東京夜光『BLACK OUT』

真っ暗な暗転が鮮やかな舞台でした。

僕も演出助手を何年かやっていた。
でもこの芝居にでてくる主人公みたいな感じではなく、全くセンスがなくて本当にただいるだけって感じで常に申し訳なかった。

そんな事や、僕自身が4月に公演を中止にしたり、その時出演するはずだった俳優さんが今回の作品に出演したりでずっと変な感傷が襲ってきてフラットに観られなかった気がする。でもなにか表現に携わっている人ならみんなドギマギしながら観たんじゃないだろうか。

自分の芝居がつくれないながら演出助手の仕事に甘んじる主人公が矛盾を抱えていないのに何かを作ろうとする自分にコンプレックをいただいているところは切に自分の抱えてる問題でもあって痛かった。

なんだかまとまらないけどとても良かったです。
回を重ねるごとに彩られていく暗闇。
怖い。けど、演劇を引き返せないほど好きになってしまった瞬間も初めての舞台の暗転だったなとか思い出しました。

MITAKA“Next”Selection 21st
「BLACK OUT」

作・演出：川名幸宏
出演：丸山港都 東谷英人 大内唯 東澤有香 砂田桃子 草野峻平 笹本志穂 吉田多希 藤家矢麻刀 福地清 都倉有加 高羽彩

8/21~30 三鷹市芸術文化センター星のホール

tokyoyako.com/blackout