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私は気がついた時から”私”であったのだが、思えば随分不可思議なのりものを動かしてこの世界と接しているものだ。この「からだ」と呼ばれるのりもののことだ。のりもの、という概念を知るより前から”私”はこの身体を動かしているので、この身体がのりものだと気づくのに随分時間がかかってしまった。物心ついた時には、どう動かすかについて考えずとも良くなっていたし、乗り換えたことがなかったので、これは”私”であるとすら思っていた。しかしどうも、私はいつかこの身体を乗り捨てる時が来るのである。と
最後の最後まで嘘を突き通すことなんてできないのさ。 最後の最後まで信じようとする人を騙しおおせることはできない。何かが違うと、すぐにばれてしまう。 最後の最後まで信じきってくれる人に嘘をつく必要があるだろうか。 最後の最後までは信じられない人のために使う労力なんて、本当に必要だろうか? 嘘をつくために必要なことを話しているのではないよ。 いつか出会いたかった本当のことに出会う力について話している。 それだけが、何一つ確かなもののないこの世界でそれでも君が生きてい