見出し画像

そのクッション、危険です!

車椅子を使っている方の中には、自分でアレンジして使っている方もいると思います。アレンジする時に、福祉用具専門相談員やシーティングエンジニア、理学療法士や作業療法士に相談していますでしょうか。

バックミラーやライトをつける程度でしたら全く問題ありません。しかし、クッションやバックサポート(背もたれ)、フットサポート、アームサポートなどをアレンジすると、とても危険なことがあります。

介護保険でよくあるケースが、車椅子用クッションはレンタルするのがもったいないので家にある座布団を代用品として車椅子に乗せているというものです。あるいは、あるいはクッションを2枚重ねて使っているのも多く見かけます。

その使い方、非常に危険です!

座布団はサイズが車椅子の座面より大きいため、座面の前方に垂れ下がっていたり、背もたれにかかっていたりします。すると、お尻が前方に滑りやすくなり、場合によっては車椅子から転落する事故につながります。お尻が後ろまで入らないため、姿勢が悪く、疲れやすい、首から腰にかけての慢性痛、飲み込みにくい、褥瘡ができやすいなどの状態にあると言えます。

クッションの2枚重ねも姿勢崩れがしやすく、座布団と同様の姿勢の悪さと弊害が出てきます。それよりも恐ろしいのが、重ねたクッションがずれて、そのままクッションごと滑り落ちることです。

特に介護保険利用者にこのような使い方が多く見られます。

車椅子には車椅子用のクッションを使ってください。車椅子用クッションは姿勢崩れや滑り落ちにくい構造になっています。ホームセンターのクッションにはない機能がついています。それだけでなく、路面からの衝撃を緩和したり褥瘡予防ができるクッションもあります。

福祉用具は正しく使わなければ体を痛めたり、事故を誘発することがあります。ご自身のこれまでの経験だけで判断しないで、まずはまわりの福祉用具専門相談員や理学療法士、作業療法士に相談してください。

いいなと思ったら応援しよう!

車椅子安全利用コンシェルジュ 久内純子
よろしければサポートをお願いいたします。 車椅子ユーザーと家族、支援者が幸福な介護現場を実現するために、「車椅子事故ゼロ」を目指して啓もう活動をしています。 いただきましたサポートは、今後の活動費に使わせていただきます。あなたのサポートを頂けますと嬉しいです。