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4年目の『百均・植物』

百均で200円で売っていた掌に乗るような小さな観葉植物。4つ買った。家の中を明るく瑞々しくしようと、玄関に置いたり、トイレに置いたり。リビングのカウンターに置いたり。

最初は一生懸命世話していた。2年目に鉢を替えた。それまでの仮のプラスチックの器では小さすぎたから。

百均で一回り大きい陶器のような白い鉢を買った。いつの間にか名札を失くしたので、植物の名は知らない。その後、何かと忙しいことが起こり、水遣りを忘れて、一つ枯らしてしまった。

それから飼猫が病気になった。看病で忙しく、鉢植えどころではなくなった。84歳の長兄の具合が悪くなり、何回も新幹線で京都までお見舞いに行った。鉢植えどころではなかった。

長兄も猫も亡くなった。そしてまた一つ植物が枯れた。

残った二つを大切に世話した。が、去年、私の癌が発覚。入院、手術。鉢植えどころではなくなった。百均で買ったものだ。枯れてもあきらめがつく、そんな思いもあった。

退院し、心の余裕が出来たころ、鉢植えにまめに水遣りをした。植物は弱り切っていたが、息を吹き返した。それからも、野良猫の保護やら避妊手術、コロナ禍、ワクチン騒動。様々なことがあったが、二つの鉢は日当たりの良い所に置き、水遣りだけは忘れなかった。

そして昨日、二つの鉢の植物が可哀そうなほど窮屈に身を曲げていることに気付いた。(トップの写真)

植え替えなければ。もっと大きな鉢に。ああ、今までごめん……。

物置を捜しまわり、かなり大きめの本物の陶器の鉢を見つけ出した。ほこりまみれだが洗うと綺麗になった。

そして観葉植物用の新しい土を入れた鉢に植え替えた。植物が大きく伸びをして喜んでくれたように見えた。

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これがその姿。トップの窮屈そうな写真と比べると、ほんとうに伸び伸びしている。幸せそうだ。

いろいろあって世話が行き届かなかったけどよく生き抜いてくれたね。窮屈な鉢で我慢してくれたね。

もの言えない植物がいじらしい。地植えと違って鉢植えは人間の事情で枯れるしかないこともある。

困難を乗り越え生き残った二つの植物(名前も知らずごめんね)。あなたたちの元気な葉っぱを見ると嬉しい。本当に嬉しい。

逆境を生き抜いたこの二つを、私の寿命と同じぐらい長持ち(!)させたい。

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