ジャケ表

「汐」オーケストラ編曲 調整

さて、ここまで来たら一応曲として完成ですが、一日空けて聴いてみると色々不満が出てくると思います。そこでそういう部分を調整していきます。私の場合、ここまでの作業で以下の点が物足りませんでした。

Aパートのメロディ

Aパートのメロディがバイオリンだと伴奏に埋もれてしまい、かといってオクターブにするとくどい、という状況でした。そこで、ここはバイオリンのソロに変更します。これも木管ソロと同じく表現力が重要になりますので、良い音源を選びましょう。というか、ViennaとかHollywood solo stringsとかでもまだ表現不足です。音源選びが一番難しい部類だと思います。今回は幸いSpitfireの音源がセール中だったので買って使いました。(以前完成版として上げたものはSpitfire BBCで別の音源です)

Bパートのメロディ

ここは最初からホルンのオカズを入れていたのですが、あまり合っていない上にメロディが埋もれてしまっています。そこでホルンも最初はメロディをなぞるようにしました。最初の音だけ違っているのは元の名残です。もう少し別の動き方をしても良かったかも…

ミックスについて

ここまでで埋もれているパートがいくつかありました。普通ならフェーダーを上げたりEQで特定の帯域を持ち上げるという事をしますが、オーケストラでは非常に高度な作業になるため、EQで何とかしようというのはあまりお勧めしません。まずはアレンジで何とかしましょう。本当に演奏会で演奏される機会なんてあったら、そこにはEQなんてありません。そんな機会がある人はこんなところ読んでいないと思いますが、気持ちだけはそのくらいで行きましょう。

また、音場をリバーブで調整したり、バランスを整えていくという作業はありますが、これはいずれ別の記事にしたいと思います。

テンポについて

ここまでテンポは無視してきましたが、オーケストラではテンポを細かく調整しないと打ち込みくさく聞こえてしまいます。一連のフレーズの始まりを少し下げ、すぐに元に戻り、フレーズの終わりで下げる、というのが基本になります。また、Aパート、Bパートのような節目の終わりは大きめに下げ、曲の最後は大幅に下げます。他はベタ打ちでもこの作業をやるかどうかで打ち込み臭さがかなり減りますから、ぜひやってみてください。

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ちなみにCubaseではテンポトラックの表示の上限と下限を決められますので、上を普段のテンポ+20、下を普段のテンポの1/4くらにすると作業がしやすいです。この機能だけでもオーケストラの打ち込みはCubaseが優れていると思います。

完成

ひとまずここまでで曲は完成です。できた曲は眠らせておかずに、何かの機会に他人に聴いてもらいましょう。ただし、権利には気を付けて。

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