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名作ボディコピーを味わう時間9日目 -「父さんは せっかくだからと 駅弁を買って、 せっかくだからと 発車するまで 我慢する。」 -

毎日ひとつずつ「名作ボディコピーを味わう時間」と称して、
好きなボディコピーを紹介していきます。

勉強のために手書きで読みづらい部分もあるかと思いますが、、そこはどうかごゆるりお付き合いただけますと幸いです。

9日目のボディコピーは、「旅」に関するこちらになります!

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画像:『何度も読みたい広告コピー』
広告主:JR東日本さん
コピーライター:山口広輝さん
2007年(TCC年間掲載年)

これを読み解くと...

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子供目線で、
せっかくだからと、いつもは忙しそうな「父さん」が旅をより楽しむために、駅弁を買って、堪能している様子がうかがえます。

息子なのか娘なのかはわからないけど、話し方や二人っきりでの水入らずの旅行ということでお父さんと息子の二人旅なのかな?とイメージがわいてきます。(娘でも二人旅、あるとはおもいますが)

個人的学びポイントは

①最初に○○についてを明示したうえで、対比構造が続くと、
○○が強調されて、理解が進む・印象に残る

ボディコピーの初めで、「父さんがちょっとヘン」だと思うことについて話しますよと読者に伝えています。
そこから、

普通:「いつも忙しくて、休みの日だって働いているのに」
ヘン:「急に二人で旅行したいなんて言い出すし」

という文を入れて対比させています。

その後も同様に対比させる文章が続き、最後にまた「やっぱりちょっとヘンです。」としめています。

普通:「母さんがお弁当を作るっていったら」
ヘン:「駅弁を買うからって断るし」
普通:「横に並べばいいのに」
ヘン:「わざわざ向かい合わせの席にして窓側に座るし」
普通:「お腹はペコペコだけど」(おなかがすいたらもう食べるでしょ)
ヘン:「せっかくだから発車するまで駅弁は食べちゃダメっていうし」
普通:「いつもはよそ見して食べてると怒るくせに」
ヘン:「今日は窓の外ばかり見て「な、やっぱりこのほうがうまいだろ」だって」

対比構造が続くことで、「ヘン」だと思う理由が強調されて、伝わりやすくなっている!!と感じました。


②うきうきする父さんを、ちょっと冷めた視点から語られると、
リアリティが増して、話を聞いてもらいやすくなる

広告に登場してくる人物ってたいてい人が良すぎて、いやそんな人いないじゃんとツッコまれてしまったらもう話を聞いてもらえなくなる。とわかっててもやっぱりいい人たちが登場しがち。(もちろんいい人たちがダメってことではなくて

そんな中でこのコピーを書いた山口さんが意識していたことはリアリティだそうです。

家族をテーマにした広告の多くはなぜか気持ち悪い人ほど良い人を描いてしまう。実際そんな家族見たこともないのに。
(中略)
このコピーで気をつけたのは、とにかくウソをつかないこと、もちろん広告なので、父親には駅弁の良さを語る役になってもらいましたが、子供がそれを「ヘン!」と感じてしまうというお話にすることでリアリティが出るように設計しました。

出展:何度も読みたい広告コピー

今回の場合は、子供がいつもと違ってはしゃいでる親を「ちょっとヘン」と感じるところがリアリティだなと思いました、自分自身も親に対して「ヘンだなああ」と思うことあります。笑

商品をほめる・良さを伝える人とそれを疑う人をセットで登場させるのはほかにも使えそうだなあ~~

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山口さんといえば、大好きなJR SKISKIの広告(ぜんぶ、雪のせいだ。)を長年担当されてる方でして、そちらのインタビューも面白かったので転載いたします。

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旅行に行けるようになったら、駅弁と新幹線のあのキンキンに冷えたカップアイスとビールが飲みたいなあと思いました。


それではまた明日、しごとはじめてきます!

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