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和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!──本祭I・家電雷鳴編」に寄せて

蓄音器と蘇音器、そしてレコードの発明以後〈機械の体〉を手に入れた音たちが、やがて放送の電波に乗せられ、インターネットで共有され、音楽はクラウドに蓄積される〈電子の霊魂〉になってしまった。

オーディオや楽器もデジタル化によって極小化され、もうその形は見えない。和田永さんは、中古家電を楽器に蘇生することで、肉体を失った音楽に再び肉体を与えようとしているようだ。

捨てられたブラウン管テレビや扇風機が光る楽器に魔改造され、まるで妖怪のようにこの世にぞくぞくと姿を現わし始めた。

妖怪大演奏が始まる。

これは音霊の盆踊りだ。

みんなで輪になって、昔の音楽プレーヤーのように〈回転〉しよう。

機械の体に帰ってきた音楽の魂と交歓しよう。

自作改造楽器ミュージシャン、メディアアーティストの和田永さんの3年がかりのプロジェクト「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」がいよいよ本格的な完成披露を迎えます。上記のテキストは先日2017年10月20日DOMMUNEでのトークイベントにゲスト出演した後に「本祭I 家電雷鳴編」に寄せたコメント。

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