限に広げることができます。
一人一人が過去に学び、自然への感謝と愛(=陽の心)を忘れずに共に暮らせば、世界中に調和の輪が広がると思いませんか?
 

 

「天岩戸開き」の真意

古事記や日本神話に “天岩戸を開く” 場面が描かれています。
その物語に込められた真意にお気づきでしょうか。

すべての存在は“神様の愛”から生まれたということです。
つまりは、我々人間も“愛の塊”なのです。
その原点に気づいて、自らの心を「真義・真愛」に向けて開いていくこと、それこそが本来の天岩戸開きです。


愛の存在である神様から発生した我々は、
愛(思いやり)の心で、すべてに接して行く事が大切です。

この人生、自分と他者とを比べるのではなくて、自分自身の心の在り方を見つめながら、感謝と思いやりで満ち溢れた人生を体現して行くことこそがとても重要です。

そして、その心を子孫に繋ぎ、引き継いでいくことに、我々は心を向けていかなければなりません。

その魂の原点に戻る事を、神様が過去から今まで、人生の浮き沈みや自然現象などあらゆる局面を通して、教えて下さっているのではないでしょうか。


真義・真愛

「真義」とは、 大自然(宇宙全体)を貫いている道理を知り、私たち人間だけではなく、すべての存在の調和・平等・発展に心を向けること です。

先程の 調和が大切 では、真義の一部をお話ししました。
世の中の常識だけに捉われず、より広い視野で、真実を見極めようとすれば、だんだんと理解が深まります。
 
「真愛」を一言で表すと、差別や垣根のない全てに対する思いやりの心 のことです。

その心が、すべての人間の魂に備わっています。そのことに気づき、発揮する人の眼前には、他に求めずとも、自ずと幸せの道が開かれることでしょう。
 


祈りについて

私たちがお手本とすべき心の在り方は、すべてを分け隔てなく包み込む神のような心、つまり真愛です。
 
真愛を表現する、とても簡単な方法があります。
それは、“祈る”ことです。

 
私たちが心を込めて、誰かの幸せを祈る時、目には見えない真愛の波動が、相手に伝わっていきます。

波動はその特徴として、一瞬で宇宙の果てまで広がってゆくので、私たちは祈ることを通して、たとえ遠くに離れた相手でも、優しく包み込むことができます。

また、真愛心から放たれる波動は “陽” の性質であり、清めの作用があります。祈りの対象を清めるだけではなく、祈っている自分自身の魂も自然に清まっていきます。
  


「願い」と「祈り」は違う?

願い と 祈り に違いがあるのをご存知でしょうか?
その二つの言葉は、しばしば混同されて使われていますが、実は決定的に異ります。
 
その対義性について、表に纏めてみました。
 
          <願い>           <祈り>
   受け身的(他に任せる)    自発的(自ら行う)
   利己心(見返りを求める)   利他心(見返りを求めない)
   不足している(欲)      満たされている(感謝)
   陰波動(穢れ)        陽波動(清め)

 
実際に、日本の神社は 祈願所 としての機能があり、お願い事を叶えるために “祈祷” と呼ばれる行事があります。しかし、本来、「祈り」という言葉には願掛けの意味はありません


神社参りでは

神様は、命をはじめ、空気、水、衣食住用材など私たちに必要なものは、すべて無償で与えて下さっています。そして、地球を含め宇宙全体が好循環するように、常にお働き頂いています。

その中でも、特に“自由な心”は、地球上でも人間だけに与えられています。

動物や植物は、決まった範囲でしか行動できないのに対して、人間は一人一人が独自に考えて、物事を自由に選びとって、行動することができます。

この事はとても有り難いことですが、同時に責任も伴います。

仏教(釈迦)の教えによると、私たちが住む世界には、“自分が撒いた種は、自分で刈り取とらなければならない”という因果応報のシステムが組み込まれていると言われます。

前向きな努力や善い行いをすれば、いつかは成果が実を結ぶのに対して、間違った行いや悪事を働けばそれ相応の言わば罰として自分に返ってきます。

良きも悪しきも、その結果を真摯に受けとめて、より良い世の中にしていくのが、人間に与えられた定めかと思います。

もともと神社は、神様に感謝を捧げる場所なのです。
残念ながら現在は、歴史の流れの中で、権力や政治の都合によって歪められてしまった宗教観が世の中に広がり、本来とは違う姿になってしまっています・・・。
 
神社でお願い事をするというのは、自分本位の欲の想い(=陰波動)によって神様を汚してしまうことになるので、絶対にやめましょう。
 
神様は、人間の願いを叶えてくれるための便利道具ではありません
私たち人間が、自分の願いを実現するのは、自らの努力次第です。それがこの世の中の道理です。

「自分でやった結果は、自分で背負いなさい。」
神様に言わすと、そういうことだと思います。

同じことを、地球規模で考えてみると、
「地球を良くするのも、悪くするのも、あなた方次第ですよ。」
と言われるのではないでしょうか。

それに、もしもお願い事をして叶うなら、この世の中に不幸はないはずですよね。

この記事が、過去から続く “お願い事の文化” から、新しい “祈りの習慣” に代わるきっかけとなれば幸いです。


結び

宇宙の全ての存在は、皆が等しく神様の愛から生まれました。たとえ地上では血の繋がりが無くても、宇宙的な視座から見れば、皆が家族同然です。
私たちは、すべての存在と繋がっている輪の中で、互いに生かし、生かされています。
そう思える時、存在する一つ一つへの感謝とともに、慈しむ気持ちも湧いてきます。

きっとその理由は、時に競ったり、奪い合うことで得られる刹那的な幸せよりも、周囲を愛で満たす生き方に、本来、私たち人間の魂は、喜びを見出すからだと思います。

どうかその真心をもって、すべての存在の幸せを祈ってみてください。

地球に住む一人一人が祈りを行い、祈る心のままに暮らしを営めば、極めて陰化した今の地球環境も少しずつ陽化されて、人と自然とが調和した、健やかな未来が開けることと信じています。

最後に、祈りの仕方について簡単に例を挙げさせて頂きます。

 【本来の祈り方】
  ・○○さんと、そこから繋がる、全ての幸せを心からお祈りします。

   ※この世界は、人間だけでなく、全ての事物、動植物、水や空気、目に見えないものまでが関わり合って暮らしています。その全ての幸せに心を向けるのが良いですね。

 【間違った祈り方】
  ・○○さんが、幸せになりますように(→誰かに依頼している表現→お願い事になっている)


ここまで、この記事をお読み下さった皆さま、有り難うございました。

結びに代えまして、
皆さまから繋がる、地球と宇宙の全ての幸せを心よりお祈りいたします。




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