蛍火

季節替わりの雨は名前を変える。
堕ちてくる水に意味など無いと知りつつも、意味を見い出そうとする。些細な感情など大人になれば忘れると言う人もいる。それでも僕は蛍火を感じていたいと願う。

生まれてから与えられた模範解答に即した生き方はどうも窮屈で、見た目は大人になっても心は子供のままでいる。
なんども馬鹿にされたり矯正されたりしてきたけれど、小さな自分は消える事は無かった。泣いたり笑ったり沢山の雨を見てきた。雨に名前は無くて、理由も意味も要らない。感じるままに生きていたい。
愛情は天井知らずに増してゆく。器から溢れて涙になる。海の中に漂うクラゲのようにゆらゆらと。