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舌痛症とカプサイシン その1

私は粘膜が荒れるタイプの口内炎にかかっており、正しいかはわからないが それを舌痛症と呼んでいる。

私は舌痛症のくせに辛い物が大好きで、時々、新大久保で韓国料理を食べたり、朝食はキムチ納豆や辛子明太子、ランチにはタイカレー、パスタはアラビアータを好んで食べている。おかずにもよく一味唐辛子をかけている。

口腔カンジダ症だったころは、辛い物がしみて激痛を感じ食べられなかったが、カンジダがいなくなるやいなや、即、新大久保に足を運んでいた。

私の場合、辛い物を食べても不思議と舌にしみないし、舌痛症は悪化もしない。上の写真にあるような激辛ビビン冷麺を食べても、舌痛症のシビレ感がかき消されて口が痛くなるのが心地よかったりする。

辛い物は舌痛症に良いのか、悪いのか、またはそのどちらでもないのか?
ネットで調べてみたところ、舌痛症だからこそ唐辛子を積極的に食べていった方が良いと思うに至った。

下記の論文では、ラフチジンという胃潰瘍に処方される薬を舌痛症患者に8週間投与し、有効・著効が79%となっている。

舌痛症とカプサイシン感受性知覚神経との関係

ラフチジンは、もともと唐辛子に含まれる辛み成分で、舌に存在するカプサイシン受容体というのを刺激する働きがある。この受容体が刺激されると、次のようなことが起きるのだそう。

  • 胃粘膜の保護

  • 胃酸の分泌を抑制

  • 血流量を増加させて胃粘膜の再構築を促進させる

私自身、これまで口内炎に関する医学論文を読んで勉強してきたが、胃粘膜を保護する薬=口内炎にいい、と理解している。上記のような、ラフチジンを舌痛症患者に投与した論文はもう一つあり、そちらは84%とさらに高い有効率だった。

カプサイシン受容体を刺激したいなら、わざわざ薬を飲まなくても、カプサイシンは唐辛子の辛み成分なんだから、唐辛子を食べればいい。

今までは心配もあり、ほどほどに唐辛子を楽しんできたが、これからは安心して、もっと積極的に唐辛子を食べていこうと思っている。それにしても、唐辛子は胃粘膜を保護する作用があるなんて、意外だよね。

ところで、上でご紹介した論文には、ラフチジンを投与された群と、クロチアゼパムという抗不安薬を投与された群の比較を行っている。この抗不安薬を投与された群の8週後の有効率は、たったの12%だったという。

クロチアゼパムは、この2006年の論文が出された当時はよく舌痛症に処方されていたのかもしれないが、2023年の現在、「クロチアゼパム+舌痛症」で検索してもあまり情報がヒットしない。この論文、けっこうインパクトがあって、今ではほとんど処方されなくなったのかもしれない。

最近は、舌痛症には抗うつ薬が処方されているようだが、ラフチジンと比較したらどんな結果になるだろう。

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