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暑さ対策していますか?

これから暑い季節になります。車椅子をお使いの方にはつらい季節になります。

車椅子に座ると、立っている人に比べて顔や体幹の高さが低くなりアスファルトからの熱を受けやすくなります。さらに、座面とバックサポートが腿や背中に密着しているために、蒸れて熱がこもりやすくなります。
車椅子で暑さ対策をするには、小型のファンをバックサポートに埋め込むなどの方法があります。ただし、これはモールド(厚いウレタンで体幹を固定することで座り姿勢を維持するための車椅子)の車椅子で使われる手法で、通常の車椅子の場合、ファンを埋め込むことはできません。

そのため、本人や家族が対策をとる必要があります。
ご高齢の方は、あまり新しい服を購入する機会がないかもしれませんが、服も生地を選ぶことによって、体感温度がかなり変わります。ユニクロやスポーツメーカーが作る服の中には、速乾性に優れて、汗が体に張り付く不快感がほとんどないものもあります。このような服を選ぶことで、不快感がかなり軽減すると思います。

また、可能でしたら、涼しい時間を選んで外出することも有効です。午後よりは午前中の方が涼しいですし、夕方から夜など直茶日光を避けられる時間を選ぶことも熱中症対策となります。
最近は、携帯用の様々な暑さ対策グッズが販売されています。携帯できる扇風機や首に巻く冷却剤など。また、車椅子のフットサポートに付けられるペットボトルホルダーもあります。こまめに水分補給ができるように、すぐに手の届くところに置いておくといいと思います。

また、屋外に長時間いる方、屋外に車椅子を置いておく方は、ちょっとした工夫をお勧めします。
車椅子のアームサポートやクッションは黒い色が多く、熱を集めやすくなっています。そのため、直射日光に長時間あたると、触れないくらい熱くなることがあります。
屋外に長時間いる、あるいは車椅子を置いておく場合には、上にタオルか何かをかぶせるなどして、直射日光が当たらないようにすると快適に使えます。ちょっとひと手間かもしれませんが、簡単ですので試してみてください。

他にも、直射日光で起こったトラブルをご紹介します。

車の中にジェルタイプのクッションを置きっぱなしにしている方がいました。
たまたま光が当たる場所に置いていたため、熱を持ちすぎてジェルが入っている袋が破れたケースがあります。ジェルタイプは温度変化に弱いため、注意が必要です。
また、エアクッションも注意が必要です。エアクッションは空気の体積によって、体圧を調整するクッションです。ですから空気の体積が非常に重要になります。しかし、空気は温度によって体積が変化します。
通常の気温では問題ありませんが、窓を閉め切った車内などに放置すると、熱が上昇します。車内など日の当たる場所に置かないように注意が必要です。

直射日光によるトラブルで多いのは、簡易電動車椅子のバッテリーです。
酷暑の夏に、バッテリーの充電ができないという問い合わせ何件かいただきました。訪問すると、日の当たる窓際に充電器がありました。バッテリーは万一の発火事故を予防するために、温度が高くなるとオフになる安全設計がされています。この場合も、直射日光による温度の異常な上昇によって、安全装置が働いたと考えられます。実際、日陰に充電器を移動させてからは問題なく使えるようになりました。充電器とバッテリーは、必ず「日の当たらない」「湿気のない場所」で使ってください。

もうすぐ夏の蒸し暑い季節がやってきます。熱中症にならないように今年も乗り切っていきましょう。

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