マガジンのカバー画像

追憶のポエミー【詩集】

8
運営しているクリエイター

#社会人1年目の私へ

途上シンガー

音を立てて鳴る心臓を抱いて 確かにここに立っている 燃え上がるような夢を掲げて 確かにここで生きている 心を通わせてもいないけれど 出会った人はマネキンじゃないよ “確かにその血が通っていたでしょう?” 帰宅ラッシュの早歩き 前だけ向いて興味ゼロ 何かを目指す人々は 脇目も振らず過ぎていく 全速力でもなかったけれど 道を間違えた訳じゃないよ “確かにその足で歩いて来たんでしょう?” どこか遠くにすり抜けて 目が合ったのに気づきもしない 喉が枯れるまで叫んでも 誰も相手