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俺とメガコースター「四次元」@浜名湖パルパル

ケビンコスナーじゃん エアーウルフだね トップガンみたい…

初乗車:2022年10月1日
好きなセクション:ツイストダイブ  

 近、仕事量が増えたからか色々とストレスが溜まってきている。残業をして何とか埋め合わせをしているのだが、それでも自転車操業状態になってきてしまった。そんな時のストレス発散方法は、やっぱり酒とジェットコースターしかない。ということで、まだ乗ったことのないコースターを求め静岡県を訪れた。

 松駅から路線バスに揺られること1時間、目的地である浜名湖パルパルが見えてきた。英語力が壊滅的な俺にはさっぱり分からなかったが、パルとは英語で友達とか友情みたいな意味があるらしい。

真ん中の緑のコンパスは何だろうと思っていたら、Aだった

 インキャラクターデザインを我が地元高知県が生んだ巨匠、やなせたかし先生がデザインしており(※1)、また、園内の遊具も家族で楽しむような施設が半数以上を占めている。明らかにコースターマニアがウロチョロして良い雰囲気ではないのだが、それでもココを訪れたのは「四次元」があるからだ。

ハロウィン期間中ということもあり、かなりの賑わいを見せていた

 の四次元、国内では当時ウルトラツイスターに採用されていたエレメントであるハートラインロールとツイストダイブを持つ異色の機種だ。設計したトーゴは四次元に先駆け、ツイストダイブを持つManhattan Expressをラスベガスにオープンさせている。見た目のインパクトからして集客力があったのだろう、当時のトーゴ内で流行りのエレメントだったようだ(※2)。

 目当ての四次元はエントランスゾーンに設置してある。このエリアでは、デパートの屋上遊園地に置いてあってもおかしくないような低学年向けの遊具が中心にラインナップされているため、コースター自体かなり異彩を放つ存在だ。

モーリーファンタジーみたいな雰囲気

 次元の駅舎は2階建てとなっており、1階部分には、コースに配置してある各エレメントの説明とレイアウト図が提示されている。客層を考えると、なるほど、静岡県では幼少期からコースター愛好家・マニアの育成に力を入れているんだな…と、妙に納得してしまった(※3)。

自己主張の激しい看板
エレメントが記載されていて、かなりマニア向け

 両のデザインはFUJIYAMAと共通で、安全装置は肩ハーネスとラップバーの2重構造。乗車前はかなり窮屈そうな着座感だろうなと思っていたのだが、案外そんなことは無かった。隣の座席との間隔が広いからか、ハンズアップも行いやすく、ヴィーナスで感じた”重力に負けてハーネスが下がってくる”といった現象も無かった。また、個人差があるかもしれないが、肩ハーネス系の車両にしてはかなりフィット感も良い。ただ、背もたれが高すぎて先頭以外景色がほとんど楽しめない。

 員のおじさんのワンオペ体制だったのだが、このおじさんがなかなか面白い人だった。ディズニーランドか!と思うほど、流暢な英語で発車合図やハーネスチェックをするのだ。同席者に海外の方がいるわけでもないのに。あまりにも楽しそうに仕事をしているものだから、見ているこっちもほっこりした。

ヴィーナスのように、スライドして肩まで下げるタイプ
背もたれが高すぎて、走行中は”注意書き”ばかり目に入る

 車すると左に曲がってすぐ巻き上げ。高さ38mということで、あのビッグバーンとほぼ一緒の高さだ。巻き上げ速度が少し遅いのもビッグバーン感がある。のんびり上っていると右に浜名湖が見えてくるのだが、この日は雲1つ無い快晴で、太陽に反射した湖面が輝いて見えた。

快晴の空には青いレールが良く似合う

 ァーストドロップは60度とまあまあの角度だ。最高地点に到達後、180度旋回してからドロップへと向かう。少し助走してから落下することも相まって、最後尾ではかなり気持ちの良いエアタイムを感じることが出来る。先頭での浮きはそこまで強くないため、景色とエアタイムのトレードオフといったところか。

イイ感じの浮き
こうしてみると車両はまんまFUJIYAMAだ

 ロップの勢いをそのままにブーメランターンだ。この一連の流れはバンデットを踏襲している気がする。最近塗装されたばかりだからか、肩ハーネスも気にならない位にスムーズなターンだった。

入園口から見るブーメランターン
再塗装のお陰か、振動は殆どない

 ーメランターンを超えるとお待ちかねのツイストダイブ。下から眺めたときのビジュアルも強烈だが、乗っていてもその強烈さは変わらない。捻じれたレールが迫ってくるのは圧巻だ。

眺めていても飽きが来ない秀逸なエレメント

 んの一瞬上下が反転した状態で走行し、そのまま地面へ叩きつけられるようにダイブする。反転した瞬間、体重を支えるものがハーネスしかなくなるため、かなり肩に負荷が掛かる。よみうりランドのルーピングスターシップで、反転中にじんわりと頭に血が上るアノ感じに似ていると思った。
 
 転からダイブの流れもいささか乱暴で、首をしっかりと後ろに付けていないと頭が下にグッと押さえつけられる。曲芸飛行のように目まぐるしく景色が変わる。俺が浜名湖のトム・クルーズだ。Danger Zoneを爆音で流して欲しい。

Highway to the Danger Zone
横から見ると、強引なダイブをしていることがよく分かる

 上に降り立つと、すぐさま左コーナー。ダイブ後ということもあり、かなりブッコんだスピードでコーナーを突っ走る。270度ほど急旋回をすると、ハートラインロールだ。

急旋回!Gがすげえ
ハートラインへまっしぐら

 ートラインロール自体は鷲羽山やナガシマのウルトラツイスターで体験済みだが、この四次元は一味違う。ウルツイは車両が一両かつ、形状がコンパクトということもあり、スピード感を失わずロールすることが出来る。一方四次元の場合は、4人乗りの5両編成車両でロールするもんだから、反転途中で失速したような感覚になる。もちろん停止することは無いのだけど。

 ール中はぐにゃーっと視界が反転する。レールを取り囲むリングも相まって、視覚的に面白い。

公園の遊具にありそうな見た目
よっこいしょって感じでロール

 ートラインロールを超えると、一瞬ガクッと落ちてから水平ループだ。この落下で浮きがあれば、イイね!ってなったのだけど、速度と角度が緩くて浮かなかった。残念。

浮きそうで浮かない 寸止めだ

 後の水平ループはかなりハード(※4)。2周ほど下りながらループするのだが、敷地の問題か、ちょっと円のRが小さいように思える。また、カント角も90度近くなっており、地面スレスレを高速旋回だ。真夏日だったらブラックアウト一歩寸前だったかも。また、このセクションはレールが再塗装されていないからか、荒々しい動きをしていた。

Gとひたすら戦う
ほぼ真横のレール
最後はグイッと上昇して終了 お疲れ様でした

 族向け遊園地に何故こんなハードなコースターがあるんだ、と思わずにはいられない。ただ、コースの大半が再塗装されており、走行時の不快な振動は無いため、那須ハイF²のような継続的ボディブローが無いのは救い。ツイストダイブは、眺めていても、体験してみても面白いエレメントなので、当時のトーゴ最先端エレメントに思いを馳せる意味でも、パルパルを訪れて損は無いと思う。鰻もあるし。


注釈
※1 高知の偉人と言えばジョン万や龍馬も居るが、経済貢献度で言えばやなせたかしの方が上に感じる

※2 かつて計画されていた”世界都市博”にもツイストダイブとハートラインロールを有したコースターが設置される予定だったらしい。しかし、博覧会がポシャった影響か幻と化してしまった

※3 小さい頃からコースターに対する英才教育が出来るので良いのかもしれない。実際、看板に足を止め熱心に文章を読む子供も居た。SNK辺りの格ゲー必殺技みたいなエレメントの名称は、やはり男心をくすぐる

※4 鷲羽山のバックナンジャーや八景島サーフコースターもそうだが、トーゴはこの手の水平ループを好んで使う傾向がある


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