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第一章 03 新潟中越地震までの記録

関東大震災の前にはこんなふうな揺れが出ていたのではないか?
2004年、久々に出てきた奇妙な揺れを、その当時はまだ微動とは言わず記録していた。これが阪神大震災前の当時と同じ経過をたどるなら一か月ほど継続や停止を繰り返すはずで、ラジカセアンテナが揺れたり造花が首を振るような様子が出現し、その後まったく何事もなかったような静穏な期間を経てから大地震が発生するはず。

ラジカセは処分してしまい、アンテナのついたものは何もない時代になっていた。造花はあったものの、それが揺れる様子はなかった。鉄筋コンクリートのマンションではさほど揺れないのだろうか?伏見では木造の古家だったから造花もアンテナも揺れたのかもしれない。。。

奇妙な揺れは繰り返し出てくることもあれば、気づくと何も出ていない時もあった。揺れがあったことをとにかく記録していなければ、揺れていない時には「あれは気のせいだったのか」と不安になる。スマホのセンサーや地震計を自前で持っているわけでもない。SNSのない時代、掲示板に記録し続けるしかなかった。

当時の掲示板に書き込んだものをコピーして保存、その後はブログで公開していますが、ここに掲載することにします。

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2004/09/01 12:00:00  事後報告になりますが、観察日時ごろ、椅子に座っていると前後にゆっくりと
ぶよぶよとした揺れが規則的に感じられた。マンション2階。長く続けば大きい地震の前触れだと思ったが、規則的に揺れていたのは5分程度でその後は観測できなかったのでたいしたことはないと思って送信しませんでした。でも今度からはこの程度でも送信しようと思います。

2004/09/09 1:25:00  観測現在、寝付かれず、布団の上でじっとしているとなにか不安定な落ち着かない感じがしたので起き上がってじっと集中してみると少し回転がかかったような、ときおり前後に方向性をもった微震を感じた。さらに観察していると一定の規則で同じような揺れが何度も執拗にやってくる。
ときおり部屋の軋み音も伴う。先立つ日中にも回転のかかったような揺れや軋みを観察していた。長期間続くようなら大型の地震の可能性があると思うので引き続き観測したい。

2004/09/13 23:40:00 先ほどから不規則だが頻繁に揺れを感じる。揺れは回転がかかったようなぶよぶよとした揺れで方向性も定まらない。揺れの周期は長いものと短いものが不規則にからまったかんじ。観測場所はマンション2階。下から、くん、と突き上げるような感覚もあった。

2004/09/14 15:10:00  昨夜感じた揺れがさらにはっきりと感じられる、揺れはぶよぶよとした同じ揺れがやや規則的に続いている。中規模地震の前兆と思われるが、そうした中規模地震のないまま同じ状態が2週間も1ヶ月も続くようであれば阪神大震災クラスの地震につながりかねないと思う。もう一度防災点検をしておこうと思う。

2004/09/23 14:30:00 9/14(10日ほど前)ぐらいからずっと揺れが続いている。不規則な揺れが本日観察時刻ではほぼ一定の周期で繰り返し揺れが来る。浅間山の関係かもしれないが、阪神大震災のときと似た揺れなので注意している。

2004/09/28 22:00:00   部屋のきしむ音をともなってかすかな同じような揺れが何度も何度も繰り返している。昼夜問わず続いている。時折、はっきりと前後に揺れるような、くん、と突き上げるような揺れも混じっている。阪神震災前の揺れに非常に良く似ている。(阪神のときのほうがさらに揺れがはっきりとしていて周期も規則正しかった)この揺れを観測し始めてから2週間ぐらいずっと続いている。気になる兆候。観測場所はマンション2階。

2004/10/07 20:45:00  9/14から感じている規則的な揺れが昨日10/6午後11時の茨城県地震の前兆だと思ったので、揺れがなくなっただろうと思っていたら、先ほどから特に顕著に、部屋の軋みを伴ってほぼ規則的なはっきりとした揺れが反復している。阪神大震災の前と酷似した揺れなので気象庁の楽観視に疑問を感じる。

2004/10/13 15:00:00  9/14ごろから感じていた微動、当初は不規則、最後はほぼ規則的だった微動が、
昨日から感じないようで、観測時刻、まったくなりを潜めた様子。よく神経を集中すると不明瞭だけれども周期の短いぶよぶよとした揺れが感じられる。終息しつつあるのか、大きな地震のまえの静かさなのかわからないけれどいずれの可能性も視野にいれつつ。

2004.10.23 17時56分新潟県中越地震発生

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最後の記録から後は、全く記録すべきことがない静穏状態だった。このことも阪神大震災の時と全く同じだった。
誰も新潟でこのような地震が発生することは予測していなかったと思う。私は地震が必ず発生すると確信をもって記録をつけ続けたが、発生場所はほとんど想像できなかった。当時住んでいた東京西部から近い関東一円ではないかとぼんやり考えていた。また、最後の記録の後に全く微動が出なくなって3日もすると、その確信が揺らいできた。記録を見れば前の震災と同じ経過にあるにもかかわらず、その気配は全くない、自分は何か馬鹿な勘違いをして一人で騒いでいるだけなのか、と。記録のことも微動の事も忘れたくなりつつあった、その中で地震は発生した。地震発生前の静穏期間のこの異常な感覚にこのあとも現在も、悩まされることになる。そしてこれこそが大地震の特質だったのだ。






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