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"ストロボ"に想いを馳せる

この記事は、コーサカさんの中の人について触れています。当人が公表しているとはいえ、そういった旨の内容が苦手な方はここでブラウザバックをお願いします。




『ストロボカノン』という楽曲がある。

音楽系VTuberユニット、MonsterZ MATEのラッパーで吸血鬼であるコーサカさんによるソロ曲だ。

つい先日、MonsterZ MATEは6周年を記念して、豊洲PITにてワンマンライブ、『MonsterZ MATE 6th Anniversary Live 大炸裂』を行った。


それはそれは素晴らしいライブだった。

信じられないくらい暴れ倒させて頂いたし、沢山笑顔になった。幸福になった。


その中で、一度だけ。

わたしには、どうにもならないほど泣いてしまった時間があった。



それが「ストロボカノン」の披露時だった。


初めて聴いたワケじゃない。
2022年のコーサカ生誕ライブで初披露された時から、2023年のコーサカ生誕ライブで発表されたEPに収録されていて何時でも聴けるようになったときから、とにかく何度も聴いた。レコードでもCDでもなくデジタルコンテンツだけれど、擦り切れるほど聴いた。


ここで一応断っておくと、わたしは初披露の時もEPが出た時もバッチリ泣いている。ただ、その理由もすべてまとめて後述するため、一旦置いておかせて頂きたい。


正直なところこの話については、わたしが厚かましくもすべて見聞きしてきたように語ること自体、本当にしてはならないことのような気すらしている。
実際、この文章を綴りながらずっと頭の片隅には「いっそ公開しない方が良いのではないか」という考えがこびりついて離れない。
それくらいには、この話は、わたしにとっては軽々しく扱えないものだ。もしかしたら彼は、彼らは、構わないと言ってくれるかもしれないけれど。それでも、やっぱり躊躇うと思う。


そんな話を、今からする。

ひとりで抱えているには、この感情は大きすぎたから。
本当はOh! de Bullの話とか大炸裂の話とかを真っ先にnoteでするつもりだったけど。
まずこっちの話をしないともう、どうしようもなかった。

だから整合性のない情緒ストレートな文章になってしまうけれど、どうにか綴らせて頂くことにした。


過去の話。
ニコニコ動画という動画投稿サイトに、ぽわぽわPというボカロPさんが居た。椎名もた、という名義で馴染みが深い人も多いかもしれない。

彼は2015年に急逝した。20歳だった。


ぽわぽわP / 椎名もた さん(以降、特別な理由が無い限り「もたさん」で表記を統一します。)は、コーサカさんの中の人(MonsterZ MATEは中の人を公表していますが、一応今回は明確な名称は出さないでおきます。)と親交があり、もたさんは彼にオリジナル曲のトラックを提供したりもしていたし、彼はもたさんの楽曲のラップアレンジをいくつも投稿していた。


そんな彼がラップアレンジした、もたさんの曲の中に「ハローストロボ」という曲がある。

もうこれだけで言いたい事8割ぐらいみたいなとこがあるけれど、まあもうちょっとだけ話させてもらう。


「ハローストロボ」は「ストロボハロー」という曲を、もたさんが「構成が気に食わなかったのでバッキバキに刻んでみました」(原文ママ)という経緯によって生まれた過去曲リミックス曲。なんなら「ストロボハロー」も「さよならリメンバーさん」という曲をもたさんが「ミックスがどうも気に食わなかったので、一から再構成してみました。いわゆるリミックスです」(原文ママ)という経緯でリミックスしたことで生まれた曲。

『「さよなら」の次は「ハロー」。別れも出会いな気がします。単なる僕の心境の変化ですw』とも、もたさん本人談。

そして、「ストロボカノン」という楽曲の作曲は七草くりむさん。


コーサカさんは、「ストロボカノン」を初披露したコーサカ生誕ライブ2022で「同じボカロPさんが好き」だったことがこの曲を作るきっかけだった、という旨を話していた。


もたさんとの別れと、もたさんを共通項として持ったひととの出会い。
その運命性を微かにでも感じざるを得ないような気がした。



だから、『大炸裂』でこのイラストが出たときに、涙が溢れて止まらなかった。


あとり依和ちゃんも、当時の彼らを知っている。彼らがつくる音楽を、知っている。


あのとき、あの瞬間、豊洲PITに広がっていたのは、確かに ぽわぽわP / 椎名もた を共通項として持つ、彼らが構成した景色だった。


前述した、「初披露の時もEPが出た時もバッチリ泣いて」たって話はつまりそういうことだ。"ストロボ"に思いを馳せていたら、突如発表された新曲として「明滅する日々にさよならを」なんてタイトルの曲が来たんだから、そりゃ気が狂わない方がおかしい。そしてEPのタイトルにもなった。泣きながら聴いた。




ちなみに、彼がラップアレンジした「ハローストロボ」のリリックと、コーサカさんが書いた「ストロボカノン」のリリックには似通った部分がある。

「ハローストロボ」は、
『世界の王様は誰なのか』『世界の王様は僕なのさ』
『今日も空が青く晴れた』

「ストロボカノン」は、
『この世界の王』
『見上げる空の色は青』

それと、「ストロボカノン」には『「ハロー」そいつは気楽に現れて』、『目に映る まるでストロボ』なんて歌詞も。

生誕ライブ2022の直後に行った誕生日を迎える配信で、曲名が英語かカタカナかって訊かれたときに「絶対にカタカナ」って答えたことも。

『読み込む歌詞card 伝わらない言葉に価値などないと知って足掻くけど』ってリリックの重みたるや。


すべて、彼から彼への想いで。




言いたいことは山ほどあって、でも感情全部をどうこうできるだけの実力がわたしにはまだなくて歯がゆいけれど、せめてほんの少しでもこの感情を共有したかったので、思うままに書いた。



「カノン」の意味は、楽曲様式を表す音楽用語で一つのメロディを複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式の事。



彼が、彼らが、ぽわぽわP / 椎名もた を想うきもちに、感謝を。





コーサカさんは「もしも、俺を送る時があったなら」「その時は泣かないで」「笑って、歌って踊って、送ってくれ」と、この曲を歌ったときにアウトロで必ず言うけれど。

ストロボカノンのあのイラストと歌詞の出し方を見ただけでボロボロ泣いてしまったから、きっとわたしに其れは難しいかも。

だけど。それでも。

他でもないあなたがそう言うのなら、そう在れるように努めたいと、強く思う。

抱えたいたみを心からの笑顔で表出できるようになるように。


敢えてあなたの言葉を、烏滸がましくも借りるなら。



明滅する日々にさよならを告げられるように。





(2024年7月31日追記)

MVが投稿されました。

コーサカ「ストロボカノン」Music Video https://youtu.be/WNASK8EmqcY



ありがとう。

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