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誰にも解けないミステリー

“誰にも解けないミステリー”
そんな部分に人間は魅力を感じる。
その「誰にも触れられない部分」が
カリスマの主な成分としてその人を引き立たせる。
人間のようで人間じゃない、
天使のようだけどでも天使じゃない。
ずっとそばで守ってくれそうな強さを持つのに
いつか消えてしまいそうな儚さがある。
平野紫耀は“反対”の魅力を持った人だ。

天然炸裂ボーイかと思えば
地頭の良さが垣間見える瞬間があり、
小動物のような可愛さがあるかと思えば
痺れるようなかっこよさを秘めている。
でもギャップとかそんな簡単な次元で
語れるような人じゃない。
手に入ったと思ったらすり抜けていく、
そんな魔性の魅力。
平野紫耀はそんな人で。
こんな解釈に対してきっと彼は
「えーそんなことないですよ、
僕なにも考えてないすもん」
なんて言って笑うのだろう。

いつも平野は多くを語らない。語らないからこそ
彼の口から紡がれる様々な言葉の数々を、
彼に憧れる私たちは忘れることができないのだ。
何年か前の雑誌の編集後記で読んだ平野が
脳裏にこびりついて私を離さない。
ふわっといい香りが漂ってきた平野に対し
「なんの香水を使ってるのか」と
質問攻めにするスタッフ。
自分の香りフェチな部分について話したのち
「何をつけたか覚えていない」
そう答えたその平野の姿勢が
まさに天才的なアイドルで。
自分に向けられる好意的な感情に気付き、
相手を不快にさせないような言葉選びで
俊敏に本当の自分を隠す。
それを無意識でやっているのか、
それとも心の底からやっているのか。

天然で抜けてるとこさえ彼のエリアで
何を聞かれてものらりくらり、
そう淡々とだけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味だ。
嘘か本当なのか私たちは到底知り得ない。

King & Prince公式Instagramの投稿で、
おそらく文面からして神宮寺か髙橋が
平野の誕生日に書いた文章を見つけた。
「裏がない、でも表もないような
そんな掴みどころのないところが
彼の最大の魅力なんだろうな、」

平野紫耀は誰にも解けないミステリー
答えはすぐにそこにあるのかもしれないし、
そもそも答えがないのかもしれない。
気まぐれなその微笑みに私たちは
吸い込まれて動けないのだ。

なんて魔性で、なんて的確で、
なんて真っ直ぐで、なんて不器用なんだろう。
そんな天性のアイドル、平野紫耀。

アイドルの語源は
ラテン語の「偶像」(idolum)である。
崇拝されるヒトという意味で、
アイドルという単語は成り立った。

平野紫耀はアイドルを辞めない。
アイドルは職業であり概念だ。
人の心を燃やし続けている間は、
平野がアイドルであるという概念は決して消えない。

「ぱつっとやめてどっか行ってやろうと思っていた」
その日の平野を止めた事務所の人は
「アイドルは精神面で助けることができるよ」
なんて素敵な言葉をかけた。
その後平野はデビューして
「アイドルは人を笑顔にする職業」
という恩師の言葉を胸に常に笑顔であろうとした。

その平野が、あの動画でこちらに向かって
力強い眼差しでこう語る。
「これからもみなさんを
笑顔にしたいという気持ちは変わりません」
見たこともないような険しい顔つきで
ずっと眉間に皺を寄せていたその人は、
その言葉を放つときにふっと一瞬
笑みを浮かべたようなそんな気がしている。

強く儚く、不器用で器用なあなたのミステリー
誰にも結末がわからないそんなストーリーを
私は今後も追い続けたい。