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『MBTIへのいざない』を読んで

 今、一つ書きかけにしている短編(ショートショートというのかもしれません)があるのですが、今週は、ぼーっとしたかったりして、そちらへ割ける時間を取れておらず、すぐには完成できそうにありません。お話を挙げるのは後回しにして、今回は、もう少し、ぼーっとしながらでも書けるような、別の話にしようと思います。

(先週、手嶌葵さんの『ただいま』という名前のアルバムを聴きました。自分で買ったわけではなく、家のパソコンにおとされているのを、勝手にスマホへ入れただけなのですが。とても優しくて、癒される音楽ですね……!)

 一つ前の記事では、わたしの好きな本『はるかな国の兄弟』を紹介しました。今回は、好きな本……といってもいいものか、でも、心に残っている、わたしの、見える世界をがらりと変えた本『MBTIへのいざない』を紹介します!! 通して読んだのは一回だけで、それもまた、だいぶ前なので、細かいところは忘れてしまっていますが……。それから、わたしの記憶と理解の限りで書くので、とんちんかんなことを書いてしまうかもしれません。

MBTIとは?

 MBTIとは、を簡単にいうと、つまり、人の心の働きを理解しようというときのための、一つの考え方、見方を提示するもの、という風に理解しています。人の心に対する視点の一つを提示するもの、理論、といってもいいかもしれません。詳しい内容に関しては、ここでは割愛しようと思います。正確に理解をするためには、ゆっくり本を読むのが一番かなとは思いますが、どんなものかを大まかに知るくらいなら、ネットで検索をしても、簡潔な説明が見つかったような気はします。

 この本には、MBTI という視点を取り入れ、活用することによって、自分や他者への理解に、自己成長に、コミュニケーションに、その他いろんなことに、役立てられますよ、コミュニケーションの幅が広がりますよ、ということが書いてあります。また、他にもいろいろ、書いてあります。

 わたしは、この本を読むまで、人と人がちがうということを、分かっているつもりでいました。知識も、経験も、考え方も、価値観も、見ている世界も、人と人は、あらゆるところでちがっています。(もちろん、あらゆるところで同じだ、と見ることもできますが。)でも、わたしはそれを分かっているつもりで、分かっていなかったのです。この本を読んで、そのことに気づかされました。衝撃を受けた、といってもいいのかもしれません。心の働き方のクセのちがい、といったらいいのでしょうか、そんなところは、わたしには盲点だったのです。視界をぐっと押し広げられたような、新しい視野、視点……それよりも、ものを見る角度、といった方が近いかもしれません、そういったものを付与されたような、そんな感じがしました。

「ひとり」の感覚

 ……ところで、この本の本文に、「たとえNPを指向する親が好む傾向がある牧歌的キャンプも、参加させられたFJの子どもにとっては最悪のものとなることがある」という一文があります。牧歌的キャンプ、なんて、日本ではなじみのない言葉ですが、なんて魅力的な、甘美な香りのする言葉なのだろう、と思いました。想像するだけで、うっとりしてしまいます。それこそ、極上の幸せじゃないか、と。(もちろん、極上の幸せはそれだけじゃ、ないですが。)ゆったりのんびり、思う存分、日向ぼっこをしたり、草の香りをかいだりなどして、過ごしたら……。
 でも、そんな風に、牧場歌的キャンプなるものに引かれる人間がいる一方、あたりまえですが、引かれない人間や、むしろいやだと思う人間もいるわけです。(飲み会やパーティーといったものが存在するのだって、もちろん、そういったものに引かれる人間がいるから、なんですよね。)わたしは、この一文を読んだとき、牧歌的キャンプ、のどこら辺に最悪となる要素があるだろうか、と首を傾げました。
 それで、ちょっと想像したのが、うまく言語化……うまく、単語に置きかえて表現をすることができないのですけれども、なんというか、「ひとり」で、何かをして、ウフフ、と思う感覚、というのでしょうか。その「ひとり」というのは、別に、誰かと一緒でもいいのです。「ひとり」で、ケーキを食べて、あーおいしいなあー、ウフフ、と思う感覚、「ひとり」で、家族と、友人と、過ごす時間、幸せだなー、ウフフ、と思う感覚……その感覚が、あまり身近でない、感覚の主軸にない人も、いるのではないか、と。そんなことを想像してみたわけです。まったく検討外れの想像かもしれませんが、そして、まったく答えを出すつもりでもなんでもないのですが、とりあえず、そんな想像をしてみれたのは、MBTIというものを知ったおかげなのではと思います。
 話が脱線してしまいましたが、新しい視点を得ることで、考えられることが増えるのは、おもしろいですよね。

無理におしゃべりをする必要はない

 あと、は、何を書いたらいいか、この本を読んで、わたしは、ほっとしたというか、自分はこれでいいんだな、と思えたところがあります。人と人はちがうんだ、ということを、以前にも増して理解することができて、また、INTPを指向する人は、こういう傾向にある、かもしれない……という記述を読んで……。
 たとえば、発達したINTPは、「おしゃべり」を避ける、というところですよね。わたしは、わりと、自分では情けないと思うのですが、外部からのプレッシャーを感じやすく、そういったものに弱いタチで、人とのおしゃべりを楽しまなきゃ、楽しめるようにならなきゃ、といったようなプレッシャーを抱えていたようなところがあります。それが、ああ、無理に人としゃべる必要はないんだな、と、少し気が楽になったわけです。
(おしゃべりを楽しめる楽しめないとは関係ないですが、わたしは、かなり激しく人疲れをしてしまうタチでもあり、とくに慣れない人と関わると、三日くらいは寝込みたくなってしまいます。「一人になりたい、引きこもりたい」は、心の中での口ぐせなのです。でも、人間が嫌いなわけじゃ、ないのです。ただ、疲れてしまうというだけで。むしろ、人間は、とても好きです。)

おまけ

 ちなみに、もうお分かりと思いますが、わたしは、自分はINTP指向だと確信しています。遺伝子の同じこのみは、INFP指向で、わたしとちがいます。指向のちがいによる(と思われる)表現のちがいは、子ども時代にはすでに現れ、その指向は、その後、変わることはない、というのがMBTIの考え方なので、MBTIでの指向のちがいというのは、エピゲノムや、ごく幼少期の環境要因や偶然のちがい、つまり、こっちの機能の方をよく使うような環境だった、とか、偶然こっちの機能の方をよく使った、というようなことで、生まれるのかもしれませんね。一緒に同時に、育ったきょうだいで、一人がT指向、もう一人がF指向というのは、決して不思議ではない、自然なことのように思えます。

最後に

 さて、MBTIという理論自体おもしろいものですが、
(MBTIの科学的根拠を疑問視する声もあるらしい、と、どこかでちらりと見たような気がしますが、わたしはあまり気にしていません。わたしも、本を読んでいて、ムム? と思うところがないわけではありませんけれど、そもそも、ムム? と思わないものって、そうそうないですよね。何事も、まだまだ、これから精査され、磨かれていく余地があるのだと思います。
 それから、科学的、という言葉も、万能ではないという意味で、わたしはあまり信用していないのです。科学的かどうかというのは大切な指標の一つですし、科学的か、科学的じゃないか、というところを突き詰めてみるのも、またおもしろいとは思いますが、それによって物事を判断できるとはあまり思えない、少なくとも、わたしは、そういった考え方は、視野が狭くなるようであまり好きではないのです。科学的ではないからといって、何かを切り捨ててしまうのも、もったいないですよね。)
 ええと、そう、MBTIという理論自体おもしろいものですが、その他の部分を含め、この本を読んでいて好きだなと思ったのは、なにより、コミュニケーションという、人類史上最大の難問の一つ、とでもいえるであろうものに、果敢に挑んでいこうとするその姿勢なのです。そして、自分を、他人を、理解しようとする姿勢、人生をかけて成長しようとする姿勢、前へ前へ進もうとする姿勢なのです。読んでいると、コミュニケーションというものに対して、それだけではない、他、いろんなことに対して、前向きな気持ちになってくるのです。

 どんな知識も同じだとは思いますが、MBTIもまた、使い用によって、毒にも薬にもなり得るものです。たとえば、わたしの「おしゃべり」の件に関しても、自分はINTPだからおしゃべりなんてくだらないことはしないんだ、と決めつけ、自分の行動を制限してしまえばそれまで、MBTIの本来の目的からは、まったくの本末転倒になってしまうわけです。この本の著者は、かなり慎重に、丁寧に、口を酸っぱくして書いていますが、MBTIは、人を決めつけるものでも、人や人の心を説明できるものでもありません。MBTIは、ただ、心の働きや、人と人のちがいを生む一要因として、心理機能の使い方のクセや、そのちがいというものを、考慮に入れてみてはいかがですか、と、提案するにすぎないのです。

 分量も多くなりすぎて、書くにも時間がかかりすぎてしまうので、また、かなりの部分を忘れてしまっているので、ここには、感想のほんの一口しか書くことはできません。けれど、この本では、自分や他者を知り、理解をする上で、自分を成長させる上で、その他いろいろのことの上で、その一助とできる話に出会えるのはたしかです。新しく得た知識で自分の思考をがんじがらめにしないように、慎重に、筆者の意図もよく汲んで、読む必要はありますが、たっぷりボリュームもあって読み応えもあるので、読んでいて楽しいですし、一読の価値はあるかと思います。読書そのものを楽しむ、読書をするという目的のためにも、もってこいです。(正直にいえば、役に立てようというより、それが一番の目的ですよね。)
 興味のある方は、ぜひ。

 脈絡もなく、また、なんの熟考もせず、気の抜けた文章を書いてしまいましたが、これからも、気楽な感じで、文体も、もっと素に近づけていけたら、それもいいのかなと思ったりしています。
 書いていたら、目が覚めてきました。  


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