#102 目つき
今日、会社から最寄りの駅に向かう途中、明らかに自分を見て猛スピードで逃げていった女性がいた。
イヤホンをつけていたから何を言っていたかわからないけれど、「あの人絶対追ってくるって!」みたいな事を言われた気がする。
ただ帰りに急いでいて追い抜きたかっただけだった
同じ駅に向かっているだけだった
でも、偶然目があったその女性の目は自分を恐れている目だった。
昔から、自分は自分の目が嫌いだ。
幼い頃から、親からも言われたことがある。
「その目つきをやめなさい」と。
自分では普通にしているだけで
相手に恐怖の印象が伝わってしまうらしい。
『目は口ほどに物を言う』
ことわざ様々だ。
昔から怒られたりすると、言葉で反論するのではなくただただ耐えていた。何か口にすればそれが何十倍にもなって帰ってくるからだ。八方塞がりでただ怒られ続けていた。
口にしないのが吉。
そう思って怒りの感情を常に溜め込むようになった。
幼稚園の頃
幼稚園の先生から怒られている時の目つきについて親が何か言われたと言っていた気がする。
やはり自分の目には気持ちが伝わりすぎる。
きっと今日帰りに逃げていた女性は、あの人を追い抜こうという勢いをいち早く感じ狙われていると錯覚したのだと思う。
だとしても追わないし、疲れてるし、眠いし、、早く帰りたいだけやし、、、
余計に眠くて目つきが悪くなってたのかもしれない。
負のハッピーセットになってしまっていたのかもしれない。
謝った方がいいのだろうか?
結果、自分は常時人を見透かしたような目をしているようになった。
常に反骨的な目つき。
目が笑ってない。
自然と人と目を合わせなくなった。
常に下を向くか空を見るか。
つくづく生きているのが辛く感じる。
この高圧的な目は、親からの遺伝であることは分かっている。
怒るときの母親の目と同じなのだ。
それが調節できないままなのである。
母からも言われたことだから間違いない。
感情を読み取られないように、読み取られないように、そう念じ続けた成果が、この目つきを作り出した。
いっその事、呪術廻戦に出てくる五条悟のように目を隠した方が良いのではないのかとさえ思う。
自分の目を「無量空処」したいくらいだ。
ただ生きているだけで、人様に迷惑をかけてしまう存在になったのかと思うと。もはや妖怪的な何かになろうとしてるのかもしれない。
人とは違う何かに。変身願望?
憂鬱な性格、悪い目つき、いったい自分は何になりたいんだろう?
犯罪を起こしていなければいいな。
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