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現代俳句 作品集 33 〜梅の花〜
「 梅の花 」
~現代俳句〜
はつがらす一の鳥居を飛び立つか
影だけを落としてにわの寒つばき
飲みほしてあすのかおりの生姜酒
つぎつぎにとぶ初鳩のそらひとつ
このまどにひとつまたたく初星よ
くべくべて空のちかさよどんど焼
テーブルも椅子も日向に春を待つ
船旅よ無がふりつづくゆきのうみ
きたぐによ数減ってゆく雪だるま
アルプスの嶺ひとつずつ雪をよぶ
◇
富士の影あらわにふゆの星ぞらよ
手かざしてさいげつという落葉焚
ふと空をあおぎみて雪ふりやむか
しずけさがはらとひとひら寒牡丹
あたたまれ湯気ごくごくと玉子酒
和歌にある詠みびと知らず蝋梅よ
陽だまりに明日がゆれて冬すみれ
背のばしてねむりねむらず置炬燵
寒夕焼けだれが故郷をわすれるか
まいにちがじんせいの果て冬の月
◇
まっさきに散ってゆくのも早梅よ
寒がらす街びとに尾をむけて飛ぶ
おおくじらちいさな星の海を跳ぶ
受ける手をいくつこぼれて福の豆
目ひらいて今日にもどるか春炬燵
しあわせも生きていればよ春炬燵
枝じゅうのつぼみのひとつ梅の花
梅の空ほほ笑むようにまぶしむか
萌え出して世のあかるさよ蕗の薹
地上から引っぱりつづけ凧揚げよ
01月16日〜02月08日
いつも
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