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2020年4月25日晴れ。アローンは状況で、ロンリーは心境。いまみんなどっちなんだろう?

山本ムーグ様

 ムーグさんの「今何してる? ぼくはメトロポリタン・ミュージアムでリヒターをひとりじめしてきたよ」という短いポスト、面白かったです。ゲルハルト・リヒターの作品ももちろんすごいですが、美術館で作品が見られない状況で、The Metが閉鎖中の展覧会をヴァーチャル公開しているのも面白いし、あの大きな会場にムーグさん一人しかいない光景を想像したら奇妙な夢のワンシーンのようでなんだか妙におかしい気がしたんです。

 作者が誰か知らない、前からあったこのGIFアニメ。今回アメリカのお店が閉鎖されるというときにあちこちのSNSでリンクされて出回ってきた。

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 新型コロナによる世界各地の都市封鎖や外出自粛は、東京では中野正貴の写真『Tokyo Nobody』を連想する人が多かったけど、アメリカではエドワード・ホッパーの風景なんですね。誰もいないところよりも人が一人いる方がさみしいとかストレンジとかいろんな感情がかき立てられる。

 エドワード・ホッパーの絵は誰もいない風景ではなくわずかに人物がいるから孤独な感じがするし、アンドリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」もそう。しかも後ろ姿なので、アクションゲームのプレイヤー(自機)の姿が中央にある昔ながらのモードと同じで感情移入しやすい。小津安二郎の映画で登場人物を背中から写しているシーンがよくあるけれどそれも似てる。

 こうしてみると絵みたいですよね、小津映画。特に晩年のカラー6作品(実はモノクロのほうが好きであまり好きになれなかった)をこうやって編集したものを見せられると、とてもモダンで都会人のさみしさが伝わる感じがする。

 そうそう、隣家の牡丹(なのか山茶花なのか)はこれです。道に落ちて空を仰いでいます。掃き掃除する前に撮影しました。

ではまた。

楠見清

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