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週末論

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服好きのキツネが、ひとりで、たまに友人たちと、週末を楽しくこだわる物語です。 毎週末くらいに更新。
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#週末

週末論(33) 靴に願いを

 たとえば同じ服を着ていなくても、似た雰囲気のふたりが仲良く歩いているのを街で見かけると何だか素敵だなと思います。  ところで、先週の更新から各方面で暖かい応援の言葉をいただきました。直接声をかけてくださった皆さま、DMやコメントをくださった皆さま、改めてどうもありがとうございます。  実は再スタートということで、画質が上がったりフォントが変わったり絵が少しだけ丁寧になったりしてます。細かいこだわりは尽きないものです。  それでは、良い週末を。 * * * ▼週末論

週末論(31) 探しものは

売り切れを知った途端に、どうしても欲しくなってしまうといった経験、ある方もいらっしゃるのではないでしょうか。手に入らないからこそもっと欲しくなってしまう感覚が人間にはあるのかもしれません。  先週はサスティナブルに関して思うことを書いていましたが、たくさん欲しいと思ったり浪費したりすることも、実はファッションの側面であり楽しさ、発展の原動力なのだろうとも思っています。ものを大切にすることと、楽しみたいというファッションへの情熱がバランス良く成り立ってゆくことが理想です

週末論(30) 消耗品じゃない

サスティナブルなファッションが近年取り上げられていますが、私たち消費者は実際何が出来るのでしょうか。服を捨てることもあるだろうし、ファストファッション大好きな人も古着NGの人もいるでしょう。環境云々言われたところで、素材や生産過程なんて服が好きじゃなきゃ興味すら湧かないのではないでしょうか。 環境とか持続可能とかは置いておいて、身近な服を、靴を、モノを、大事にしようと意識する。それがあらゆる事の第一歩な気がします。  それでは、良い週末を。   * * *

週末論(29) 机上のヒロインたち

 ファッションにとどまらず、インスピレーションというのは様々な創作物から得ることができます。本、映画、美術、伝統芸能、音楽…。過去のものだけでなく、街に出ればすれ違う人たちからリアルを感じることができます。  いわゆる「一流」のものに触れることももちろんですが、普段見過ごしている身の回りのものからも意外に新しい感覚をもらえることもあるのではないでしょうか。例えば読んだことのない雑誌をめくってみるだけで、思わぬ世界が見えるかも知れない、なんて考えています。  それでは、良い

週末論(25) 雨と嘘

 素敵な傘があったら雨の日も少し楽しみが増えるだろうと思いながらも、まだ運命の傘とは出会えていません。  週末論のサイドストーリーも少しずつ展開しています。今後とも服の話のついでに、アライくんの恋を見守っていただけたら幸いです。  それでは、良い週末を。   * * * 【週末論LINEスタンプ販売中】 購入ページはこちら* * * 週末論 アーカイブはこちら▼ * * * アライグマたちのマガジンはこちら▼ Yuki Kurosawa / Creator

週末論(21) 定番と挑戦と魔力

 好きな色、好きな曲、好きな味、好きな形、自分が好きなものが自分自身の定番になります。「いつもの」はとても安心するし、どんどん自分に馴染んでゆきます。  しかし、定番に乗っかっているうちに、選ぶということに労力をかけなくなっている自分もいます。そんなときには定番を見直すという挑戦が必要なのかもしれません。そして稀に「この服との出会いは運命」だったり「今日はこれ以外食べる気がしない」だったりという、なんらかの魔力に導かれて選ぶのも楽しいものなのです。  それでは、良い週末を

週末論(20) ヴィンテージになりたい

 ただ古ければ良いのかといえば、そういうわけでもなく。時を超えた運命的な出会いを感じるからこそ古着は楽しいのだと思います。どんな時代に、どんな用途で、どんな人たちが使ったのか、そしてどうやっていま ぼくたちと巡り合ったのか…。思いを馳せるとキリがない、ヴィンテージにはそんな魅力があります。  年を重ねるということは、劣化することでも他人より偉くなることでもなく、その人なりの魅力を重ねていくことなのかもしれません。  それでは、良い週末を。   * * * 【週末論L

週末論(19) 残り物には服がある

 素敵なセレクトショップも好きですが、街のリサイクルショップも大好きです。いわゆる「ディグる」という感じ、掘り出し物を見つけたときの喜びは、やはりリサイクルショップならではの魅力だと思います。  著者が おしゃれな服屋もセレクトショップも少ない地元で、服に興味を持ったきっかけも実はリサイクルショップ巡りでした。リサイクルショップの服コーナー、ラックの端から端までタグを見てブランドやら素材やらを覚えていった学生時代は良い思い出です。そのお話は、またいつかの週末論で。  たま

週末論(18) 湯けむりの先に

 ただ温泉に行くだけ、たまにはそういう話があっても良いのではないでしょうか。結局は服の話になっていますが。  ところで、温泉の力というのはすごいですね。効能のことではなく、空間のことです。露天風呂に浸かっていると、なんだか頭がリフレッシュして、リラックスしたかと思えば、今度はまるでアイディアが源泉掛け流しの如く溢れてくるのです。  そういえば週末論の企画自体も、昨年訪れた温泉でアイディアを固めたのを思い出しました。それでは、良い週末を。   * * * 【週末論LI

週末論(17) チョコはあげない

 誰かにプレゼントをあげることってありますか?それが本命チョコレートでも、チョコチップカモ柄のパンツでも、甘くないコーヒーでも、誰かを思って渡すこと自体に意味があるのかもしれませんね。  バレンタインといえば、イベントに踊らされてチョコレートで一喜一憂するなんてバカらしい...とか思っていた時期もありました。でも最近は、誰かのためにモノを選ぶという身近で良い機会なのかな、とも思うのです。  他にも世間にはさまざまイベントがありますが、もういい年なんだからとか、くだらないと

週末論(16) トークインクローゼット

 ファッションとは、ひいてはあらゆる物事は、こだわりと挑戦の繰り返しのように思えるのです。結局は楽しめるかどうかなのだから、あらゆることに自分ならばどんなこだわりを持って向き合うだろうかと考えます。それが他人からしたら下らないと思われることでも構わないし、「こだわらない」という選択もある種のこだわりともいえます。  しかし、こだわりだけでがんじがらめになるのもいけません。自分に似合うものを常々アップデートしてゆくほうがきっと楽しい。適度に挑戦をすることで、新しいこだわりがま

週末論(14) 薄紅の秋の実に

 何かに興味を持つきっかけ、そんなものはどうでもよくって、おしゃれなんて特にそうかもしれません。誰かに好かれたくて漁り始めた服が、いつしか自分のための服になり、暮らしの根幹になってゆく。そうやって好きなもの、自分に合っているものは変化してゆくのだと思います。  それでは、良い週末を。 * * * 【お知らせ】週末論LINEスタンプ完成! 購入ページはこちら * * * Yuki Kurosawa / Creator

週末論(12) ニュー・イヤーズ・デイ

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。  さて、週末論は「論」と名がつくくらいですから何かを論じているわけで、フィクションとエッセイの狭間で著者自身の感覚が反映されています。著者は今まで、自らのあらゆる作品に個人的な考えやパーソナルな部分を一切いれないよう作っていました。しかし、昨年からこの週末論を描くことで、初めて自分の感覚や好きなもの、世界観を述べるという経験をしています。そして、その経験を通じて誰かと好きなものを共有できる大切さを少しずつ実

週末論(11) 年末論

 お世話になった靴たちは、定期的にクリーニングに出したり自分でメンテナンスをしてあげたりしたいですね。根雪になった12月、レザーソールたちは「ありがとね」と磨いて冬眠させて、これから本格的にお世話になるブーツたちは「よろしくね」と磨きます。  ところで、週末論は まだまだ始まったばかりの作品ではございますが、思っていた以上の感想や応援のメッセージをいただいています。2021年はもっと自由でわかりやすく、もっと不自由でわかりにくいものを作りたいと思います。  次回の週末論は