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名作ボディコピーを味わう時間10日目 -幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。 -

毎日ひとつずつ「名作ボディコピーを味わう時間」と称して、
好きなボディコピーを紹介していきます。
(と言いつつ、昨日お休みをいただきました…!)

10日目のボディコピーは、「食べること」に関するこちらになります!

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画像:『何度も読みたい広告コピー』
広告主:ほっともっとさん
コピーライター:岩崎俊一さん
2008年

これを読み解くと...

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構成は下記のように。
①「食事をする時、人は幸せでいてほしい。」と、企業の想いから始まる。
②「私たちが、創業以来、お弁当のあたたかさにこだわってきたのはそのためです。」と、①のために企業としてどんな特徴や価値を提供できるかについて語る。
③「お店でごはんを炊く時、ふと、こんなにうれしい仕事はないのではないか。」と、企業の価値と普遍的な価値をつなげて、消費者との接点を描く。
④「日本は、これからますます忙しくなります。」と、未来の話にむけたほっともっとの決意を表明。

指示語は押しつけから解放してくれて、
指示語が生む曖昧さは想像力を掻きてる。

岩崎さんの書く文章がとても好きなんですが、、
今回は指示語に注目しました。

よく読むと、「そう考える」「そのために」「その」が複数回登場します。

「○○です。そう考えています、」と一言はいるだけで、落ち着いて読める。ほっともっととして想いや志があってそれを伝えてるけど、強い押し付けがなくて、ゆったりと会話している気分になる。ああ、「そう思います」と伝えることは、しなやかな意思表明なのではないか。

「そのために」は①で話したほっともっとの想いの部分を指してますが、この文章の中では2回出てきて、同じことを指してます。だからこそ、ほっともっとが「心から」考えていることもじんわり伝わってくる。静かに、ゆっくりと、たしかに伝わってくる。

「その」「それ」は、③にある各家庭の原風景の話をしてますが、ここは「その人」=「愛する人」ですが、「その」があることで読み手の想像の中で具体的なイメージが出来上がっている。
7日目に紹介した「角」÷H2Oの、「今夜あの方と」の部分で「あの方」を想像してしまうのと同じなのかもしれないと思いました。


ちなみにこのコピーは、岩崎さんの小学校時代の経験がもとになっているそう。日本が貧しかった時代、近所に住んでいたススムくん家を見て感じたこと。その記憶を頼りにして書いたもの。

その全貌は、岩崎さんが書いた『幸福を見つめるコピー 完全版』の中の「おにぎり」というエッセイで読めますのでご興味ある方はぜひ。


炊き立てのごはんの釜、炊飯器のふたを開けた瞬間の湯気いっぱいの景色って、あったかくて幸せに感じます。

それではまた明日!

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