俺とジャングルマウス@浜名湖パルパル
初乗車：2022年10月1日
好きなセクション：無し
我が地元にかつてあった三宝山スカイパークに、マッドマウスと呼ばれるコースターが存在した(※1)。日本三大鍾乳洞にも数えられる龍河洞近くにあった小さな遊園地に設置されていたソレは、伝聞で聞く限り、”車両の整備不良によりコーナーの遠心力に負けて脱線、崖下に落ちた”といった数々の真偽不明の伝説を生んだようだ(ぜってー嘘)。この伝説、40代以上の土佐っ子からしたら”横浪スカイラインの女幽霊”並に有名な話かもしれない(※2)。
当時の写真やYouTubeにアップされている8mmフィルムの映像から、典型的なチャンネルレール式マウスと推測できるのだが、如何せん情報が少なく、どのようなレイアウトだったのか、速度はどれくらい出ていたのかなど、今では知る由もない。
高知のド田舎にもあったようなチャンネルレール式マウスだが、全国的に数が減少し、今では貴重な存在となってしまった。そんな古き良きコースターが未だに稼働しているのが、ここ浜名湖パルパルだ。
流石に安全装置はシートベルトだけ！ではなく、ちゃんとしたラップバーだった。発車するとすぐさま左に曲がり、巻き上げに入る。車体にチェーンが引っかかった瞬間、ガックンと前のめりになるような衝撃を受けた。かなり負荷が掛かってそうだが大丈夫だろうか…。
頂上に到達すると、マウス特有のドロップとは言い難い”窪み”とカント角が0に等しいコーナーをひたすら繰り返しながら走行する。これがほんとのゼロカントカーブってワケ。コーナーを通過するたびに、何かが擦れる甲高い金属音が耳を劈く。2人乗りの車両にひとりで乗ったためか、コーナーの度に体が右へ左へ移動しまくる。あの三宝山の伝説は本当かもしれない、とロクでもない事を考えながらGに身を任せていた。
途中、ブレーキゾーンがあったのだが、全く減速するそぶりを見せずに通過した。バンデットの最終キャメル手前ブレーキゾーン跡かよ！
この日、ジャングルマウスはピンクと黄色の2台運行で、駅舎に1台、走路の1台というオペレーションだった。コーナーの度にうっ…とか、アッ…とか言いながら、ひとりGに耐える姿を公衆の面前に晒してしまったのだが、駅舎で待っていたあの家族の目にはどのように映っていたのだろうか(※3)。
数々の伝説を生んだ、三宝山のマッドマウス。チャンネルマウス特有の謎の金切り音、そしてコーナーの度に吹っ飛ばされそうになる体。同一メーカーの車種ではないのかもしれないが、浜名湖のほとりでその伝説の一端に触れることが出来、個人的には満足だった(※4)。
注釈
※1 RCDBに記載されていないのだが、実は三宝山の他にもマッドマウスと呼ばれるコースターが高知には存在した。場所は桜ヶ丘レジャーランド。高知の109ことイオン高知にほど近い、桜ヶ丘団地に隣接したレジャー施設だったようで、プールやボウリング場、ミニ遊園地を備えていた。いつ設置され、いつ撤去されたかに関しては全く情報が無いので言及することは難しいが、1975年の航空写真には薄らと存在が確認できる。伝え聞く所によると、このコースターも三宝山に負けず劣らずの危なっかしいコースターだったようだ。
その後、プールとミニ遊園地が無くなり、ボウリング場のみが2000年代初頭ごろまで営業していた。2016年ごろ、ボウリング場の跡地を見てみようと探険してみたのだが、もう影も形もなく住宅街と化していた。唯一の痕跡は、団地入口にあった案内板に薄らと書かれた“桜ヶ丘フレッシュボウルZ”の文字のみ。Z要素どこ…？ただ、謎の宗教施設があったり、何故かライオンの剥製が置いてあったりと色々と不思議な団地だったことを覚えている。
また、鏡川の辺りで1958年に行われた”南国高知総合大博覧会”では高知初のコースターが登場。こちらもRCDB未掲載
※2 高知の走り屋の聖地、横波スカイライン。ここでは色々とキナ臭い事件や事故が多発していた。とくに有名なのが、電話ボックスの女の幽霊。あるあるの噂ではあるが、実際に女性が殺害されスカイライン横の茂みに遺棄された事件が発生しているためタチが悪い
※3 ジャングルマウスより、ミニコースターに乗る時の方が恥ずかしかった。周りの視線が堪らねえぜ
※4 チャンネルマウス系だと富士急にかつてあったマッドマウスも体験済みだが、あれより高さが低く、速度も出ていないであろうジャングルマウスの方が怖く感じた。根本的な安心感の違いか？ マッドマウスがクローズ済みのため、乗り比べ出来ないのが残念
画像引用
[1][2] 出典：国土地理院撮影の空中写真（1975年撮影）
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？