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充希と鶏肉

──ドラマのような日常も、漫画のような出来事も、映画みたいな美しさもいらない。ただ、一生笑って暮らせればそれでいい。お笑い番組を見て笑ってお金を貰う仕事に、就きたい。──くるパ


「今日、ケンタッキーにしない!?」僕の中の充希が嬉しそうに言う。

「しない」。「だって言うほど美味くないから」。「Lチキの方が好きだな」。

僕がそう言うと、僕の中の充希は少しだけ悲しそうに、笑った。どうも、我十院牙樹丸(がじゅういんがじゅまる)でございます。これは昨日の日記。

うん、本当になんであんなにケンタッキーが人気なのかホントに理解できない。これは本当にずっと理解できない。絶対にLチキの方が美味い。

自分で言うのもあれだが、舌バカではないよ。ちゃんと質素なものから高級なものも頂いてきた。そんな僕のグルメマウスは、ケンタッキーの美味しさが理解できなかった。

別に不味いとかじゃない。なんか、パサパサしてない?ケンタッキーの肉って。分かんない?僕は肉はジューシーに限ると思ってるんだけど、ケンタッキーは圧倒的パサパサ感が凄いんだ。もちろん皮の部位はとても美味い。僕は鶏の皮が好き。

初めてケンタッキーを食べたのは22歳。ここで「んなアホな」と思ったそこのアナタ。自分のモノサシで他人を測る癖がついとりますね。良い機会です、とりましょ、それ。

ここから関西弁でお送り致します。

絶対Lチキの方がジューシーで美味いでしょ。なーにがケンタッキーすか。あんなもん食えるタワシですがな。言い過ぎました、ケンタッキーが好きな人やっておんのにそないな言い方あんまよーなかったね。反省しとります。ほんま、堪忍してな。うんこ。

一般的に美味いとされとるもんで僕が他に口に合わんかったんは「鮭とば」やね。あれ、なんなん。磯臭い。生臭い。硬い。小さい。鮭やない。んー、、、何コレ。

終わっとるやないかい。

パッケージがくそ美味そう過ぎて釣られて買うてもーたけどほんまガッカリやわ。こんな事なるんやったら渡部のグルメ本でも買うときゃよかたわ。

何の話やねん。おい充希、今日はケンタッキーやない。納豆とオクラととろろを混ぜたもんに卵黄落としてだし醤油垂らして、それを米にかけて食うトロトロ飯や。ダイエットにも夏バテにもええらしい。おれはこれが大好きや。すまんな、充希。しばらくケンタッキー、食わしてやれへん。でもかめへん。だって充希、おまえはおれがおったらそれでええ。せやろ?充希。

、、、充希?おい!充希!!!!

、、、あれ?充希?

、、、、、

、、、

充希ーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!


ハァ…ハァ…

、、、そうか、、

充希なんて、、ハナからおらんかったんや、、

ハハ、、なにをしとんのやおれは、、、

何が"僕の中の充希"や。そんなもんはまやかしやったんや、、、何もかも、おしまいや、、、


それ以来、充希は僕の中に現れていない。次もし出会えたら、今度は彼女が大好きだったケンタッキーを食べよう。10バケツでも100バケツでも良い。彼女の笑顔がもう一度見られるのなら。

彼女が一番笑ってた顔、今でもたまに思い出す。






おまえいっちゃんわろてたの競馬のCMやろ!!!


今日の一曲♪ハルカミライ-世界を終わらせて




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