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王冠を脱がない王様その2

写真を撮ろうとしたら光が当たってしまった。

ちょうど良いタイミングで王冠を脱がない王様が現れた。

事の詳細は不明だが文字通り、正に王冠を脱がない王様の誕生である。

タイトルマッチをやらない王者に果たして価値はあるのだろうかと結論から言う。

多くの人はそう思っているだろうし、昔から知っているような人は勿論庇ったりもする。

タイトルに価値がある以前にその人が持っていることに価値を見出しているように感じる。
ここ最近はノンタイトルばかりで防衛をしない王者もいる。
誰かとは最早言わないしそれはもう見た目で分かっていることだから言う必要もない。

兎に角チケットを買ってくれるお客さん中心に動いているのでこうなってしまう感がある。
日本人ばかりで回したら結局Krushと何ら変わらなくなるので建前上外国人呼んで世界戦、WORLD GPと銘打っているだけである。

断言する。

誰とも分からない外国人の為に7000円以上もするチケットを買いに来てくれるお客さんなんていない。
不均衡であり不釣り合いなのだ。

チケットチャンプというのがいる。
チケットを多く捌き運営に贔屓されて王者になるような選手のことだ。
キックボクシングではごく当たり前のように存在する。

その日に十数試合(プレミナリー除いて)組んで選手一人が100枚以上チケットを配れば後楽園ホールを満たすことが出来る(試合は二人で行うので1試合200人は観に来る)。
逆に、試合が終わったら選手目当てでしか来なかったお客さんは帰ってしまうのでメイン頃には座席がスカスカになったりもする。
結局チケットを多く配る人が試合の最後に来るので本当にその選手が強いのかどうかさえ怪しくなる。

断っておくがK-1のカリスマは目標があってお客さんの要望に答えているので強さを求めることは本物であるしそれは多くの人に伝わっているのは分かる。
ただ、運営としてはこの選手を手放したくはないと考えているのだろう。
現実的にこの選手がセミとなった時に終わったら帰ってしまうお客さんが多かったのである。

そのことを平本蓮は嘆いていた。

面白い試合があるのに何故帰ってしまうのかと。
ただ面白い試合をするだけではお客さんに伝わらないのではと感じ取っていたのではなかろうかと思う。

面白い試合をすればお客さんが観に来てくれる、という訳ではないのである。
このことに気づいている人(選手や運営)はどれだけいるのだろうか。

平本はこの帰って行くお客さんを目にして気づいたのではないかと思う。
内輪だけで終わるのか、それとももっと多くの人に注目して貰おうとするのか、その違いが表れているのだと思う。

その後平本は当時タイトルを失ったゲーオに勝ってからK-1との契約を更新せず2年経ってからフリーとなって「日本」を出た。

括弧付きの「日本」は悪意がある表現なのは分かっているが、村社会では頂点に立てる訳ではないのである。
今のK-1は世界最高峰でもなんでもない。
サムネールの現王者一覧を見ても分かるが一つだけ空位なのが全てを物語る。
運営は防衛を行っていないとするから返上したと繰り返しているが、初代王者(K-1 WORLD MAXじゃない)も防衛戦を行なっておらず(防衛戦を行おうとしていたがチャンピオンが病欠で行えなかった)、返上されたタイトルを巡ってまたも外国人が王者になっても防衛戦が行われずにそのまま返上されて空位となってしまっているのが現状である。
実際、K-1以外にも海外にはキックボクシングの団体が存在しており初代も二代目もK-1よりも待遇の良いクンルンファイトやGLORYやONE Championshipやベラトールキックなどに出場していただけである。

外国人は不義理ばかりだと思われるが、K-1のファイトマネーが安いという噂は本当のようで、日本人選手達でさえも口々にそのことを漏らす。
緘口令は機能しているのかと思ってしまう程である。
直接的に金額は言わないにしてもトップファイターでさえも安いという。
選手の収入の主だったものはチケット収入や小口スポンサーやジム運営の収入によるものなのだろう。

今までのジム形態とは違った形で、選手が現役でK-1の名を冠したジムを運営することが多くなっているようだ。
K-1が大会を開くというよりもK-1の名を冠したジム運営が恰もそれが実態であるかのような印象を受ける。

何故こうなってしまったのかと思うと、過去K-1が資金難で大会を開けなくなってしまったことに因むのではなかろうか。

一度でも大会が開けなくなってしまえば世間から忘れ去られてしまい、テレビからかけ離れてしまえば出場した選手は引退しているのではないかと思われてしまうからである。

K-1の名を冠したジムが各地にぽつりぽつりと点在していればK-1はまだそこにあるのだなという印象を世間に与えることが出来る。
ジムと言ってもプロだけでなくフィットネス目的で来るお客さんの方が多いので地域密着型になる。

恐らくだが、地上波前提だったK-1も今の運営にしてみれば視聴率に左右される浮き沈みの激しく明日あるかも分からぬ運営よりもそうした方が末長くブランドを維持することが出来るのではないかと考えているのではなかろうか。

そうなると、もはやK-1は格闘技ではなくなる。
フィットネスになるだけだ。

前項の「王冠を脱がない王様」のようなジレンマを抱くことになるのだろうか。
名前だけブランドだけを維持するならコンビニエンスストアみたくジム展開をすればいいだけである。
しかしそれをすると今度は格闘技としての意味が失われる。
商売で看板を維持するのと、格闘技としての価値を維持するのとで相克しているようにも感じる。
両立されていないから問題が滲み出ているのが側から見てもすぐ分かるのだが。

さて、これを書いているうちにまた新たなトピックが。

何を頑張るのだろうかと思う。

多分、“本業”がこっちの方へとスライドしつつあるのではないかと思われる。

試合をしていない時の顔に覇気が見られないので恐らくはセミリタイア状態。
最近まで練習もしていなかったそうである。

つい先日ジムでの練習する風景を上げていたが、防衛戦から1年が経とうとしている。
あと二ヶ月ではあるが、ここで出ないと流石に特例を設けるわけにはいかないので返上という形になるだろう。
K-1の方がまだそれでも良心的ではあると思う。

キックボクシングは団体乱立ではあるが、ボクシングよりはまともである。

ボクシングの方が酷い。

ボクシングに関しては別の記事にしておこうと思うが、少なくともタイトル複数あったり防衛しなかったりと酷いものばかり。

結局、王者であることを傘に商売をしているのだろうと思う。
王者であることは悪いことではないが、防衛をしない王者はもはや王者としての風格さえ怪しい。

相撲も白鵬と鶴竜が休場してしまった。
休場を繰り返す横綱は最早横綱と呼べるものではないのだが、相撲協会も甘やかすところが強いなと所々感じる。
貴ノ富士に関しても引退勧告にしている訳だし、結局世間との軋轢でそうせざるを得なくしているようにも見える。
寛大であればこそでもよいが、こういう所々甘さが出ると身内に甘いとして誰も見向きもしなくなるのが見えてくる。

残り時間は短い。

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